プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

NPN型のバイポーラトランジスタがあり、ベース接地で
動作させるとします。このとき、ベース層幅を
Wb、ベース層中の少数キャリア拡散長をLnとしたとき
Wb<<Lnとして、再結合を無視するという前提で
式計算を行ったりしますが、逆にWb>>Lnだとすると
どうなってしまうのでしょうか。
トランジスタにならないというのは教わったのですが、理由が
いまいち分かりません。

よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 Wb<<Lnのとき、エミッタから注入された少数キャリアはベース中でほとんど再結合すること無く、コレクタに到達します。

このときの電流増幅率αは
 α = Ic / Ie
で定義され、1よりわずかに小さな値になります。
ここで、ベース電流は
 Ib = (1 - α) Ie
なので、エミッタ接地における電流増幅率βは
 β = α/(1 - α)
であり、これはhパラメータ表記におけるhfeと同じなので、普通のトランジスタならば100~300位の値になります。つまり、電流増幅作用がある訳です。
 なお、ベース接地の場合、電流の増幅はしませんが、入力インピーダンスと負荷インピーダンスの比により、電圧増幅を行う事はできます。
 
 Wb>>Lnにした場合、注入された少数キャリアがほとんど全てベース中で再結合してしまい、コレクタに到達しない訳ですから、上記のαは0になり、βも0になります。つまり、ベース接地でもエミッタ接地の場合でも、増幅作用はありません。単に2個のPN接合ダイオードのアノードを共通にしただけの素子であり、トランジスタとは言えないだろうと思います。
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!