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万物の理論を使えば、原子の動き程度であれば数理モデルで表現できる?と聞いたのですが、なぜ、原子を数個程度シミュレートするだけで発見できそうな、最適な組み合わせの超伝導物質が見つかっていないのでしょうか?
少なくとも、癌に効く化学物質を大量にシミュレートするよりは遙かに簡単に思うのですが不思議に思っています。

A 回答 (8件)

>コンピュータの演算能力に物を言わせて、数式の組み合わせ大量に作り、



 現状では二つの理由からできません。人類が現時点で知る数式(数式の項と言うべきか)に限定しても、現在はもちろん将来的にも無理でしょう。

 試すべき組み合わせが多過ぎるのが理由の一つです。想定できる組み合わせの数は、観測可能な宇宙にある原子はおろか、陽子+中性子+電子の数よりずっと多く、そうしたものを扱う技術は原理的に無理です。原理的、とは無条件に認めざるを得ないということですが、素粒子一つに数式の項という情報を盛り込むことはできません(もしできると過去と通信できてしまう可能性があり、それを敷衍するとこの宇宙が不安定で存在できないことになってしまう)。つまり、メモリが足らないのです。

 もう一つは、コンピュータはまだ人間のような理解をすることができず、組み合わせを処理していっても、それが意味を成す(≒現実の可能性と対応する)かどうか、判断できないのです。コンピュータ自体の性能が無限に向上しても、見聞きして意味を了解する人工知能は実現不可能だとする説も根強くあります。もちろんですが、コンピュータが出力する数式や計算結果の数は、ごく部分的でも膨大すぎて人間がチェックして、意味のあるものを見つけ出すのは不可能です。そしてコンピュータだけでは判断できない。そのため、こちらも現時点では無理、将来的にもおそらく無理です。

 ちなみに、ガンに効く化学物質を見つけ出すのは、実用段階に入りつつあります。ガンだけではなく他の疾病含め、人間が接するもの全てについて、そうせざるを得ないのです。作り得る化学物質の数が増え続け、動物実験、さらに人間での臨床試験の前に、シミュレーションで絞り込まざるを得ないのですが、幸い、実用化を視野に入れて、現在は補助的に用いられており、その知見もまた開発を後押しして、近い将来には原則として動物実験なしの新薬などの開発が可能になります。それについては、ほぼ確実です。
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私もちょっと突っ込んでおきますが



1) 仮に万物理論があったとしてもそれだけじゃ
計算できない。例えばニュートンの3法則だけじゃ
そよかぜの計算はできない。状況に合わせた
計算方法の確率が必要。

2) シミュレーションは想定がないとできない。
つまり理論的、直感的な予想の確認が役目。
ただ闇雲に計算しても途方もない時間を
浪費するだけ。
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いちおう突っ込んでおくと, たかが「数原子」ていどでシミュレーションできても無意味です. その程度の原子数しかない状況では, われわれが普通に知っているような性質がでないこともよくあります.



「シミュレーション」どころか実際につくっているにもかかわらず, Cn の性質もよくわかっていない....
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>この方程式の完成を目指していると聞きます。



 それは素粒子に関する『標準理論』(標準モデル、標準模型)のものです。標準理論は重力が含まれていないことを始めとして、現実に対して理論外の事柄がいくつもあり(つまりそれだけで現実を説明できない)、万物の理論ではありません。

>また、現在でも、この式を使うとかなり正確に表せると聞きました。
>http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0921/の番組を見ての感想

 神の数式、ですね。物理屋さんは「そんなとこに神様いねーよ」などと陰で失笑していますが、研究予算は欲しいのであまりあからさまには何も言わないようです。「ヒッグス粒子って何の役に立つの?」と言われただけでも冷や汗たらたらの人も少なくない模様です。

 今のところ超伝導に関して分かっているのはBCS理論です。BCS理論に対して、標準理論は何ら助けになりません。どこかでつながることができれば、大進歩とはなるんでしょうけど、つながりがあるかどうかも不明です。関係性の見いだせないものにいくら進歩があっても、どうにもなりません。さらに、BCS理論は高温超伝導を説明できず、常温超伝導も予測できません。

 つまり、『常温超伝導の数式』を作れないのです。最初の回答で申し上げた通り、ない数式はシミュレーションのやりようがなく、解けないのです。解けない、つまり答えが出て来なければ、何が常温超伝導になりそうかなど調べようがありません。
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この回答へのお礼

何度も、回答いただきありがとうございます!

なるほど、NHKを見ている感じ、もうそろそろか?と思っていましたが、思っていた以上に遠いのですね・・・

少し、違った形のアプローチになると思いますが、神の数式(万物の理論)について、二重振り子の方程式を発見したり*、Watson(IBM)の様に、コンピュータの演算能力に物を言わせて、数式の組み合わせ大量に作り、片っ端から試して実際の物理現象に近い物を選び出すことは出来ないのでしょうか?
数原子がそこそこの近似値ででもシミュレートできれば、今の物作りでシミュレーターが役に立っているように、新規素材の発見にも革命が起こると思うのですけどね・・・
量子コンピュータなど並列処理が得意と聞きますし、将来的には、全ての組み合わせをサクっとやってくれるとか・・・

* http://wired.jp/2009/04/15/%E3%80%8C%E7%89%A9%E7 …

お礼日時:2013/10/02 19:17

>計算するのではなく、シミュレートして、観察するという方向からアプローチできないのでしょうか?



 根本的な誤解をされています。コンピュータで「シミュレーション」「シミュレートする」というのは、「数値計算」「数値計算する」ということです。それには、適した式が、計算できる形で存在しなければなりません。

 限りなく無限大の計算速度と無限のメモリがあるコンピュータがあったとしても、例えば『この割り箸にどれだけの力をかけると割れるか?』という一見簡単そうな問題は、シミュレーションできません。

 割り箸が割れる現象はカオス、つまり規則性がなく、乱数に支配されているとしかいいようがないため数式を作ることができず、従ってどんなコンピュータを以てしてもシミュレートできないのです。

 ある割り箸がいつ割れるかについて定性的な考察をして、似たような割り箸で何度も実験して、あちこちの大事な所に乱数だらけの式を強引に作ることはできます。それを解くこともできます。しかし、知りたかった割り箸がいつ割れるかについては、全く予測能力を持ちません。計算結果は乱数の一つを取り出しただけ、もしくは平均値を出したに過ぎないからです。

 常温超伝導も同じことです。現象の存在と再現性が確認されている高温超伝導ですら同じことです。

この回答への補足

回答いただきありがとうございます。

CERNの研究所には下記の方程式が掲げられており、
http://foresight.jst.go.jp/dataranking/highlight …より引用↓
http://foresight.jst.go.jp/dataranking/highlight …
この方程式の完成を目指していると聞きます。
また、現在でも、この式を使うとかなり正確に表せると聞きました。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0921/の番組を見ての感想

そのため、現在のパソコンの能力があれば、原子数個(単純な化合物)をこの式に基づきシミュレートさせ、様々な物性を研究できるのではないかと思うわけです。

逆に、現実の振る舞いが再現できないのであれば、加速器を使わなくても、通常の物質の特性から、式に整合性が出るように、式の方を触ることで、式の完成度を上げることも可能ではないかと思ったりするわけです。

どうなのでしょうか?

補足日時:2013/10/02 17:07
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 常温超伝導がスパコン(量子コンピュータでも同じ)を使っても解けない(見つけられない)のは、何を計算すればいいか、まだ分かっていないからです。



 既に幾つも発見済みの高温超伝導(液体窒素程度の温度での超伝導)ですら、まだ仕組みは未解明で、当然ですがスパコンなどで解くための数式モデルも作れていません。

 ちなみに、万物の理論はまだできていません。また、万物の理論で何をどこまで解けるのかも、不明のことが多く、議論されている最中です。

この回答への補足

回答いただきありがとうございます。

計算するのではなく、シミュレートして、観察するという方向からアプローチできないのでしょうか?

万物の理論が未完でも(例えば、ニュートン力学は現在では欠陥のある方程式ですが、車の衝突程度であれば何の問題なく計算できると思います。つまり、近似値を求められそうな方程式を色々使ってみる。)とりあえず、コンピュータ上で様々な物質を数原子分だけ作成してそれに電流を流したとシミュレートしてみる。そして電気特性を調べる。

現在創薬でも闇雲に、様々な化合物を混ぜ合わせるよりもコンピュータを使っていますし、格段に早く見つけられるのではないでしょうか?

補足日時:2013/10/02 12:16
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> 万物の理論を使えば、原子の動き程度であれば数理モデルで表現できる?と聞いたのですが



これは嘘です。 大学1年生の(古典)力学の講義で
「二体問題は解けるが三体問題は厳密には解けない」と習います。

水素原子(陽子と電子の2体からなる系)は非相対論的量子力学で解けますが、
ヘリウム原子(原子核と電子2個の3体からなる系)からは解けません。

スパコンを使っても解けません。原理的に解けないものだから。
スパコンは単に計算が速いだけで、計算方法自体はふつうのものです。

計算できないから近似を使うのです。それも相当粗い近似を。
すると計算できた結果も、近似を使っているので正しいかどうか?

スパコンって早いから、今までよりも複雑な近似で計算ができるようになるかもしれませんが、
しょせんは...

ちょっと前に「神の方程式」でしたっけ、TV放送されたそうですが、
究極の方程式が見つかっても、だれも解けないんじゃないの? スパコン使ってもさ。
粗い近似を使うと、結局...

この回答への補足

回答いただきありがとうございます。

NHKのTV放送については一応見ていました。現状でも、かなり正確に原子を表せるという話でした。また、多くの人が様々な式を考案している感じで色々議論していました。

例えば、この式が正しい、正しくないという議論があっても、コンピュータ上で、それぞれ全ての式でとりあえず、数原子の化合物を作り電気特性を調べてみるとかしないのでしょうか?
この世界も、現状の知見で言えば全て近似値に思えますし、超伝導もその近似値の精度以内で発生するのなら問題ない気がします。

また、例えば、近似値とはいえ、気候変動など年々精度が上がり当たる確率が上がっていますので、荒いといっても実用上問題ない程度に使えれば良いと思うわけです。
できないというよりも、なぜやってみないのか気になっています。
もしかすると、その式を使った物理的な性質の観察から、逆により正しい式が見つかるかもしれませんし・・・

補足日時:2013/10/02 12:41
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水素原子の性質と酸素原子の性質について非常に良く知っていたとしても、それらから生じる水分子の性質を導くのは非常に困難なのです。

現在の科学ではまだ出来ませんし、出来るかどうかもよく分かっていません(論理的には出来そうだと言われています)。

この回答への補足

回答いただきありがとうございます。

この結合した物質の性質というのは、例えば、標準理論の方程式などを使ってもシミュレートできないのでしょうか?

もしくは、様々な仮説がありますが、それらを片っ端からコンピュータに放り込んで計算させ、水分子の性質になった物のみ選び出して、より正確に物理現象を表す式を見つけ出すことなどは出来ないのでしょうか?

もしくは、下記の方程式発見のように、コンピュータに数式の組み合わせを入れ、片っ端から試して導き出すなど・・・
http://wired.jp/2009/04/15/%E3%80%8C%E7%89%A9%E7 …

そして、より物理現象を正確に表現できる数式を使って、水分子(今回は超伝導になる分子)の物理的なシミュレートに使えないのでしょうか?

組み合わせが膨大になったり、無限になったりすることはありますが、現在のコンピュータを使うと、将棋ソフトのAIではありませんが、人の創造性に近いレベルの仕事をこなしますし、何とかならないのでしょうかね?

個人的にも、業務で簡単な演算や組み合わせを、プログラムのスクリプトでやらせることがありますが、人力で行うと一生かかることをコンピュータは、ものの数秒で行い凄いと感じることがままあります。

補足日時:2013/10/02 12:58
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