土地を時効取得されたことへの対応策として次のような方法は有効でしょうか?
例えば甲土地の所有者をAとし、乙土地の所有者をBとします。Bが建てたブロック塀が甲土地の方へ20cm×10mにわたってはみ出ていたとします。Bに土地の境界を確認する過失があったとしても、悪意占有による時効取得で20年その状態が続けばBははみ出た部分の所有権を取得すると思われます。
20年を経過したのち、AがBに対して次に塀の改修工事をしたときは自分の敷地内に引っ込めるという念書を書くか、はみ出た部分を分筆して買い取ってくれと提案したが、Bは時効でもう、うちのもんだと取り合わなかったとします。
そこでAは息子のaに対してA土地を贈与により所有権移転します。贈与税がかからないように、毎年の贈与額が110万以下になるように、毎年共有持分を贈与により所有権移転します。こうして10年くらいをかけて甲土地の所有権をすべてaに移転します。このような方法は時効取得された後の対処策として有効でしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
えっと、1番回答者です。
> 全体を一つの贈与行為とした基本契約書があるなら贈与税の対象となるが、毎年贈与契約書を作成し個々の独立した契約ととらえられるならば、贈与税はかからないとのことでした。
うーん・・・ それが信じられたら、どんなにかすばらしいか・・・ 。
税法の解釈は、税務署ごとに違います。時によっては税務署員ごとに違います。
また、時にしたがい、解釈・取り扱い方も変わります。
「贈与」に関しても民法とは違った解釈が為される場合もあります。
例えば、賃貸契約書に「退去の際は造作を大家にくれていくこと」と書くと、契約した年に、新品価格で贈与がなされたことになったり、臨機応変、融通無碍、自由自在が税法解釈の提要です。
また、そもそも『個々の独立した契約ととらえられ』ない、ならばどうなるのでしょう?
問題の土地が全体で何坪かわかりませんが、例えば50坪だとして、そのうち1坪・2坪だけ贈与を受けたって意味がありません。犬を遊ばせるにさえ足りません。
お金なら、「今年は余ったから」「今年はよく働いてくれたから」というので今年はあげた、でも来年は別、と言えるんですが、土地の場合は、どうしたって、相手が「登記を移せ」と言わないうちにaに贈与して、20坪とか30坪にするだろう。その、1つの計画の一環としての1坪贈与だろうと、ふつう思いませんか?
とすると、個々の独立した契約とは捉えられないのではないでしょうか。
べつに、私の意見を信じてもらうために質問者さんを説得するつもりはないのですが、私は税務署員を信用する気にはなれません。税務署員はある意味や~さんより・・・ です。
>>aは事情を深く知っており、
>>贈与行為の当事者ですので
私の言うのは信義則ではありません。
いま自宅で六法もなにもないので確認できませんが、177条でしたっけ。登記の対抗要件の規定の解釈(判例など)で言うところの「背信的悪意者」に該当するのではなかろうか、と言っているのです。
信義則などというのは、「適切な条文がないけどのおかしいよね」っていう場合に、最後の手段として出す言葉です。
ついでに言えば、(資料がないので今確認できないのですが)「信義則」は本来、取引の事例で出てくる用語だったとも思います。であれば、取引ではない時効が問題の本ケースで信義則は問題にならないと思います。少なくても私は信義則を問題にしてはいません。
私の言う「背信的悪意者」は、177条?の「条文の解釈」としてすでに(判例で)確定している概念なので、信義則とは違います。
もちろん、「背信的悪意者に該当しない」「単なる悪意者だ」という考えもありえますが、私としてはAとaはあまりに利害が共通であり、元来aはA(Bの所有権を認めなければならない立場の人)を相続するはずの人(推定相続人)でもありますので、「単なる悪意者」ではないだろう、と私は言っているのです。
たぶん、私がBなら、本人訴訟でも勝てると思います。それ以前に、さっさと質問者さんに「登記を移せ!」と言って提訴するでしょうが。
> 売買により購入しようとしたものに比べて保護するに値する度合いが低い
ええ、まったく同感です。
そして、売買により購入する人(Cなど)は、登記名義がAのままになっていることを知って買っても、単なる悪意者ですので、現時点ではBよりも保護されます。不当占拠部分を含めた全体を取得できます。
問題のaは売買で買うわけでもないし、他人でもないんですよね?だからaはBに負ける、という話になっているわけです。
「それもおかしいじゃないか」という話になると、法が認める「時効」という制度が、本当の所有者より不法占拠者(但し10年とか20年とか不法占拠が続いた場合にかぎるが)の利益を優先させる、というものなので、我々庶民としては不満を抱いてもしようがない、という返事をせざるを得ません。
それが法の「解釈論」の限界でして、どうしても我慢できないなら、自ら政治家になって仲間を募り、民法を改正するしかありません。
確かに贈与契約書が各年別個に作成されたなら各独立の贈与と判断する、というのは、実質からかけ離れているとはおもいますが・・
わたしもそう思いましたが、相談員はそう返答しました。ちょっと返答するのに十数分、時間があり、なにか調べているようでした。私は判例はあるのですか?と聞きましたが、それには答えはなかったです。大元となる基本契約があるかないかで判断する。そしてそれは基本契約書の存在だといってました。おっしゃるように税務署で判断が分かれたりしないですか?と聞くとそれはあってはならない、とか言ってましたけど・・・
登記なくして対抗しうる第三者に背信的悪意者が含まれる根拠は信義則違反だったように思いますが・・。また信義則は民法1条2項では権利義務に関してとなっていますが広く身分行為や物権行為、法律行為の解釈においても基準となっているように思います。
度々にわたる真摯なご回答、心から感謝申し上げます
No.2
- 回答日時:
#1さんの回答通りです。
息子への贈与ではなく、全く無関係の第三者への
有償譲渡の方がよいですね。
そうすれば、時効完成後の話ですから、先に登記を
得た者の勝ちになります。
判例もそうなっております。
息子への贈与だと、同一人格だ、と認定されてしまう
怖れがあります。
ただ、この場合でも時効取得者に対する損害賠償責任が
発生する場合があります。
”贈与税がかからないように、毎年の贈与額が110万以下になるように、
毎年共有持分を贈与により所有権移転します”
↑
これも#1さんが回答しているように、税務署には
通じません。
計画的にやったとして、通常の贈与税を取られます。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
>>息子への贈与だと、同一人格だ、と認定されてしまう怖れがあります。
つまり実質的に相続だとみなされるということでしょうか?なら、息子に売ればならないということでしょうか?
>>ただ、この場合でも時効取得者に対する損害賠償責任が
発生する場合があります。
売買契約を交わしていたなら債務不履行になると思いますが、時効取得は原始取得なので債務不履行になるでしょうか?
贈与税は毎年契約書を交わせばかからないとの税務署の回答でした。
No.1
- 回答日時:
(1) まずその贈与は、1つの目的のもとで結ばれた1つの贈与契約の分割履行(10回)とみなされて、贈与税は免れないと思われます。
aに登記を移した時点で税務署に把握されますし、登記を移さなければaはBに勝つことはできませんので、Bに勝たせたいなら贈与税は覚悟すべきです。
贈与税を払いたくなければ、あきらめたほうがいいでしょう。
ちなみに、相続は100%Aの立場(権利義務)を承継しますので、登記があってもaはBに負けます。
(2) Bは時効による取得を主張したからには、さっさと登記をすべきで、Aに対して登記移転を求めるべきです。
Bはそれをせず、漫然として過ごしていた(という設定ですよね?)以上は、かつてのA同様に「権利の上に眠る者」となりますので、所有権を主張する者(A以外)に対しては保護に値せず、一種の二重売買のように、登記を得た競争者には勝てませんね。
だから、Aがまったく無関係なCにその土地を譲渡してCに登記を移転したのなら、CがBに勝てると思いますが、aはAの子供ですからねぇ。
本当のところは裁判をやってみないとわかりませんが、aは事情を深く知っており、時効取得者Bから土地を取り戻そうとして行われた贈与行為の当事者ですので、単なる悪意者ではなく「背信的悪意者」とみなされ、登記はあってもBには勝てないということになりそうに思います。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。恥ずかしながら・・・
税務署のお客様相談室に問い合わせてみました。全体を一つの贈与行為とした基本契約書があるなら贈与税の対象となるが、毎年贈与契約書を作成し個々の独立した契約ととらえられるならば、贈与税はかからないとのことでした。
>>aは事情を深く知っており、
>>贈与行為の当事者ですので
これが信義則違反ととられる根拠でしょうか?ちょっと根拠としては弱いように思うのですが・・。また、Bは占有の初めに不法行為を侵しているわけで、売買により購入しようとしたものに比べて保護するに値する度合いが低いようにも思いますが・・。これは裁判所の判断かもしれませんが。
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