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前の質問(http://okwave.jp/qa/q8449486.html)はいろいろ書き過ぎたので、単純に質問させてください。

金融機関の信用創造に伴って、通貨発行益(シニョリッジ)は発生しますか?
発生するとしたら、それは誰がどんな形で受け取っていますか?

私は、
(マネーサプライ ― マネタリーベース)×利子
の分が、信用創造に伴うシニョリッジとして、毎期、金融機関に入っていると考えているのですが、これは正しいですか?

A 回答 (4件)

> この2つのプロセスを別々に考えないで、まとめて考えれば、結果として、日銀は銀行に日本銀行券を紙切れを渡して無利子無期限でお金を借りて、そのお金で有利子の国債を買っていることになるのでは、と思うのですが。



買いオペと日銀券での引き出しの二つは、通常別の日に行われますし、そもそも資産を日銀が取得した額を全部日銀券として引き出すことはほぼあり得ない(常に一定の残高がなければならない)ため、この二つの取引を一つの取引と考えることは相当に無理があります。

さて銀行券は、負債で借入だという点は良いですか? もう少し会計的に言えば(勘定名と金額は適当ですが)、まず買いオペをしたときには
(資産)100 / (日銀当座)100
となります。これを銀行が引き出すと
(日銀当座)10 / (日銀券)10
(費用)1 / (棚卸資産)1
となるわけです。この現金を収益だと考えると、負債を返済したのが収益であるということですから、非常に奇妙なことが起こっていることになります。勿論資本取引(出資など)でもないため純資産であるわけもなく、負債以外にはなりません。
因みに2行目の費用/棚卸資産は、棚卸資産である日銀券を減らすのだから当然のことになります。日銀の立場にしてみれば、社債発行費用のようなものです。


こう書くと引き出した際のの仕訳は
(日銀当座)10 / (棚卸資産)1
  / (益)9
ではないか、という意見もありそうですが、引渡した日銀券(現金)は10なので、おかしなことになります(つまりは1万円札を帳簿上40円だから40円だ、と言っているわけですから)。
不可能だとは言いませんが、その日銀券を回収したときに同額の損が出ることになります。

例えば1万円札は寿命が大体3年~4年程度とされています。つまり、3年に一度くらい(実際には再流通のものがあるのでもっと短い)で日銀券は日銀に戻ってきます。この時は
(日銀券)10 / (日銀当座)10
と、日銀当座が増えることになります。もし益が出るような会計処理を行っていたとしたらどういう処理になるでしょうか?
もう少し言えば、この日銀券が廃棄されるとすれば、
(日銀券)*** / (日銀当座)10
(損)10 / (日銀券)***
となるはずです(***はどんな数字でも同額なら可、損は日銀券を回収した際の損と廃棄損の合計額)。
この損失は無視してよい、と主張するのは、私はおかしいと思います。
因みに通算すると損は1となり益を立てない時と同額になります。


ところで、通貨発行益というのは、元々はコインの額面から製造原価を引いたものです。
金本位制の時代、特に分かりやすいのは江戸時代の小判の改鋳を想像してもらえば良いのですが、小判を改鋳して1両の金を溶かして混ぜ物をして3両にした場合に、この差額分の2両が利益になります。この差益を通貨発行益と呼びます。この意味での通貨発行益は硬貨について存在しており、国庫に納付されています(※)。

発行した瞬間に利益がなければならない、というのは(近年の意味では)言い過ぎたような気もしますが、少なくとも市中銀行では貸付利息を通貨発行益に含めると考えることはありません。
市中銀行が貸し付けた利益を通貨発行益だと考えるということは、銀行の営業利益のうち手数料等以外から生ずる部分を通貨発行益だと言っているわけですからね(より正確には少しずれます。詳細は後ほど)。

無論、一般的ではないからといってそういう使い方をしてはいけないという訳ではありませんが、一般的には理解してもらいにくいでしょうね。


> もちろん、クーポンを受け取るタイミングの問題で、日銀に利子が入らないこともある、というのは分かりますが。

いや、そもそもクーポンは日銀が受け取らないという契約なんです。
もう少し言えば、現先というのは、将来の買い戻しを前提としたものであり、国債を担保に日銀がお金を銀行に貸し付けているのと実態はほぼ同じです。


> 『通貨発行益』(通貨を発行したことによって、将来の発生する期待利益を現在に割り引いた値)

前述したように、それは銀行が将来国内で上げる利益のうち手数料など以外のものを予測しているに等しいのですが、もう少し書くと銀行が(預金ではなく)借入によって資金を調達した場合には、そもそもの信用創造のメカニズムは起こりません。
銀行がA社から期間1年で100万円借りてB社に全額を期間1年で貸した場合、市中で使えるお金は増えていませんよね?

また、例えば日銀が買いオペにより銀行に渡った現金を貸し付けた場合には、通貨の量は増えていません(「銀行の外にあるお金」であるマネーストックは増えますが、信用創造のプロセスで増えたわけではありません)。しかも、期待利益はまだ実現していないため、将来実際に利益とはならない金額を多分に含んでいます。

このように「期待利益」を計算すること自体に大きな困難が付きまとう上、現状として計算に意味があるものだとは全く思いません。

勿論、そうしたものを定義して何らかの理論的な考察をする、乃至は理論を構築することができないとは思いませんし、それに意味がないとは言いませんが、現在のところそのようなものは少なくとも現実的なフレームワークにはありません。




硬貨、特に記念硬貨については造幣局が製造し、額面で販売(引渡し)しています。なので造幣局(日銀ではない)が額面と原価の差額を受け取っています(原価20円で売価100円の商品を作った場合の利益と何が違うと言われると困るんですが)。
1万円札については、印刷コストが20円ほど、引渡し価額が40円ほどと言われているので、1枚当たり差引20円ほどが造幣局の利益になるわけです。
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> それは「シニュリッジ」とは言わない、ということですかね。



前の回答の時にも回答しましたが、通貨を発行した時点ではその利益は発生していませんよね?
なので、それは通貨発行益ではありません。


> この分に名前はないのでしょうか。

いわゆる「利ざや」ですね。
金利収入でもよいかもしれませんが、利払い費を控除した金額だけのピンポイントの名称は他に思いつきません。


> 日銀が日本銀行券を発行することで、日銀あるいは日本政府にシニュリッジは発生していますか?発生しているなら、それはいくらなんでしょうか?

日本の通貨(日本円)は、大きく分けると、いわゆる現金である日銀券、硬貨と帳簿上のお金の3種類あります。
日銀は、帳簿上のお金として日銀当座などがありますが、帳簿上のお金の大部分は日銀の直接関係しない銀行の持っているお金や信用創造で増えたお金になります。

基本的には、現在日本円を「発行する」際には、現金を渡すわけではありません。なので
> ・日銀からみると、日本銀行券を発行することで国民から無利子で金を借りて、有利子の国債を買っている(国に有利子で貸し出す)ことになる
これは間違いです。
買いオペの場合には、日銀は銀行から資産(現在国債が使われていますが国債である必要はありません)を購入し、その対価として銀行にお金を渡しています。このプロセスには日本銀行券は出てきません。
出てくるのは、銀行が「日本銀行券で」お金を引き出す場合です。
そして、この時に渡したお金は日銀の「負債」なので収益にはならず、利益が出ることもありません。

日銀が買いオペした国債のクーポン部分は、日銀が買い切りをした分は日銀に入りますが、後で銀行が買い戻す部分(現先)については銀行が受け取ることになります。日銀の買いオペは、現在は現先が基本なので、この部分の利益もありません。
日銀は買いオペ以外でも国債を保有していますが、それも含めて年6000億円程の国債利息を受け取っています。このどの程度が買いオペによるものかは分かりませんが、日銀保有の国債は平均で100兆円強なので、利率が0.6%程度であり、明らかに一般的な国債のクーポン利息よりも大幅に低い利率となっています。

因みにこの利益は、配当等を除くと最終的には国庫に納められます。


また、いわゆる「現金」と呼ばれる日銀券・硬貨は日銀が流通に関わりますが、そのシステムが少し違います。
どちらも造幣局が印刷・製造しますが、硬貨の製造での利益(額面-製造コスト)は造幣局に入り、その後国庫に納められます。
一方で日銀券は、印刷後日銀に直接納められ、引渡しにかかった金額は日銀の費用になります。
繰り返しになりますが、日銀から銀行に流通する際にはいずれも「負債」となるので、発行益はでてきません。


ちなみに質問者氏が補足の中で挙げたブログ記事
http://hongokucho.exblog.jp/2635830
には
===
先日もある著名なエコノミストと通貨発行益の話をしていたら、「エーッ!、9980円じゃないの?、てっきりそうだと思っていた」と驚いていた。
===
なんて書かれているのですが、「著名なエコノミスト」でさえ著名なだけで基本的な部分すら知らないのが悲しい現実だったりします。
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この回答へのお礼

たびたび、ありがとうございます。

at9_amさんの回答を要約すると、つまり、日銀券発行は、日銀にとって単に負債を増やすだけの意味しかないので、「日本銀行券の発行による通貨発行益は存在しない」ということだと思えばよいでしょうか。
確かに、帳簿上は、そうなっているのはわかるのですが。。
確かに、日銀が、その保有資産(国債)で、世に出回っている日本銀行券を全て回収(買い取り)して清算してしまえば、全てはなかったことになるわけで。

「通貨発行益」という言葉の定義の問題なのでしょうか?

>前の回答の時にも回答しましたが、通貨を発行した時点ではその利益は発生していませんよね?
>なので、それは通貨発行益ではありません。

通貨を発行した時点で利益が発生しないでも、「通貨を発行した」ことによって、将来のある時点においていくらかの利益がある確率で発生する、ということであれば、
その期待利益を現在に割り引いた分が「通貨発行益」と言えるのではと思うのですが、「通貨発行益」という用語は通貨を発行した「瞬間」に利益が発生する場合のみを指す、ということですか?

>買いオペの場合には、日銀は銀行から資産(現在国債が使われていますが国債である必要はありません)を購入し、その対価として銀行にお金を渡しています。このプロセスには日本銀行券は出てきません。
>出てくるのは、銀行が「日本銀行券で」お金を引き出す場合です。

もちろん言われていることはわかるのですが、この2つのプロセスを別々に考えないで、まとめて考えれば、結果として、
・日銀は銀行に日本銀行券を紙切れを渡して無利子無期限でお金を借りて、そのお金で有利子の国債を買っている
ことになるのでは、と思うのですが。。
もちろん、クーポンを受け取るタイミングの問題で、日銀に利子が入らないこともある、というのは分かりますが。

結局の所、つまり、帳簿上、通貨を負債の項に記載するのではなくて、いきなり資産の項に記載するという会計処理をした場合のみ「通貨発行益」と呼ぶ、ということなのでしょうか。
やっていることは全く同じなのに、会計処理に仕方によって「通貨発行益」が発生したりしなかったりする、というのはちょっと解せない感じがしますが、「通貨発行益」というのはそういう定義なのだ、と言われればそうなのかもしれません。

その場合は、私が言っている意味での『通貨発行益』(通貨を発行したことによって、将来の発生する期待利益を現在に割り引いた値)に相当する用語はないのでしょうか。

また、この意味での『通貨発行益』は、金融機関による信用創造に伴っても発生しているように思うのですが、そうではないですか?

すいません。。考えれば考えるほどわからないです。

お礼日時:2014/02/16 23:40

> 信用創造にシニョリッジがないとすれば、この2つの例における利子の差額の10万円はどこから来たと考えればよいのでしょうか?



信用創造の理解が間違っているようです。

簡単化のために銀行が1行しかないとして考えます。
1.銀行はAから100万円預かる(利率は年利1%とします)
2.銀行はBに100万円貸し付ける(期間は1年間で利率は年利10%とします)
3.Bから支払いを受けたCはそれをそのまま預ける(利率は年利1%とします)
1~3までが瞬間的に起こったとしましょう。
通貨自体は「この瞬間に」100万円から200万円にまで増えています。1年後ではありません。
2.で銀行がBに貸付たといっても、Aの預金は消えてなくなるわけではないので、Aは(通常の預金であれば)いつでもこの100万円を引き出すことができます。

さて、この瞬間、銀行はいくら儲かったでしょうか?
A、Cに1%の金利(2万円)を支払い、B、Dから10%の金利(10万円)を受け取るため、差引8万円でしょうか?
正解はゼロです。瞬間的には、金利は発生しませんからね。



> 銀行の預入利率と貸出利率とに、ほんの少しでも差があれば、もし自己資本比率が全く無ければ、預入→貸出のプロセスを無限に繰り返せば、銀行は、当初持っていた100万円から、合計すれば無限大の利子を受け取れるように思うのですが。。

利益が無限に、といいますが、その通りです。
資金を調達して貸すというプロセスが、リスクなし・調達コストと貸出金利一定で、資金制約なし・売上制約なしで無限に繰り返すことができると仮定しているわけですから。

ただし、繰り返しにもなりますが、これは通貨発行に伴う利益ではありません。
この利益はどこから来たのかといえば、単純に「資金を調達してきて貸したこと」による利益です。
無限に資金を調達して無限に貸し出すことができれば、金利差がある限り無限に利益が出るに決まっているではありませんか。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
納得したような、まだのような。

銀行からすれば、単純に「資金を調達してきて貸したこと」による利益だ、というのは納得はできるのですが。
回答いただいた例で言えば、この世の中に最初あったお金は、Aがもっていた100万円だけだったはずなのに、信用創造の仕組みがあれば、貸付金額を世の中にある実態があるお金の合計額100万円よりずっと多くして、その分の利子を受け取れるわけですが、それは「シニュリッジ」とは言わない、ということですかね。この分に名前はないのでしょうか。

もしよければ一つ質問させてください。
日銀が日本銀行券を発行することで、日銀あるいは日本政府にシニュリッジは発生していますか?発生しているなら、それはいくらなんでしょうか?

私の理解では
・日銀は、発行する日本銀行券と同額の資産(国債など)を持たないといけない。
・日銀からみると、日本銀行券を発行することで国民から無利子で金を借りて、有利子の国債を買っている(国に有利子で貸し出す)ことになる
・日銀券発行に伴うシニュリッジは、つまり、日銀券を担保する国債の利子のことである
と思っていました。たとえば、以下のページhttp://hongokucho.exblog.jp/2635830
のような考え方です。

これって、低利でお金を調達して高利で貸す、ということで、まさに「資金を調達したことによる利益」そのものだと思うのですが、
ということは、日銀券発行に伴うシニュリッジに関する私の理解も間違っているということでしょうか?

お礼日時:2014/02/15 10:42

> 金融機関の信用創造に伴って、通貨発行益(シニョリッジ)は発生しますか?



しません。

> 信用創造に伴うシニョリッジとして、毎期、金融機関に入っていると考えているのですが、これは正しいですか?

間違っています。


信用創造のメカニズムを簡単に説明すると、銀行が預かったお金をAが貸し出し、AはBに支払い、BがAに預ける、というサイクルにより、通貨の量が最初に預かった額とBが預けた額の合計になるため、最初よりも通貨量が増える、というものです。

この場合の金融機関の利益は銀行がAから受け取る利子になりますが、それは通貨発行益ではありません。
当然のことですが、このサイクルの時点では利益は発生していませんし、Bが銀行に預けなかった場合(つまり通貨が増えなかった場合)にも同様に発生します。

この回答への補足

お礼に書いた例ですが、よく考えると、Bが銀行に預けるときに、1割の利子がつくとすれば、2つの例は同じですね。

でも、銀行の預入利率と貸出利率とに、ほんの少しでも差があれば、もし自己資本比率が全く無ければ、預入→貸出のプロセスを無限に繰り返せば、銀行は、当初持っていた100万円から、合計すれば無限大の利子を受け取れるように思うのですが。。

補足日時:2014/02/14 11:53
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この回答へのお礼

すいません。回答に気づくのが遅くなってしまいました。
ありがとうございます。

たとえば、銀行がなければ、
・AがBに100万円を年利1割で貸した
・Bは借りた100万円を、そのままCに年利1割で貸した
であれば、1年後には、
・Cは110万円をBに返す
・Bは110万円をそのままAに返す
になるだけで、ABC全体としてみれば、利子として増えたお金は100万円の1割の10万円だけだと思います。

一方で、銀行が入ると
・銀行がBに100万円を年利1割で貸す
・Bは借りた100万円をそのまま銀行に預ける(実際にはBは何らかの代金として、100万円を他人に支払って、その多人が銀行に預けるんだとは思いますが、ここでは簡単のため)
・銀行は、100万円をCにも貸す
となると、1年後に銀行は、BとCの2人から、利子として合計20万円を得られると思います。

信用創造にシニョリッジがないとすれば、この2つの例における利子の差額の10万円はどこから来たと考えればよいのでしょうか?

お礼日時:2014/02/14 11:45

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