
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
電力系統で位相制御をする主たる目的は、各発電機の負荷バランスを保つためです。
系統間の電力融通のために行われるという言い方でも、外れていないかもしれません。電力送電系では、電圧を上げ下げするのが便利なために、交流が用いられていますが、この交流系に繋がる発電機は、言わば他の発電機と二人三脚で全体の発電を分担しています。
位相が早まった発電機は、分担電力を超えた電力を供給しなければならなくなり、位相が遅れれば、他の発電機の足を引っ張る状況になります。従って、系の位相にあわせて発電して、分担電力を担う発電をしなくてはなりません。
電力系統の位相(積分すると周波数)制御が出来ない発電機は、系の足手纏いになりますから、その電力系統から切り離さなければならなくなります。そして、次々にそのような発電機が系から離脱すると、昨年北米で起きた大停電等につながって行きます。
そんなわけで、位相の積分値である周波数が安定していることは、供給電力が安定していることの証でもあり、電力会社はこの周波数を高精度で制御しています。↓
参考URL:http://www.tepco.co.jp/kouza/pst/tips-j.html, http://www.tepco.co.jp/kouza/jyukyu/jyukyu-j.html
No.3
- 回答日時:
#2さんに補足追加
「位相が早まった発電機は、分担電力を超えた電力を供給しなければならなくなり、・・・」
位相が進んでいる発電機は、電力を多く供給します。しかし、発電機を駆動する蒸気タービンや水車の出力は変わりませんから、発電機駆動力<発電機出力 となって、減速し位相が遅れてゆきます。(位相が遅れた場合には、逆に加速して位相がすすみます)
このようにして、各発電機は駆動する水車や蒸気タービンの出力に合わせた(この出力を電力系統に過不足なく送り出せるような)位相に自動的になってゆきます。
(ただし、複数の発電機があると潮流が時間的に変化して、発電機が遅れ→進み→遅れ、、を繰り返す(系統動揺)可能性があります。潮流制御が重要視される理由の一つが系統動揺の抑制です)
また、通常の発電所では、発電電力(隣の系統との連携電力)が計画値になるように発電機制御を行います。(周波数調製を行う発電所:周波数の基準を作る発電所:は、50Hz区域と60Hz区域で一箇所ずつだけ)。電力の流れを計画どおりにすることで、結果として系統全体の位相(周波数)が基準発電所に揃うような運用をしています。
No.1
- 回答日時:
「電力系統の位相」というのが「電力系統における各点の電圧の位相」の意味だとして、、
電力系統内および電力系統間の電力の流れ(潮流)は、系統内の各点や系統連携線両端の電圧位相差と密接に関連しています。したがって、各点の電圧位相を何らかの方法で調整すると系統内の潮流制御や系統間の電力融通調整ができますし、逆に各点の発電量、電力消費量、および系統インピーダンスで潮流が決まれば、各点の電圧位相は自動的に決まります。
電圧位相を直接的に制御する方法としては、
1.移相変圧器 (三相のΔ巻線とY巻線を適切に組み合わせて電圧位相を変えたり、巻線型誘導機のように二次巻線を回転できる構造にして電圧位相を変えれる変圧器)を使う方法
2. 送電線に直列に90度位相が違う電圧源(変圧器+半導体電力変換器)を入れて電圧源の大きさを変えて位相を変える(半導体化)移相器
があります。
また、間接的に位相を制御する方法としては、
3. 電力線に直列にインピーダンスを挿入して、系統インピーダンスを変えて受電点の電圧位相を変える
4.異なる系統(の端部)を電力変換器を介して接続し、系統間で有効電力のやりとりをさせて、結果として電圧位相を変える
5.各部の発電量を変えて、各点での電力の需給バランス(潮流)を変え、結果として電圧位相を変える
方法があります。
1-4は、各部の発電量や需要に手を加えずに、潮流(特に並列送電やループ送電を行うときの潮流のバランス)を制御するのに使用されます。(4の場合には、5と同様、潮流制御をした結果、電圧位相が変わった と表現するほうが妥当かも。)
大まかにですが、このようなところでしょうか。
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