No.2ベストアンサー
- 回答日時:
塩で漬物にすると野菜はしぼみます。
野菜の細胞の水分が塩の方に移動するからです。塩の方は濃い食塩水になり、水分を野菜から奪うにつれ、濃度が薄くなり、次第に吸水能力が落ちて、やがて塩側の水分の増加が止まります。野菜側の水分の減少も止まります。野菜はしぼんでいます。野菜の細胞は水分が減ったのですから細胞内の濃度は以前より高くなっています。塩側と野菜の細胞側で吸水能力がつりあっている状態に落ち着きます。
(1)Aをしぼませるためには、濃度はBの方が高くなければなりません。よって、A<B。
(2)そうですね。A<B。
(3)膨圧は、膨張圧ですから、細胞壁に囲まれた細胞のように、閉じた袋のような物が、膨らんだ時の話ですので、しぼんだ時は、生じていません。Bの水分量は増えていますが、Bは細胞ではないので、生じません。
風船を膨らませる時に圧が必要ですが、それが膨圧だと考えていいでしょう。穴が開いていたら圧がかかりませんよね。ショ糖の方はビーカーのようの物に入っていたら口が開いているじゃないですか。細胞内外の水の移動によってビーカーに新たな圧はかかりませんからね。ビーカーの方で増えた水分は、細胞から抜けた水分ですので、全体としては水分の量も重さも変わりませんね。
細胞(A)を膨らませるような設定にしないと膨張圧の話は始まりません。
細胞側が水分を吸水するような薄い濃度の液体につけた場合、細胞内の水分が増えて、その体積の増加で壁を押す膨圧が生じます。
浸透圧は浸透してくる水分の増加を止める押し返す圧力の量を表しています。同じ圧力で押し返せば止まります。その押し返した圧力と同じ圧力で浸透してきている事が分かりますね。それでその圧力は浸透する圧力「浸透圧」と言えるわけです。
膨圧はまったく別の力学であり、細胞壁や風船を内から外へ押し広げようとする圧力の事です。物に力を作用させれば、反作用により、押し返されます。物からの押し返しが足りないと物は押し負けているのですから押し負けた分、物は変形します。圧をかけて膨らんだ物の膨らみが止まっている時、壁を押している圧力と同じ圧力で、中身も壁から押し返されています。物が止まっている時、変化しない時は、反対向きの同じ力がかかって、力がつりあっています。
浸透圧は浸透するのを止める圧力の値です。それと同じ値の膨圧が壁に掛かっている時は、反作用で中身も同じ圧力で壁から押し返されています。つまり浸透するのを止める圧力と同じ強さの圧力を壁から受けているので水分の浸透は止まります。
正確には、水分子は移動するのですが、プラスマイナスゼロで水分の増減はなく濃度も変わらない状態になります。水分子の活発さの具合でたとえる事もできます。塩の多い方は塩がある分、活発に動けない。だから活発に半透膜を越えて出て行くこともできない。一方、塩の少ない方は活発に動けるから水分子が出て行く。この両方の事実から、活発に動けない、塩の濃い側に水分子が入ってくる。
ご関心の膨圧ですが、膨圧などなくても、水分の増減は止まります。たとえばビーカーの中を半透膜で二つに仕切った場合に、その両方に違う濃度のショ糖の液体を入れておけば、薄い方から濃い方へ水分が移動し、濃い方の水面が上昇してきます。濃度差は小さくなってきます。ある時点で水の増減が止まります。その時の水面の高さの差が浸透圧を示していると考えていいでしょう。高いところまで吸い上げる力が働いた結果だと思ってもいいし、水深のある方が水圧が高いのですからその時の水圧で水分の浸入を止められているとも言えます。
漬物は自然と反対の状態です。自然では植物の細胞の方が濃い液体ですから根の周りの水を吸う事ができます。吸うというより漬物とは逆に水が浸透してくるのです。
葉は水を放出していますね。蒸散です。蒸散は調節されなければ水が放出されすぎてしおれてします。気孔が開閉して調節します。
気孔の細胞に水が浸透し膨圧により細胞が膨らんで変形します。その変形によって気孔が開きます。
この回答へのお礼
お礼日時:2012/06/03 22:19
非常にわかりやすかったです(参考書よりも^^)
いつも中途半端理解のままだったのですがもう大丈夫です、
ご丁寧に、そしてもう御一方もありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
あくまでも高校生物程度の回答ですが…。
まずは用語として、浸透圧は水を吸おうとする力で、事実上「濃いほうが高い」圧力です。
また、膨圧は「植物細胞が水を吸って膨れ上がり、細胞壁を押そうとする」圧力です。
そうすれば、
(1)(2)細胞を入れた瞬間(細胞は元の形のまま)はともにA<B しばらくして、細胞から水が出て縮みきった(細胞はその分濃くなっている)時にはともにA=Bとなります。
(3)細胞が細胞壁から離れて縮んでいるのならば、膨圧は生じません。
というようになります。ちょっとわかりにくいですかね…。
植物細胞を蒸留水に浸すと、細胞は水を吸ってどこまでも膨れ上がろうとします。ですが、丈夫な細胞壁があるために、ある程度までしか水を吸えず、細胞壁に押し返されてしまいます。
この状態で水の移動が(見かけ上)止まった時、細胞内の浸透圧と膨圧は等しくなります。
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