最近の日本はかつての日露戦争(戦時国債)以来の多額の国債を発行し続けており、国際社会からは消費税の増額を迫られています。
国債のような借金は借り主が経済的に成長している間は幾ら借りても大丈夫だ:これは住宅ローンでサラリーマンも体験したことです。しかし今のように格差対策が叫ばれる低成長時代には借金は重くのしかかって来ます。給料の上がらない非正規社員の借金みたいなものでしょう。幸い低金利なので助かっていますが、それでも借金は増え続けています。
ここで妙案?として「日銀による国債の買い取り」を推進せよと叫ぶ人がいます。(いや実際に日銀による国債の買い取りは始まっています。法律上は禁止されているようですが、自衛隊が憲法違反でないみたいなすり抜け手法で始められています。)ある程度のことはインターネットでも書かれていますが、
http://harukanaruho.jugem.jp/?eid=62
確かに何か詐欺のような手品のような妙な手法です。670兆円もの国債がないことに出来るなんてまさに手品です。
ちょっと考えても、そもそも買いたいものがないから国債を買っている銀行などは折角買った国債を買い取られてしまうと、渡された現金の処理に困るでしょう。出来る限りまた国債を買うことになります。日銀と銀行とは自分のシッポを食べるトカゲ?のような関係になりそうです。
「日銀による国債の買い取り」がもし仮に有効だとしても有効となるには何か前提条件が必要なのではないでしょうか? それは何でしょうか? (国債のような借金が有効なのは経済成長が大きいことが前提条件である、みたいな)
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
「日銀の」というより、中央銀行(ECB、FRBなど)による国債の買い取りが有効となるための
前提条件は、その国債の通貨単位が「自国通貨建て国債」であること。
ヨーロッパ、とくにギリシャやイタリア、スペインなどの国債の問題が大変なのは、これらの国で発行されている国債が「自国通貨建て」ではなく、「ユーロ」という共通通貨を用いてい
るからです。
たとえ法律で中央銀行による国債の買い取りが認められていても、その国の国債が自国通貨
建てでなければ、中央銀行は、その保有している通貨の限度額しか市場からの国債の買い上
げを行うことができません。
ところが、国債を自国通貨で発行している国は、中央銀行に自国通貨を発行する権限が与え
られていますから、仮に国債がデフォルト、つまり債務不履行に陥る可能性が出てきたとし
ても、中央銀行が新たなる通貨を発行することによって、デフォルトに陥りそうな国債を
買い取れば済むだけの話ですから、国債を100%自国通貨建てで発行しており、なおかつ
国内に通貨発行期間を保有する国=日本ではよほど悪意のあるルール改正や政策ミスを意図
的に行わない限り、その国の国債を債務不履行に陥らせることは不可能です。
これは、日本だけではなくアメリカやカナダ、北欧の諸国、イギリスなども同様ですね。
ただし、上記の話は「買いオペ」。つまりすでに発行済みで、市場に出回っている国債のこ
とを話しているのであり、では仮に市場からの国債の買い取りを日銀の力で行えたとして、
では日銀が買いオペを行った後、それでもなお日本の銀行に国債の買い取りを行う体力が
残っていなかったらどうするのか、という話も出てきます。
その場合は、日銀による政府からの直接の国債の買い取りを行います。
この方法は、世界恐慌の後、日本で発生した昭和恐慌の災厄からこの国を守るため、改めて
大蔵大臣に就任した高橋是清によって行われた政策で、この政策のおかげで、日本は世界で
最も早くデフレ経済から脱却し、全世界がデフレ不況にあえぐ中で、右肩上がりの経済成長
を遂げるに至ったのです。
この結果、日本国の経済は成長へと転じ、やがて相場はデフレからややインフレ気味に推移
しはじめました。そこで、是清は今度はインフレを抑制するため、国債を発行し、手に入れ
たお金を軍事費に当時注いでいたのですが、一転緊縮財政にシフトし、軍事費への投資を
縮小しようとします。
この結果、是清は軍人の怒りを買い、暗殺されてしまいます。
この結果、軍備拡大のための国債発行を抑制するものは誰もいなくなり、やがて日本は第二
次世界大戦へと突入します。
よく、「通貨を大量に発行するとハイパーインフレになる」というバカがいます。ですが、
この時の日本でも、そんな「ハイパーインフレ」なるものは発生しませんでした。確かに
当時の物価にして年率300%というインフレは発生しましたが、そのインフレが発生したの
は戦後。敗戦間近の日本が、戦争によって生産ラインを破壊され、また敗戦してもなお国債
を発行し、通貨を印刷し続けた結果です。
つまり、これほどの異常な事態に陥ったとしてもなお、「ハイパーインフレ」など発生して
いません。この時に問題とされたのはインフレが発生したことよりもむしろ日銀による国債
の直接買い取りが原因で、これが日本の軍備拡大につながり、この国が第二次世界大戦へと
突入する足掛かりとなってしまったことにあります。
このことで、戦後日本を支配したGHQは、財政法第5条により、こんな足枷を貸します。
「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入につ
いては、日本銀行からこれを借り入れてはならない。」
ところが、この法律には続きがあります。
「但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りで
ない。」
そうです。この国では、「原則として」日銀による国債の直接引き受けが禁止されているだ
けで、国会の承認さえあれば、その範囲内において国債の引き受けを行うことは可能です。
もしそのことによってインフレが過剰になりそうなのであれば増税や政府支出の削減、など
の緊縮財政を登用することで、インフレを抑制すればよいだけの話です。
なんだか、どなたかへのお礼文で、減税すればハイパーインフレの抑制になる、などと記さ
れているようですが、過剰なインフレ傾向にある市場でそんなことを行えば、全くの逆効
果。むしろインフレは進み、ハイパーとまではゆかないものの、インフレはさらに深刻なも
のとなるでしょう。
国債を発行し、日銀に直接買い取らせることのデメリットは、そんなことよりもむしろ、た
とえば毎年国債を発行して、社会保障の面倒を毎年国債で見る、なんてことを行った場合。
つまり働かなくても老後が保障される社会が形成されるわけですから、国民が生産意欲を失
い、労働しなくなる場合です。
当然生産活動はストップするわけですから、供給が不足し、誰もが我先にと食料品などを
買いに走る市場が出来上がってしまいます。これこそが「ハイパーインフレ」への足掛かり
です。
私たちが考えないといけないのは、上記のような状況を起こさないためにはどのようにすれ
ばよいのか、ということです。つまり、国債の発行によって賄われるお金は、極力生産活動
が行われ、流通の対価として金銭の授受が発生するような市場にのみ投下するべきだ、とい
うことです。
流通の起きない、また起きにくい市場に資本を投下することは、それこそ「お金の無駄遣
い」。投下する意味合いが非常に薄いということが言えるでしょう。
なるほど。よくわかりました。
問題は「社会保障の面倒を毎年国債で見る」と亡国に至るということですね。社会保障費が現在の歯止めのない国債の増加の原因であるとすると、日銀の国債の買い取りは(仮にインフレターゲットが満たされても)問題のすり替えというか、それ以上の問題をはらむ、従って社会保障費は消費税などでまかなうべしという結論になりそうですね。考えて見ます。
No.7
- 回答日時:
検索で出た範囲の回答になりますが
現在行われている日銀の国債の買取は、国債の債券市場から買っているとすると日銀の銀行券ルールがあるみたいです。
総 裁 記 者 会 見 要 旨
―― 2009年3月18日(水)
http://www.boj.or.jp/announcements/press/kaiken_ …
(問) 長期国債の買入れを月に1.8 兆円、年間で21.6 兆円まで増額すると
いうことは、長期国債の残高については日本銀行券の発行残高を上限にすると
いう、いわゆる銀行券ルールの限界に近いところまできていると思われますが、
この辺りの認識をお聞かせ下さい。また、仮に今後さらに買入れ額の増額を求
められるようなことになった場合、この銀行券ルールの見直しについて検討す
る可能性があるのかどうかについてもお聞かせ下さい。
(答) 長期国債買入れ増額の背景については先程説明しましたが、もう少し
技術的に説明します。
今、銀行券ルールについて言及がありましたが、この銀行券ルールと
いうのはなかなか一般の方に馴染みがないといいますか、中央銀行で金融調節
を行っている人以外にとっては馴染みがないルールだと思います。おそらく、
日本銀行もしくは中央銀行の内部にある精神規定ではないかという感じを受
けるかもしれませんが、決してそういうものではありません。
(略)
今回増額したペース、すなわち年間21.6 兆円の
規模で長期国債の買入れを毎年行っていくと、長期国債の保有残高は数年間の
うちに銀行券発行高という上限に近接していく可能性が高いと推定されます
(略)
。銀行券ルールの意義
としては2つ挙げられます。第1は、円滑な金融市場調節を確保することで、
これは先程申し上げたことです。第2は、銀行券ルールは、長期国債の買入れ
が国債価格の買い支えや財政ファイナンスを目的とするものではないという
趣旨を明確にするという役割も果たしています。従って、銀行券ルールを見直
すという考えはありません。
政府から市場を介さず額面で買った先進国ではいかがなものかと
No.6
- 回答日時:
どうやら日銀引受というのはインフレターゲットのための方策のような気がします。
当然日銀に国債を買い取られた銀行は、他にもっと安全な投資先が無い限りまた国債を買うでしょう。ただ、これによってもしインフレターゲットが実現できるなら、相対的に貨幣価値が下がりますので国債の償還が容易になり、結果として経済成長が期待されるということなのではないでしょうか。
つまり、質問者様のおっしゃる前提条件というのは、インフレターゲットが実現できる、ということになるかと思われます。
もちろん670兆円をいきなり全部買い取ったらハイパーになるかもしれませんね。
なるほど。国債を買い取って国債を減らすのではなくて、インフレターゲットが実現出来るならということでしたら、趣旨は理解はし易くなります。貨幣価値を下げるということですよね。
ただし、ではインフレターゲットの実現にどの程度国債を買い取ればよいかとなると、これがなかなか分かりません。情報では日銀はすでに国債を55兆円を買っているとあります。
http://www.minkaigai.com/archives/4062
円の流通量(確か700兆円?)と比較しても既に結構の量になっています。これ以上幾ら買えばよいのでしょうか?誰も責任もって発言していません。
あれこれ探してみますと
http://www.systemicsarchive.com/ja/a/reflation.h …
には調整インフレがハイパーインフレにならないためには、増税したり、既存の法人税・事業税を廃止して、外形標準課税導入で利益率を上げる必要があるなどと議論しています。今の頼りない政治体制でそんなことが出来るとは思えませんし、日銀だけの責任で博打を打つのはどうかという気がします。
あらぬ期待を持って国債を買い取って貰っても状況は改善されないという可能性だってあるのではないか、そういう疑念が拭えません。あらぬ期待に振り回されて本当の対策が先送りされる、そんなところが問題点でしょうか....?
No.5
- 回答日時:
> 確かに何か詐欺のような手品のような妙な手法です。
670兆円もの国債がない> ことに出来るなんてまさに手品です。
と仮定するなら、何千兆円もの多額のお金が存在することそれ自体が手品であり、ハンドパワーです。
単に人がお金を印刷したからお金があるにすぎません。ハンドパワーとは 手の力 です。
> そもそも買いたいものがないから国債を買っている銀行などは折角買った国債を
> 買い取られてしまうと、渡された現金の処理に困るでしょう。日銀と銀行とは自
> 分のシッポを食べるトカゲ?のような関係になりそうです。
そもそもお金とは常に流れまた元のところへ戻って来るものです。ウロボロスのような存在と観ることもできるでしょう。
銀行は別に買いたいものが無いから国債を買っている訳ではありません。銀行は企業として国債を購入する必要があるから買っているのです。
No.4
- 回答日時:
貴方はそもそもマスコミの情報を歪んで仕入れているので、根本的に思考回路がショートしています。
書いてある認識の全てに間違いがあり、論理に一貫性がなく、テレビマスコミに洗脳されたことをただ脈絡なく信じたものを書いているだけとお見受けします。北朝鮮と人民との間の関係を連想させます。国債=国民の借金ではありません。
国債=政府の借金です。
国債を買っているのは確かに銀行です。
では、銀行にお金を預けているのは誰ですか?
勿論国民です。
銀行は、預金者に預金を支払う必要上やむを得ず絶対に安全な国債を買っているのです。
国債は絶対に債務不履行になりません。とうの財務省がこう言っているからです。
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/ratin …
外国格付け会社宛意見書要旨
1.
貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
(1)
日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
(2)
格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・
マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・
その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・
日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
(3)
各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
・
一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。
・
1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
・
日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
2.
以上の疑問の提示は、日本政府が改革について真剣ではないということでは全くない。政府は実際、財政構造改革をはじめとする各般の構造改革を真摯に遂行している。同時に、格付けについて、市場はより客観性・透明性の高い方法論や基準を必要としている
---------------------------------
後は以下のURLでも読んで見ることです。
http://getnews.jp/archives/35822
この回答への補足
国債が国の借金であることや国債を買う銀行が庶民のお金で動いていること位は常識として知っています。あなたは国債は絶対に債務不履行にならないという主張をされていますが、そういう議論をお願いしているのでもありません。日銀が国債を買い入れるというアイデアに対して、そんなことで国債が雲散霧消するとも思えないのだが、問題があるとしたらそれは何か?ということをお尋ねしています。(白川総裁も反対していると聞きます)むろんハイパーインフレが進むとか常識的なことは予備知識として知っての上のお尋ねです。
補足日時:2012/01/20 14:11No.3
- 回答日時:
日銀が国債を買うことを禁じられていますが、これは政府から直接買い入れることを禁止されているだけで、銀行が保有している国債を買うことは何の障碍もないのですよ。
それはむしろ市中の紙幣の発行量をコントロールするための有効な手段です。政府から直接購入することは過去にそれを行なったことでハイパーインフレが起きてしまったことの反省として世界各国が行なっている規制であり、一旦市中に出回った国債を日銀が売り買いすることは政府の予算措置とは無関係です。そして今デフレスパイラルがおきつつあることから見て、日銀が通貨発行することでインフレが起きる心配がない状況では積極的に国債を購入することが大変有益なのです。この回答への補足
積極的に国債を購入することが大変有益という意見はよく聞くのですが、例えば国債問題を一挙に片付けるために600兆円全額買ってもよいのでしょうか。ハイパーインフレという話しだけだけでなく、もっとたとえば銀行の経営に悪影響が出ないのでしょうか。
補足日時:2012/01/20 14:16No.1
- 回答日時:
それで、質問の趣旨は、何でございましょうか?。
日本の円は、78円台、世界から信認が厚く、まだまだ、いけると思います。
アメリカなんか、日本より、はるかにディフォルトしそうですよ。
とおもいます。
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