
炭酸水が化学的に何でできているか教えてください。
wikipediaとかで自分でいろいろと調べて、周りの人に質問したのですが、結局、
1)H2OとCO2
2)H2OとH2CO3
3)H2CO3がH+とHCO3- に分かれ、HCO3- がH+とCO3 2-に分かれるから、H2OとCO2とH+とCO3 2-
4)H2CO3がH+とHCO3- に分かれ、HCO3- がH+とCO3 2-に分かれるから、H2OとCO2とH+とCO3 2-とH2CO3とHCO3-
という4つの答えが返ってきてしまい、大変困っています。じぶんでは3)か4)ではないかとにらんでいるのですが...
正しい答えはどれなのでしょうか。また、上記の答えのいずれもが間違っていたら正解を教えてください。
本当に困っているので、分かる方がいらっしゃいましたら教えてください。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
化学辞典(東京化学同人)で「二酸化炭素」、「炭酸」を調べてみました。
(#2様の回答はほぼこの辞典の記述と同じ内容になっています。ただ説明がないと分かりづらい部分があるように思います。)
1.二酸化炭素の水への溶解度は教科書にも載っていると思います。
でもイメージがとりにくいです。「常温、常圧で水1Lに二酸化炭素が約1L溶ける」という表現が出ていますがわかりやすいです。モル濃度に直すと約0.04モル/Lです。大気中での溶解であれば大気中での二酸化炭素の割合が0.03%であるということで平衡濃度は1.2×10^-6モル/Lになります。
とにかくほとんどが水だということです。
2.CO2が水に溶けるとH2CO3に変わります。でもこの文章が誤解され地ます。水に溶けたCO2がすべてH2CO3に変わるのではありません。水に取り囲まれたCO2という存在のままのものとH2CO3に変わるものとがあるのです。H2CO3に変化するCO2の割合はごく少量です。
平衡状態での割合は[H2CO3]/[CO2]≒0.004(25℃)です。
3.このわずかに存在するH2CO3が電離します。
教科書には炭酸は非常に弱い酸だと書いてあります。第一段の電離平衡定数としてpKa=6.35という数字が載っています。理科年表にも同じ数字が載っています。でもこの数字は#2に書かれている数字とは違いますね。教科書や理科年表に載っている数字は水溶液中のCO2とH2CO3とを合わせたものについての値です。
Ka=[H^+][HCO3^-]/[H2CO3] ではなくて、
Ka’=[H^+][HCO3^-]/([CO2]+[H2CO3]) です。
上の表現でのKaであれば Ka=4.4×10^-4 になるそうですから酢酸よりも強い酸であるということになります。
4.結局多いほうから順に考えると
水>>CO2>>H2CO3>>HCO3^->>CO3^2-
量には「圧倒的な違い」が存在します。多いほうから2つで考えると水とCO2です。したがって(1)は間違っているというわけではありません。水の中に存在するのはH2Oだと言うのと同じ程度の判断です。わずかに存在するH^+など考えなくてもいいだろうということです。その意味では(2)はおかしいです。水に溶けたCO2はすべて(ほとんど)H2CO3に変わってしまっているという判断を表している表現だということになります。(3)(4)は単に存在するといっているだけです。どの程度かということについて何も言っていません。極端に少ないものもたくさんあるものも同列に取り上げていますから誤解を生じます。読んだ人が「食塩水の中にはNa^+とCl^-が存在している」という表現と同じレベルで受け取ってしまうと困ります。
「存在する」とか「存在しない」というのはどういう立場で問題にしているのかが前提として必要になります。
ウィキの文章でも前後にそういう前提になる言葉が書かれていたのではありませんか。
理化学辞典では溶けて存在するCO2とH2CO3を区別して考えるという内容の記述はありませんでした。
この回答への補足
とても詳しい回答どうもありがとうございます。すごく分かりやすかったです。特にH2CO3の割合についてはかんちがいしてました。
質問とは直接関係ないことなのですが、[上の表現でのKaであれば Ka=4.4×10^-4 になるそうですから酢酸よりも強い酸であるということになります。]とおっしゃていますよね。どうやったら Kaから酸性度が分かるのでしょうか。Kaとかまだ習ってないのですいませんが、教えてください。
No.6
- 回答日時:
「炭酸水とは何か」という問いであれば「二酸化炭素CO2」を水に溶かしたものという#5の回答でいいと思います。
溶けて存在するものが水の中でどう変化するのかとは別の問題だとしています。「塩酸とは何か」であれば「HClを水に溶かしたもの」と答えるのと同じレベルの回答です。「アンモニア水とは何か」という問いであれば「アンモニアNH3を水に溶かしたもの」と答えるのと同じだといってもいいでしょう。でもそうであれば(2)の「H2OとH2CO3が存在する」という説は誤りです。
「水に何を混ぜたか」という立場でのものではありません。また「水の中に何が存在するか」という立場での説明にもなっていません。水の中に溶けて存在する物質のほとんどはH2CO3ではなくてCO2なのです。
このような誤りはどこから出てきたのでしょうか。
「炭酸水」という言葉に原因があるようです。
「炭酸水」は「炭酸が溶けている水溶液」のことだと考えているのです。二酸化炭素が溶けて存在している水溶液であれば「二酸化炭素水」と呼ぶはずだと考えたのではないでしょうか。
「炭酸水」は古くから使われて言葉です。たぶん、ラボアジェの時代から使われているでしょう。ラボアジェの時代には二酸化炭素が「炭酸」と呼ばれていました。水に溶かして酸性を示すような物質は「酸」です。二酸化炭素を水に溶かせば酸性を示すのですから「酸」です。二酸化炭素は炭素を燃やした時に出てくる気体ですから「炭酸」です。したがって「炭酸水」は「二酸化炭素を溶かした水のことである」という表現に何の矛盾もないのです。現在の立場で「炭酸水は炭酸を水に溶かしたものだからH2OとH2CO3が存在しているということを表している」と考えることは早とちりなのです。
炭酸に対してH2CO3を当てはめるということが行われるようになったのはずっと後のことです。たぶん、酸の標準形としてHを含む表現が使われるようになってからのことでしょう。
アレニウスの電離説では酸の電離を HA→H^++A^- で考えています。
ラボアジェとアレニウスとでは100年ほど間が空いています。
おまけ
化学史の本に「ラボアジェは酸性の原因をHでなくてOであると考えた。これが「酸素oxygen」という名前の由来である。これは誤っていた。」という文章がよく出て来ます。この文章は誤りです。ラボアジェの本にはどこにもそういうことは書かれていません・・・(ラボアジェの書いた本を読まずにラボアジェについての文章を書いていることがよくわかります)。ラボアジェの言っていることは、炭素を燃やすと炭酸ができる、リンを燃やすとリン酸ができる、硫黄を燃やすと硫酸ができるということを踏まえて、「空気中にある、呼吸に役に立つ方の成分は、酸でないものを酸に変える働きがある。そこで、このような変化を『酸創生oxygenation』、この空気中の成分を『酸素oxygen』と呼ぶことにする」ということです。
上のことと連動することですが、ラボアジェはoxidationという言葉を作りました。この言葉の意味は現在使われている「酸化」ではありません。非金属の燃焼では酸ができます。しかし金属の燃焼では酸はできません。同じような反応で、片方では酸ができるのに他方では別の物質ができる。この別の物質をoxide(酸もどき)と呼んでいます。その変化がoxidationです。
(-ideはもともと「似ているが異なる」という意味を持つ語尾でした。oxideが「酸化物」という意味に使われるようになってから-ideが「~化物」という意味の語尾に変わってしまいました。塩化物はchlorideです。英語の辞書を引いてもたいていは「~化物」という意味しか出てきません。)
現在の言葉で言うとoxideは塩基性酸化物だけを指す言葉です。酸性酸化物はそれ自体が「酸」です。
No.5
- 回答日時:
いろんな回答がありますが、炭酸水は水に二酸化炭素を混ぜて作るわけですから、
「水と二酸化炭素でできている」でいいと思います。
水中のイオンは溶かした後の状態の問題です。
これを考慮するならば、グルコース水溶液はアルデヒド型も考えないといけないのでしょうか?
そもそも、水も一部が電離していますので、水の成分はH2O、H+、OH-と
答える必要があるのでしょうか?
食塩水は何でできているのでしょうか?Na+とH2Oの水和はどう表しますか?
グリシンなどのアミノ撒水溶液はどのように表せばいいですか?
(1)~(4)はどれも正解であり、どれも間違いであります。
CO32-まで考慮するならば、水中にOH-は絶対にないのですか?
pH=5.6くらいなのので、OH-も10-8くらいの濃度で存在しています。
また、水中にH+などは存在しません。
〔(H2O)nH〕+のような水和陽イオンとなって存在します。
これを簡単に書いたものがH3O+であり、H2Oを省略したのがH+です。
水溶液の状態を正確に記述することなんかできないのです。
要はどの程度まで記述するかだけの問題です。
一般的には、H2OとCO2が混ざったものを炭酸水というのではないですか?
この回答への補足
なるほど、よくわかりました。表記上の問題なのですが、最初に炭酸水とはH2OとCO2が混ざったものだと定義して、
その後に電離のことなどについて話してもいいのでしょうか。矛盾していると指摘されるでしょうか?
No.3
- 回答日時:
塩酸が何でできているか言えば、水 H2O と 塩化水素 HClです。
炭酸水が何でできているかとえば、水 H2O と 二酸化炭素 CO2 です。
ただし、炭酸水にどのような物質(イオンを含めて)というならば答えは変わります。
CO2が水に溶けると一部がH2CO3になります。
H2CO3は以下のように電離します。
H2CO3 ←→ H+ + HCO3-
HCO3- ←→ H+ + CO32-
この回答への補足
回答ありがとうございます。
[炭酸水が何でできている]と[炭酸水にどのような物質]、という表現、なるほどと思いました。
食料品の添加物表示欄などでは[何でできている]が使われているわけですね。
ただ、[どのような物質]はどういうときに表示するのでしょうか?
No.2
- 回答日時:
炭酸水と云っても市販されているものであれば、食塩やクエン酸等が含まれる場合もあるでしょう。
一般に CO2 を加圧して作りますが、その中に含まれる物質を大小関係で表せば 多分次のようになると思われます。(CO2の圧力に依存する為に変わる可能性があります)
[H2O]>>[CO2]>[H2CO3]>[H^+]≒[HCO3^-]>>[CO3^2-]≒Ka2
CO2 + H2O ⇔ H2CO3
H2CO3 ⇔ H^+ + HCO3^-
HCO3^- ⇔ H^+ + CO3^2-
[H2CO3]/[CO2]=0.0035
[H^+][HCO3^-]/[H2CO3]=Ka1=1.3・10^(-4)
[H^+][CO3^2-]/[HCO3^-]=Ka2=4.7・10^(-11)
(25℃)
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
Ka1とKa2の意味が分からないので教えていただけませんか?
あと、[H2CO3]/[CO2]=0.0035とはどう意味でしょうか?[H2CO3]の中のCO2の比重でしょうか?
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