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先日、プラスミド抽出(ラージスケール)において、
「大腸菌回収後、そのまま20℃で保存できるか?」聞かれました。

私は、通常Solution3まで行ってから4℃保存しているため、
これが可能かどうかわかりません。

どなたか詳しい方がおられましたら、教えてください。


余談ですが、
以前、「Solution1を入れて懸濁後、-20℃で保存可能」
という先輩の言葉を信じ実行したところ、収量がひどく悪かったので、
それ以来、Solution3(キットの場合、P3まで)以前で止めたことがないので・・・。

A 回答 (3件)

#1です。

結構前なのですが、補足質問が来ていたのに気づきませんでした。まだ、締め切っていないので一応答えます。


>debrisありでの保存が良くないと思う理由

 solution3によって生じたdebrisにはなにが含まれるのでしょうか? 当然アルカリによって変性した大腸菌タンパク質が含まれますが、それだけでしょうか? アルカリプレップ法の上手いところはここで、急激に中和してやることによってplasmidのような比較的小さいものは再び2本鎖DNAに戻ることができるのですが、genomic DNAなんか大きいものは急激に変性してやると戻りにくいことを利用ている点です。それでかつ長いので大腸菌タンパク質に絡まって中和した沈殿物として一緒に沈殿してきます。これによってgenomic DNAと plasmid DNAが分けられるのです。RNAとDNAは-OHの違いによって結構性質が違うのでイオン交換カラムによってDNAを比較的高純度で回収することができます。(もしくはLiCl-PEG沈殿とか)一方で、genomic DNAとplasmid DNAはいずれもDNAなので一度コンタミすると分離することが結構難しいです。
 つまりdebrisにはいらないものがわんさか入っているわけですよね。そんなものと一緒に長期間放置することというのは、せっかく分離させたものを再びコンタミさせる可能性を与えているにほかならないのです。まあ、仮に百歩譲って遠心でキレイに除いておいたとしても、(1)完全にdeburisを取り除けている保証が無い。(2)先の解答で述べたように残存していた培養液などの影響によって完全に中和できていない可能性などを考えるとあまり3液のまま放置するのは良くないと思います。
 同じような理由でカラムに入れたまま保存するのも良くないと思われます。まあ数時間ぐらいなら大丈夫かとおもいますが。

 そういうふうに考えると保存するならellutionしたあとのものか、それにイソプロパノールをいれたものかになると思います。まあ通常ならellutionしたものなら4℃で数日ぐらいはOKかなあと思いますが、一応キットならそのマニュアルに従うのがベターでしょう。では「イソプロをいれて-20℃(あるいは4℃)で保存するほうがいいのでは?」と考えれたならどうでしょうか?だって、イソプロ・エタ沈するならより低温で長時間おいたほうが収量が上がると通常は思われるからです。しかしアルカリプレップの最後の遠心に関してはこれはあまり良くないでしょう。理由は、低温に置きすぎると塩も一緒に沈殿して純度が落ちるからです。キットによっては遠心で温度が上がらないように4℃で遠心しますが、基本的には極端に冷やさないのも重要だったりするのです。


いずれにせよその先輩のやり方が間違っているかどうかはわかりませんので、先輩が上手くいっているならそれはそれで正解なのかもしれません。ただ、自分なら冷静に考えると基本的にはやらないだろうというだけです。関係ないですが、特に「タンパク質が失活するか」とか「保存できるか」というのはよくある話なのですが、仮ににあるタンパク質は可能でも自分のタンパク質はだめだったなんてことは十分ありえるわけです(もちろん腕の善し悪しも含めて)。だから実験というのは基本は「余計な操作をできるだけなくす」のが迷わない道なのであってかりにどうしても時間的にとか実験的に無理だというならきちんと自分の条件系でそのステップを入れても問題無いという検討をすることが大切かと思います。

 まあ、今回の場合は単なるアルカリプレップなのでどうということはないですけどね。

ご参考までに。
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>「大腸菌回収後、そのまま20℃で保存できるか?」



-20℃でなら、スモールスケールでとくに問題ありませんでした。
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  キットをつかっているならキットの説明書ぐらい読みましょう。

大抵はどの段階なら
一次的に中断できるとか書いてあります。とはいっても、大腸菌の精製ぐらい一気にやってしまうのが普通で、よっぽどのことが無ければ途中で止める必要はないと思うんですけどね。

 、、、とまあここまで書いて「あえて」言わせてもらうとアルカリプレップの原理的にそもそも3液をいれてデブリスをそのままで保存するのは論外でしょう。仮にデブリスをキチンと除いたとしても、多少なり見えない程度に残っていたり、持ち越しの培養液などによって完全に中和されていない可能性などをかんがえたらあまり長時間放置はしたくないですけどね。プラスミド精製は単純な収量(ODの値)はともかく純度とかニックの入り方とかもある程度考えた方がいいので、そういう意味でもよくはないと思います。
 1液をいれてから、、、というのは基本緩衝液なのでまあやってやれなくないかもしれないですが、放置することで菌体がドロドロになったりするとよくないことが或る可能性があります。特にRnaseを入れていたり、リゾチームなんかがある場合はまあやめた方が無難ですし、そもそもその段階で止めるぐらいならペレットで保存するのと変わらないですしね。

 -20℃で保存できるかという点にかんしてはプラスミドを取るだけであれば一カ月ぐらいはペレットにして保存はできます。ただ、それをもとにもう一度増やすとか考えているならグリセロールストックにして-80℃に入れた方がいいと思います。

 関係無いかもしれませんが、だれかに言われたとかでなくても、キットを使う使わないにせよ、自分で組成とかを考えて実験はやった方が勉強になりますよ。とくに生化学は、経験的な要素も結構ありますので。
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この回答へのお礼

ご親切に回答ありがとうございます。
キットで止める理由がわからないという点では、同意です。

-20度の保存はQ社のキットに記載されておりました。
(私自身はキットを使わないので、調べていませんでした。すみません。
というより、ラージスケールにおいてもこの段階での停止を可能としている事がむしろ意外でした。)

ぶしつけついでの教えていただきたいのですが、
デブリスありでSol3での4度オーバーナイトがなぜ論外なのか
いまいちよくわからないので、教えていただければ幸いです。

お礼日時:2012/07/30 18:35

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