<事案(1)>
AのBに対する債権がCに譲渡されたとしても、
Bは同時履行の抗弁権を失わない。
Cが取得した債権は同時履行の抗弁権の付着した債権と考えられるから。
<事案(2)>
Aが建物をBに売却し、それをBがCに売却。登記もABCと順次移転された。
しかし、Aがまだ建物を占有している間、Cが所有権に基づきAに明渡しを求めた場合、
Aは同時履行の抗弁権を主張できない。
同時履行の抗弁権は双務契約の効力の一種であり、契約当事者間でのみ主張できるものであるから。
こういう2つの事案の問題を見たんですが、
これってバランスおかしくないですか?
事案(1)でAとCは契約当事者じゃないと思うんですが…。
なぜこういう違いがあるんでしょうか。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>事案(2)を事案(1)の債権譲渡のように、「BのAに対する建物明け渡し債権をCに譲渡した」と見ることはできないのでしょうか。
AB間の売買契約にもとづくBのAに対する建物の明渡請求権を、Cに譲渡(債権譲渡)したのならば、そのような事実関係が事案(2)中に示されているはずです。しかし、そのような事実関係は書かれていませんし、しかも、Cが「所有権に基づき」Aに明渡しを求めた場合と明示しているわけですから、「BのAに対する建物明け渡し債権をCに譲渡した」と都合の良いように事例を変えてはいけません。
回答ありがとうございます!!
>Cが「所有権に基づき」Aに明渡しを求めた場合と明示しているわけですから、「BのAに対する建物明け渡し債権をCに譲渡した」と都合の良いように事例を変えてはいけません。
⇒むむっ…!確かに…。
物権には担保は随伴しても抗弁権は付着しそうにないですしね…。
なるほどです…。
No.1
- 回答日時:
面白い問題提起ですね。
学者を目指すならともかく、実務家を目指す人は
こういう領域にまで踏み込むのは危険ですよ。
試験に受かりにくくなる場合があります。
それはともかくです。
債権譲渡というのはどういうことでしょうか。
債権譲渡というのは、「債権の同一性」を失わないで
債権者が変更になることです。
だから、今まで対抗できた同時履行の抗弁権が
対抗できなくなるのは、理論的な問題が発生して
しまいます。
しかし、事案2の方にはそのような関係がありません。
AがBに有する売却代金債権と、BがCに有する売却代金債権
の間には同一性がありません。
同時履行の抗弁権が問題になる余地は無いのです。
”事案(1)でAとCは契約当事者じゃないと思うんですが…。
なぜこういう違いがあるんでしょうか。 ”
↑
共通しているのは、当事者じゃない、ということだけで
理論的な共通性が無いからです。
”これってバランスおかしくないですか”
↑
バランスというのは、各当事者の利害関係のことです。
各当事者の利害関係を考えれば、バランスを欠くとは
言えないと思います。
回答ありがとうございます!
>学者を目指すならともかく、実務家を目指す人はこういう領域にまで踏み込むのは危険ですよ。
試験に受かりにくくなる場合があります。
⇒そうなんですよね…。よく言われます…。
もっと効率よく勉強したいのですが…試験対策上では悪い癖です…。
>AがBに有する売却代金債権と、BがCに有する売却代金債権の間には同一性がありません。
⇒事案(2)を事案(1)の債権譲渡のように、「BのAに対する建物明け渡し債権をCに譲渡した」と見ることはできないのでしょうか。
Aから見れば債権者がBからCに変わっただけで事案(1)と異ならないと思います。
また、もし事案(2)で同時履行の抗弁権が認められない理由を「AがBに有する売却代金債権と、BがCに有する売却代金債権の間には同一性がないから」に求めるのであれば、
事案(1)でも「AがBに有する何らかの債権と(同時履行を主張する以上何かあるはず)BがCに有する何かしらの債権(通常は無償で債権は譲渡しないから)は同一性がない」と言え、事案(1)でも同時履行の抗弁権は認められないはずでは?と思います(ちなみに僕は認められるべきとする立場です)。
なぜ事案(2)ではAのBに対する債権とBがCに対する債権を基準として債権の同一性を判断するのか不明です。
事案(2)でもBのAに対する債権(明渡し請求権)とCのAに対する債権を基準に債権の同一性を判断すべきでは?と思います。
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