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A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
>そこで質問なのですが、座屈荷重とは柱が少しでもたわんだらですか?
自分の意見ではそうなります。
座屈問題は記憶によれば、高所で作業する人足達の足場で起こったものです。足場を支える鉛直材(柱)は、人足達が載るプレートから水平力を受けますが、それは人足達全員の鉛直荷重に比べれば、カスみたいなものです。鉛直材の圧縮強度は、人足達全員の鉛直荷重より大きければ良いと、考えられていました。ところが事故が頻発します。
長柱の座屈理論を作ったオイラーは、その事故調査委員会(?)の中にいました。委員会のほぼ全員が、事故は柱の圧縮強度を見誤った学のない職人のせいだと思いましたが、オイラーだけは、それが曲げ破壊に見えました(理由は知りません)。
そこでオイラーは、純圧縮しか受けない柱に、もしも横向きの杭頭変位δ(δ≠0)が発生したら?と、仮定してみたのです。
結果は意外なものでした。柱を純圧縮するほとんど全ての荷重Pに対して、δ≠0は許されません。当然の結果としてδ=0が普通です。ところが、座屈荷重という「特定の荷重」対しては、「δ≠0も」許されます。これらは特殊ケースです。
いまδ≠0「も」許されると言いました。「も」が重要です。理想的な純圧縮状態において、「も」があったとしても、たわむ(曲がる)必要なんかないんです。数学的には、座屈荷重Pcrを受けた長注は、純圧縮されるだけで、圧縮強度までもつと言えます。
しかし、そのような状態は現実的にあり得ないないんですよ。現実の長柱は必ずトラック走行などの揺れを受け、グラグラと震動し、δ≠0の状態を、いつも経験しています。そのときに座屈荷重でないPと、座屈荷重であるPcrを受ける場合とでは、決定的に違います。
座屈荷重でないPの場合柱は、数学的にδ=0しか許されないので、柱は常に純圧縮状態の付近で微小震動していますが、Pcrを受けを受けた場合はδ≠0の曲げも許されるので、どこまでも曲がっていって、気づいた時には手遅れになって、曲げにより折る訳です。
この違いは、決して数学だけではわかりません。長柱の一般的的環境はどうかと?、という話につばがります。でも数学は、こういう事にも目を向けていて、これを構造的不安定問題と呼んでいます。
No.2
- 回答日時:
撓もうが撓むまいが関係なく挫屈が起きます。
これは挫屈点では釣り合いの方程式が不安定になることを意味し、それは先の尖った鉛筆を垂直に立てたようなもので、たとえ真っすぐ垂直に立てても何かちょっとした攪乱が鉛筆に働くと倒れてしまいますね。挫屈点ではちょうどそのような状態になるのです。ですからいくら長柱を真っ直ぐに作っても挫屈値以上の軸力が作用するとふにゃりと曲がってしまいます。ただ、これは破壊したのではなく、加重を支える系が変わっただけで、今まで軸力で荷重を支えていたのが、挫屈後は柱が撓むことによる曲げで加重を支えるようになるだけなのです。ただ、その変位が比較にならないほと大きくなり、構造物としての機能を果たせなくなってしまうのです。No.1
- 回答日時:
最も基本的な、長柱の座屈の式(微分方程式の一般解が y=A sin kx + B cos kx となる式)の場合でよろしいですね。
「座屈荷重とは柱が少しでもたわんだらですか?」と言うご質問に対して、直接の回答は、「違います」となります。もちろん、少しでもたわんだら、座屈が発生しているということになりますが、これは座屈荷重を示しているものではありません。
この式を解いていく過程でおわかりになると思いますが、境界条件を入れると、たわみは、y=A sin kx となり、積分定数 A は不定のままです。つまり、座屈問題では、たわみの大きさは決定できないことになります。
言い方をかえると、座屈が発生したら、理論上は、たわみがゼロから無限大の大きさまであり得ることになります(もちろん、現実の世の中には無限大のたわみは存在しません。実際には、それまでの間に柱は折れてしまいます)。
「どのタイミングを座屈と言うのでしょうか。」と言うことだと、荷重が次第に増加し、座屈荷重Pcr (上の式で 0=A sin kl より kl=nπ から出て来ます)に達した瞬間が座屈が発生した瞬間、と言うことになります。
つまり、座屈発生のタイミングはたわみの大きさから決まるものではありません。
なお、もう少し高度な座屈問題・・・柱に初期不整がある場合・・だと、たわみの大きさを元に座屈荷重を決定する方法も実際に用いられます。
ただし、この場合も、「たわみが○○の値になったら座屈している」と言う判断ではなく、「たわみの増加の程度が大きくなったら座屈している」と言う判断になります。
つまり、たわみの大きさそのものではなく、増加の程度で判断します。それも、増加率に数値的な目安があるわけではありません。あくまでケースバイケースで、個々の場合ごとの判断になります。
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