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(1)「高角にあらわれるピークほど強度が弱い。
」についてこの理由は主に次の二つによります。
(1)多結晶試料のX線回折強度は結晶構造因子の二乗に比例します。 結晶構造因子は散乱角(θ)が大きいほど小さくなります。
結晶構造因子は原子散乱因子から構成されていますが、その原子散乱因子は散乱角が大きいほど小さくなるからです。
原子散乱因子は原子内の各電子による散乱波の和ですが、散乱角が大きいほど(いわゆる電子雲の広がりがあるため光路差のずれ幅が大きくなり)散乱波の位相がずれて振幅が打ち消されるので小さくなります。
以上の理由で回折強度は高角のピークほど弱くなります。
(2)ピーク幅はtanθに比例するので高角のピークほどピーク幅が広くなります。(Δθ=(Δd/d)tanθ)
高角のピークほど、(積分)回折強度が弱くなり、ピーク幅も広くなるのでピーク強度は低くなります。
(2)「バックグランドが高角になるほど高くなる。」について
この理由はよく分かりません。一般には高角になればバックグランドは低くなります。
非晶質成分が多く含まれる試料の場合は、CuK線の場合、~20~40°(2θ)の範囲にハローによるバックグランドが観測されます。
ピークが高角で高くなる原因の一つに、検出器の遮蔽が十分でないと発散スリットなどからの散乱X線が直接検出器に入ってくる事例があります。 2θが高いほどスリットと検出器とが接近するため、この理由によるバックグランドは高くなります。
2θが40°以上でバックグランドが高くなっていくすれば、測定に原因があると考えられて原因を追究されるのがよいと思われます。
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