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行政書士の民法(時効)についての質問です。

①時効の援用についての質問になります。

後順位抵当権者の先順位抵当権者の被担保債権の消滅時効援用:援用不可
建物賃借人の建物賃貸人による敷地所有権の所得時効援用:援用不可

詐害行為の受益者の詐害行為取消権を行使する債権者の債権の消滅時効援用:援用可能
抵当不動産の譲渡を受けた第三者の抵当権の被担保債券の消滅時効援用:援用可能

時効の完成により、直接の利益を受ける者かどうかが判断の基準になるかとは思うのですが“直接”という意味がよく分かりません。
援用不可の場合も利益は受けるとは思うのですが、どこが”直接”ではない判断になるのでしょうか?

②賃借権の所得時効についての質問になります。

土地の賃借権については、土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意志に基づくことが客観的に表現されているときに、時効所得することができる。
→正しい

そもそも賃借権の所得時効とはどういった状態なのでしょうか?
始めは賃貸借契約で始まっていないが、借り手に賃借の意志があって使用しているみたいな状態でしょうか?
(何か具体的な話があれば教えて下さい。)
また、これは土地以外でも賃借権の所得時効は成り立つのでしょうか?

どなたか、ご回答宜しくお願い致します。

A 回答 (1件)

行政書士の脚別の正誤の話なら、基本的には判例の抜粋なので何が正解不正解かを判断するのは難しいものもあります。

実際、古い判例の場合その射程が最近になって変わってきてるようなケースもありますので一概に言えませんが、よく出るパターンやそのように一般通説的に捉えられてるものについてはそのまま覚えるしかありません。行政法の適格性などの正誤が特にこれに当たります。

①時効の援用について
時効の完成により、直接の利益を受ける者かどうかが判断の基準になるかとは思うのですが“直接”という意味がよく分かりません。

直接という言葉は、[大判明43・1・25]に基づく基準で結構古いが今も採用されてる基準のことを指し、これは時効に基づく取得というものの目的が正当な所有者や権利者の権利を制限することや反道徳的な要素によって債務請求権を帳消しにするような側面があるあめであり、限定するという認識だからです。しかし最近はその直接の範囲をもう少し柔軟に捉える考え方もあるようです。

ちなみに行政書士試験の範囲を超えますが、時効制度の目的は「権利の上に眠るものは保護に値せず(消滅時効)」などの格言によるものや、長期間一定の事実関係が存在し、それが穏便に経過したことを蒸し返すことの客観的な証明困難性や現在の占有状態における社会秩序関係そのものの維持、安定性の確保、などであると考えられます。つまり、一定期間そのままの状態でそれを権利者が放置してたというならばその責任もあるよね、という考え方が裏にあると思えばいいです。逆にいうと、直接的な利益に関わらない人が時効援用という権利を用いて本来の所有権保持者の想定しづらいやり方で権利取得されることは権利の濫用として否定された判例もあります。

>後順位抵当権者の先順位抵当権者の被担保債権の消滅時効援用:援用不可
これは、後順位抵当権者が先順位抵当権者の時効援用によって得られる利益はそれ自体が時効援用制度として利益を保証される地位にある直接の権利者ではなく、結果的に利益を得たに過ぎない”反射的なもの”であるという風に判例は述べております。このような”反射的なもの”という考え方は行政法などの適格性や処分性の議論でも出てくることがあります。

建物賃借人の建物賃貸人による敷地所有権の所得時効援用:援用不可
>建物と土地の権利関係は日本では別のものとされているため、単に建物賃借人が敷地所有者の時効取得とは直接的な利害関係者にはないと言えます。

②賃借権の所得時効についての質問になります。

賃借権というのは、その土地や物件を対価を払って借りる権利のことを指し、具体的に登記簿に記録することができる民法に規定されてるものです。これは通常個人が家を借りる場合の賃貸借契約も広義では該当しますが、居住用で借りる賃貸借契約は借地借家法という特別法に基づき処理しますので通常登記をしなくても建物登記が存在すれば賃貸借契約の対抗要件が成立するとされますので話が少しややこしいです。また、通常の民法の規定する契約よりも居住用であることから借主保護の規定が多く設けられてるので別物だと思った方がいいです。

ここでいう賃借権というのはあくまで民法上の賃借する権利であり、それ自体も法律で地上権・地役権などの所有権以外の財産権と同じく時効援用によって取得することが可能です。

例として、Aさん所有の物件をBさんが正当な手続きによって賃借権を取得していた場合に、隣接する土地のCさんがあとからその土地は自分が借りたものに入ると主張した場合に争うことができます。借地権というと馴染みがないように見えますが、実際東京の銀座などの一等地は土地の売買よりも借地権をほぼ購入価格に近い値段で取引するのが一般的です。

ちなみに、時効取得は、1所有の意思をもって2平穏かつ公然に3一定期間占有したことによって時効の援用をもって成立します。家を借りてる人は所有の意思に基づく占有ではないので家自体の時効取得はできませんが、借りる権利に関する時効援用はできるということです。また、時効取得は所有権を争う当事者であっても要件を満たせば主張することはできますので、これが出てくるのは二重売買などの転売で土地を購入後登記せずに占有していた人が別の登記をした人と所有権を争う場合などに対抗要件の代わりに、時効援用で即時取得を主張するケースなどがあります。
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