10秒目をつむったら…

福島の原発で保管してあった使用済み核燃料の冷却が出来なくて溶けだしましたけど、それほどまだエネルギーがあるのに何故使用済みとなってしまうのですか?

その熱を利用してまだまだ現役で使えるのでは?何か危険性があるからでしょうか?

化学的な観点から教えてください。

A 回答 (4件)

>福島の原発で保管してあった使用済み核燃料の冷却が出来なくて溶けだしましたけど、それほどまだエネルギーがあるのに何故使用済みとなってしまうのですか?


核分裂の大本であるウラン235が一定濃度以下になると発電効率が悪くなってしまうためです。

事故の際に使用済み燃料を融かした熱の原因は、ウラン235などが核分裂後に生成する放射性物質(核分裂生成物といいます)が放射性崩壊をする際に発生するエネルギーがその由来です。
(このような放射性崩壊により発生する熱を「崩壊熱」といいます)
原子炉が通常運転中(冷却系が正常に動いていて核分裂が続いている)ときには、「核分裂による熱エネルギー」のほかに、この「崩壊熱」も副次的に利用されています。
(この熱で蒸気を作って発電タービンを回すことになる。)

>その熱を利用してまだまだ現役で使えるのでは?何か危険性があるからでしょうか?
上に書きましたが、崩壊熱は核分裂後に生成する放射性物質(核分裂生成物)がその由来です。
なので、核分裂の源であるウラン235が減れば、当然核分裂の回数は減るわけですから、核分裂生成物の生成量も減るわけです。
となると、崩壊熱も自然に減ってくることになります。
また、核分裂が停止されていても、崩壊熱は減っていきます。
(供給(核分裂生成物の生成)が止まるわけですから。
そして崩壊熱というのはあまり長続きしません。
実際、原子炉停止後1秒後で(核分裂が起こっていたときの)通常出力の7%程度ですが、1日後で0.6%程度に減ってしまいます。
さらに時間がたてば、どんどん減っていくことになるのです。
参考→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B4%A9%E5%A3%8A% …
なので崩壊熱だけを頼っての長期間の発電は実用的ではないことになります。
(また、そもそも崩壊熱を得るためには核分裂して放射性物質を作る必要があるわけですが、核分裂時に発生するエネルギーを捨てる意味はないわけです。)
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2013/11/08 19:20

>何か危険性があるからでしょうか?



その通りです。一度使用した核燃料は熱のほかにも強力な放射線を発しており、これをそのまま再利用するには様々な安全対策が必要で、非常にコストがかかり、得られるエネルギーの効用を上回ってしまいます。なので再処理して精製しなおし、特殊な新型原子炉で使うことが考えられています。これは現状では技術的に完成していません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2013/11/08 19:20

我々人間から見ると、確かに「使用済み」とは言え、まだまだ「凄まじいエネルギー」だとは思うんですがね(笑



しかし、「原発から見ればそうではない」のです。

これは、核燃料が科学的に云々と言うより、原子力発電所という観点から見れば簡単に分かる事でもあるのですが、原発を正常稼動させるには、「一定の出力」が必要だと言う事です。

当然、新品の方がウラン濃度が高い分、当然出力も高くなる訳でして、我々から見れば容易に金属を溶かしてしまうような凄まじい熱量を持つ使用済み核燃料クラスでさえ、原発の一定出力を安定させるには荷は重いと言う訳です。

すでにご存知でしょうが、日本の原発の核燃料の寿命は「3年」と言われています。
これも、3年経ったら全てを一気に入れ替えると言う訳ではなく(そうなれば当然一気に出力が上がりますので)、一年ごとに全体の三分の一を新品に入れ替えながら、常に安定した出力を保てるようにしているのです。

ちなみに、先ほど、日本の原発で使う核燃料の寿命は3年だと言いましたが、これも、当然ウラン濃度を元から高く設定すれば、単純に3年以上は持つ計算になります。
しかしながら、ウラン濃度20%を超えた時点で、高濃度ウランと見なされ、原子爆弾や軍事機関との兼ね合いから、国際的に見ても規制がかなり厳しくなりますので、現実問題として難しいでしょう。

今月から来年末まで、約一年をかけ、まだ現役でも使えるのではないか?と思えるくらいの崩壊熱と放射能を含んだ使用済み核燃料の移送が行われる訳ですが、失敗すれば東日本には人が住めなくなるらしいので、何とか無事に終わることを願っています。

いずれにせよ、3年間安定した電力を賄う見返りに、一方で半永久的に害の残る毒ゴミが残ると言う事実は、メリットデメリットの比重を考えた場合、どうなんでしょうね。

取り合えず、簡単に説明しましたが、参考程度まで。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2013/11/08 19:19

効率の問題です。


濃度が下がったから、再処理で濃度を上げれば
また炉で効率よく燃やせる状態になります。
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この回答へのお礼

ありがとうございました

お礼日時:2013/11/08 19:19

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