![](http://oshiete.xgoo.jp/images/v2/pc/qa/question_title.png?5a7ff87)
某教科書ワークに載っている、『注文の多い料理店』の問題について質問したいと思います。
本作品の
【つぼの中のクリームを顔や手足にすっかりぬってください。】から
がたがたがたがたふるえだして、もうものが言えませんでした。
までが提示された文章ですが、ここを読んだ上で解く読解問題として
※この文章を、二人のしんしの様子から二つに分けます。
二つ目はどこから始まりますか。
二つ目のまとまりの最初の五字を書きぬきましょう。
(ヒント:料理店に対して疑問を感じはじめたところからが二つ目だよ)
とありました。
問題文の範囲内における料理店からの注文というのは
(1)クリームを塗ってください
(2)耳にもよく塗りましたか
(3)香水をふりかけてください
(4)塩を揉み込んでください
の四つです。
読んでいくと、(1)~(3)まではなんとなく不審を抱きつつ、そこは自分たちに都合よく解釈し、
注文どおりの行動をとっています。(4)の注文でさすがにおかしい!と気づきここで初めて
注文に従わず、震えうろたえる様子が描かれているのです。
ですから答えとしては、(4)の注文の意味段落のはじまりである<二人は戸を>だと思いました。
しかし答え合わせをしたところ、正答:<ところが、>となっており、てびきには【二人のしんしは
料理店の指示に疑問を感じ始め、ついに自分たちが食べられるのだと理解します。
指示に疑問を持つ場面から、二つ目となります】と解説がありました。
指示に疑問を持つ場面、というなら(1)の「クリームをぬれとはどういうんだ。」という箇所も当てはまるでしょうし、(3)の「この香水は変に酢くさい。どうしたんだろう」も疑いながらも「下女がまちがえたんだ」と軽く打ち消していて、殊更ここで強く疑問を感じているとは思えません。
最後の注文の(4)で、さすがにあきらかな異常を察して、「どうもおかしいぜ」「ぼくもおかしいと思う」
とここではじめて意見の一致を見るわけです。
なお問題には<二人のしんしの様子から二つに分けます>とありますが、(3)での彼らの
のほほんとした会話からも、やはりそれ以前の様子とは変り映えないように見えます。
二人の様子のみを見れば、(3)という答えはありえないような気がするのです。
(4)ではじめて様子に変化が生じるのですから。
以上の観点から、答えは(4)のまとまりのはじめである、<二人は戸を>の五文字のほうが
正答にふさわしいのでは・・・という思いをぬぐえません。
でもそうはいっても、国語教育の専門家が問題作成を担当しているのだろうから、間違いが
あろうはずないしやっぱり自分の解釈がおかしいんだろうか、いい年をして小5の問題で
つまずくなんて・・・とここ数日悩みがつきません。
教科書ワークの解答の正当性を、素人にわかりやすく解説をしていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
この問題は「悪問」だと思います。
一般に物語を区切る場合、時間があいたところや異なる場所に移ったところで切りますが、この問題のように登場人物の気持ちで切るものもないわけではありません。
しかしそれにしても、この物語を「ところが」で切るというのはとても無理でしょう。
まず、クリームを塗れという指示に対して一方が「どういうんだ」と質問し、もう一方が説明します。
次に香水を振りかけろという指示があってそれに対して一方が「へんに酢くさい。どうしたんだろう」と疑問を表し、もう一方が「間違えたんだろう」と説明します。
最後に塩を振りかけろという指示があり、今度は「どうもおかしいぜ」「ぼくもおかしいと思う」と顔を見合わせます。そして、この店の「注文」というのは店から客への注文であり、客を料理にして食べてしまう家なのだ、という会話があってふたりが「がたがたがたがた、ふるえだしてもうものが言えませんでした」となるわけですね。
この場面の面白さは、というかこの物語の面白さは、ドアを開けて次の部屋に入り、新しい注文を読むにつれて少しずつ不気味さがつのっていくところにあるわけです。子供たちにもその面白さを十分に味わってほしいものです。
だとすると、ある場面までは登場人物が何も気にせずおいしい料理を食べることだけを楽しみにしてい、ある場面から急に心配になる、などと区切ることはできないし、子供たちにそんなことをさせるのは無意味です。
確かに「ところがその香水は、どうも酢のようなにおいがするのでした」という表現は「おかしいな、どういうことだろう」という気持ちを高めるものですが、ここで登場人物の気持ちが一転するわけではありません。
また「ところが」という逆接の接続詞があるから切る、などというのは何の理由にもなりません。
というわけでこの問題はあまり頭のよくない人が無理にひねり出したものだとしか思えない、というのが私の考えです。「回答の正当性を、素人にもわかりやすく解説」してほしい、というご質問の答えにはなっていませんが。
ご回答ありがとうございます。
この問題に対するredgarbera様の御意見、私も同感です。
「ところが」は逆接の接続詞ですが、「しかし」や「だが」などと比較しても、
前述までの内容を簡単に覆すような、迫力を纏ったコトバですよね。
クリームの場合、防寒用とも食用とも言っていませんから、二人も店側に都合の良いよう
解釈してくれました。しかし、こう水だと言われて使ったものが酢だとしたら、
ギョッとしてこの店はおかしい!と疑念を強めてもおかしくありません。
「下女の間違いだよ」と言った方は、おそらく内心の不安を押し隠していたのでしょうが
人物描写上特に様子の変化は見られないので、この箇所を<様子から二つに分け>るには
私も無理があるような気がします。
もし出題者が最初から、答え=「ところが、」ありきで問題を作成していたのならば
せめて生徒が答えを導き出しやすいような、もうすこし別の書き方があるのではないかな
と思いました。
No.4
- 回答日時:
こんばんは深更に失礼します。
この作品を読んで、殊に「信用されている部分」を読んでみて、僕も少なからず質問者様と同様の疑問を「設問の立て方」に感じました。<この文章を二人のしんしの様子から二つに分けます>この文面をそのまま額面通りに受け取るならば、「物語の文中にある『ある言葉』を境として」その前後で、「料理」に対する考え方が一変するはずです。
時系列に従って整理するなら
(1)玄関から幾つかの扉を過ぎた所にあったのは「クリームの入った硝子の壺」
(2)その次にあったのは「香水の入った瓶」それぞれに出くわした二人がどう反応するかを示した部分です。
この(1)と(2)の間での時間の変化ともう一つの言葉の関係に目を向けてみます。(1)では「相手の親切心」を疑ってもいません。(2)の段階でも「それが酢の様な匂いがすること」を知ったのは「液体を振りかけてから後」のことで、振りかける以前では(1)と変わってはいないとの話になります。けれども(1)と(2)の間にある「言葉」には少しおかしな部分も見え隠れしてきます。
「料理はもうすぐできます。十五分とお待たせはいたしません。すぐたべられます。」この台詞には主語がありません。そう、「取り方によって、どちらが食べるのか」を敢えて曖昧にしておくことで、宮澤賢治はこの物語の持つミステリアスな世界を演出しているともいえます。
こうした手法は「ダブル・ミーニング」などと呼ばれる方法で、小学校段階で教えるにはいささか無理もあるでしょう。授業の中で「そうした文章表現の仕方があるよ」と説明しておく必要も生じます。もしそうした説明なしでこの問題が課されていたならば、設問に問題があると僕も感じます。
ここまでを整理してみますと、(1)~(3)迄の間は、「二人の紳士は奇妙な料理店とそこの説明」に対して「疑いの深度」が次第に深まってはいくものの、未だ幾何かは信じたいとも考えていて、選択肢の(1)~(3)は正解とはならないとの話になります。
では(4)はどうでしょう。質問者様が仰るとおりに「食べられ」てしまうのは自身達であると二人の紳士はようやく気付きます。
でもこれは「物語全体の中での転回点」に関する説明であって、「問題文として引用した文章」に関しての説明とは異なります。
「物語全体の中で」と設問がなされていたならば、質問者様の理解は正解となりますが、設問をよく読んでみますと「二人の紳士の様子」とあります。クリームの段階では、残っていたものを少しばかり失敬もします。それは「瓶の中に入っていたもの」が紛れもない「クリーム」であり、それは「見かけでわかる性質のもの」だったからとの説明が着きます。
これに対し香水の段階では「見た目は水」ですから、「使った後にその匂いを嗅ぐ」などしなければ、「中身が香水であるか他のものであるか」は判りません。そして「検証したことにより」使用前と使用後では揺らぎが少しばかり見え始めもします。ここで先の「たべられます」の奇妙な台詞が本当の意味を表し始め、全面的な信用から少しおかしいぞと疑いへとつながっていきます。その「疑い」を持ち始めた部分を「分岐点」と理解するならば、「ところがそ」の部分がそれに類すると理解することができます。これが「教科書ワークの説明」での根拠となる部分です。
けれども「もし二人が疑いを持っていたならば、次の扉を開けたか」との別の疑問も生じるはずです。児童生徒はそこまで考えもします。これが「文学的解釈」と呼ばれる部分の視点であって、設問に対する回答を構成する視点とは別の問題です。
このことから(4)も消去法で消えることになります。「文学的解釈」に基づいてしまうと、百人の回答者がいたならば百通りの回答がなされる可能性がありえるからであって、国語の試験で感想文もしくはそれに類似するものを書けと出題することは採点基準をどこに置くかとの厄介な問題を誘発しかねないことになりかねもしません。
質問者様は(1)~(4)として4つの「注文」を区切りとすることから全体構成と段落内での構成を混同されているのではなかろうか、と僕は理解しました。
ではこの問題に「文学的解釈上での正答」はあるのか、との問題を別に立ててみることにします。これが恐らく質問者様のお尋ねになりたい部分でしょう。結論からすれば僕は「なるほど立」の部分がそれに相当すると解釈します。「なるほど立」の後には「こんどというこんどは」と「確信を示す」明らかな言葉が続きもします。
ところで話は変わりますが、この作品を定本および新潮文庫版で原文確認したところでは、該当部分の五文字の部分に関して「ところが、」は原文では「ところがそ」そして「二人は戸を」も同じく「二人は扉を」となっていて出題者による明らかな改竄ともいえます。これが質問者様および他の回答者様が寄せられている回答の言葉の表記とは異なる理由です。
もしこの設問の趣旨を「接続詞の使い方を学ぶ」ことにあるとすれば、「接続詞」を単体で説明しても意味はありません。「どの言葉がどの言葉に掛かるか」を踏まえた文法的な説明をせねば、この設問は根底から意味を為さないからです。
当該の教科書ワークを作成した人物は「五文字を書き抜け」としてしまったがために、それは「子どもに答えさせる場合は絶対に1つの単語でなければならない」とおかしな拘りを持ってしまったのが最大の問題点であり、「指導要領」の細かい部分しか理解していない大馬鹿者ともいえます。
高校受験や大学受験レベルならば、こんなお粗末な設問の立て方はしないはずです。
No.2
- 回答日時:
小5でそんな難解な問題は出ない。
単に「接続語」の意味と使い方を知っているかをみる問題。
「ところが」について理解していればいい。
問題は作者を離れて作られているため考えすぎないほうが良い。
問題文に採用された作者が「オレはこんな風に考えて書いた訳じゃねぇ」
というのはよく聞く話。
ご回答ありがとうございます。
大人である自分の洞察力が足りないのは事実なんですが、小学生向けなのだから
もう少しわかりやすく問題を書いてくれるといいかなあ、と思いました。
なお、ある国語の学習サイトでは、接続詞が出てきたら□で囲みなさい、
文章を予測するために接続詞は重要なのだ、と指示していました。
これは「ところが、」から話の流れがそれ以前とは一転するのだ、ということを
理解できているのかを確かめる問題なのでしょうね。
遠藤某先生もずいぶん憤慨されていたそうですね。
No.1
- 回答日時:
言葉からして「ところが」とそれまでの流れを変える言葉が入っています。
その理由として、それまでは納得していたけど、酢というもの。とりあえずは納得しようとしているけど、納得していない。
それまでは、紳士達にとって良い事と思える事ばかりです。しかし、ところがで、それと異なる理由になっています。使用人とかが間違えたと他人の間違いを持ち出してきています。
つまり、二人とも納得出来る理由が見あたらないという状況になり、それまでの注文を考えて行くと、まさか?という事に成ります。一旦そこで振り返っています。
そこで、回答の物語が扉を開けることで始まるのです。ところがというところで心境の変化の導入部なんですね。
このお話しは大好きですね。
ご回答ありがとうございます。
なるほど、「クリーム」は防寒のためという尤もらしい理由をみつけたが、
「酢」には適当な理由が見つけられず無理矢理<下女の間違い>と思い込もうとした・・・
しかし二人とも本心から納得してはいないのだ、という事でしょうか。
「ところが」という逆接の接続詞が、そのまま二人の心情を表していると解釈するわけですね。
問題文には<この文章を二人のしんしの様子から二つに分けます>とあります。
様子、つまり登場人物の行動・態度・仕種について、「酢」の場面ではほとんど描かれて
いません。「この水は変にすくさい。どうしたんだろう」という台詞のあとでたとえば
「一人がいぶかしげにびんの中をのぞきこみました。もう一人が早口で言いました」等という描写などがあれば、迷うことなく「ところが、」を選択したのですが・・・。
この簡潔な会話の行間から、二人の間に得体の知れない緊張感がただよっているのだ、
という作者の意図を読み取るべきなのかもしれませんね。
短編でありながら非常に奥の深い作品ですね。
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