No.3ベストアンサー
- 回答日時:
補足、承りました。
#2です。>「強い力と弱い力」(大栗先生著)を読みました。
研究者個人が論文では言えないような予想を述べたものですね(論文ベースではツッコまれまくる)。ヒッグス場があるなら、他の場(電磁場、重力場)と同様、力を生じると考えたのでしょうか(私個人はおとぎ話のレベルと感じるので、割とどうでもいい)。
とはいえ、ヒッグス粒子は標準理論を展開する上で、再出発点にすぎず、少なくとも標準理論が述べた素粒子には、それぞれ対になるものがあると考えられたりもしています。素粒子の数が少なくとも2倍あることなります(さらに、それで全部分かったとならないとも)。なんだか、延々と続いてしまいそうな感じもします。
>P74に、「ヒッグス粒子の発見は、3つの力と重力に続く「第5の力」の力が存在する証拠となったのです。」と記載あります。
どんな力を考えているにせよ、さすがに証拠は言い過ぎでしょうね。標準理論の範囲内ですから、上述したようにアプローチの端緒程度だと思われます。標準理論では、まだ重力すら含まれていません。重力理論は外部理論扱いで、一般相対論と量子力学統合に四苦八苦している状況です。
そのため、宇宙の始まりのときに四つの力が一つだったということすら、ある程度は分かるといった程度の予想でしかありません。
>統一理論は、重力で完成せず、「第5の力」も、含める必要があるのでしょうか?
電磁気力と弱い力の統合までは成功していますね(二つ合わせて電弱力と呼ばれる)。それ以上の統一理論はまだです。
先に申したように遠距離に働く力として、少なくとも斥力はありそうです。理論的には、例えば一般相対論の宇宙項に対応すると予想されている。それが第5の力かどうかは、不確かです。一般相対論で斥力を表す宇宙項が、重力方程式に矛盾なく組み込めているのですから、電磁気力は正負対であるのと同様、重力には対となる斥力があるだけかもしれません。もしそうなら、斥力は第5の力にはならない可能性があります。
長距離力(重力、電磁気力)自体が、実は存在していないとする理論展開もあったりします。よく聞くのはホログラフィー説ですね。この空間は3次元ですが、空間2次元の世界の投影がこの世界であるとするものです。
元の2次元世界ですが、物理理論が同じく通用するとすると、2次元では遠距離力は物体間に作用しません。大雑把に申し上げると、空間の次元の数だけ長距離力が強くなるためです。そのため、空間4次元以上では強すぎて、例えば恒星を回る惑星は円軌道以外は無理だったりする)。「この宇宙があるのも3次元空間であるお蔭だ」と言われたりします。
ホログラフィー説は、そんな簡単な話ではないものの、重力を考える必要がないとしています。少なくとも物体間には働かなくていい。すると、今四苦八苦している量子力学と一般相対論の統合も不要になるかもしれません。重力が事実上ないですから。
すると、四つの力から、むしろ減ってしまうこともあり得ます。未解明の部分がいろいろあるため、「言った者勝ち」みたいな感じです。さらに、数学的記述もアプローチ次第です(ホログラフィー説は、単なる数学上のテクニックと考えることも可能)。つまり、説明次第では4つの力以外もあり得ます(現在ある説明を捨てる理由は今のところないけど、どうしても行き詰るようなら、他が出る可能性もなくはない)。
詳しいご説明有難う御座いました。
> 研究者個人が論文では言えないような予想を述べたものですね(論文ベースではツッコまれまくる)。
わかりました。本を読んだ時点では、周知の事実と思っていましたが、そうではないのですね。第5の力として、ヒッグス力が存在するかもしれないけど、完全に、存在すると証明はされていないのですね。
現在、「一般的には、力は4種類存在する。」と考えられているのですね。
> とはいえ、ヒッグス粒子は標準理論を展開する上で、再出発点にすぎず、少なくとも標準理論が述べた素粒子には、それぞれ対になるものがあると考えられたりもしています。素粒子の数が少なくとも2倍あることなります(さらに、それで全部分かったとならないとも)。なんだか、延々と続いてしまいそうな感じもします。
そうなんですか。詳しくはわかりませんが、超対称性と似ているような感じがします。ヒッグス粒子の発見に絡んで、素粒子の数が少なくとも2倍あるとする理論が存在することは、初めて知りました。> そのため、宇宙の始まりのときに四つの力が一つだったということすら、ある程度は分かるといった程度の予想でしかありません。
そうなんですね。超弦理論が、もうすぐに完成しそうな雰囲気がありますが、まだコントンとしているのですね。勿論、超弦理論は難解で、私には、まったく理解不能ですが、、> 先に申したように遠距離に働く力として、少なくとも斥力はありそうです。
宇宙論的に考えると、そのようですが、身近に、重力の斥力はないですね。
本当に、そんな力は存在するのでしょうか?
> 長距離力(重力、電磁気力)自体が、実は存在していないとする理論展開もあったりします。よく聞くのはホログラフィー説ですね。この空間は3次元ですが、空間2次元の世界の投影がこの世界であるとするものです。
このお話も、そんなに有名ではないですね。初めて知りました。(私が知らないだけ、なのでしょうが、、)
> ホログラフィー説は、そんな簡単な話ではないものの、重力を考える必要がないとしています。少なくとも物体間には働かなくていい。すると、今四苦八苦している量子力学と一般相対論の統合も不要になるかもしれません。重力が事実上ないですから。
重力がないと、人類の金字塔といわれている「一般相対論」もなくなるのですか?さびしいですね。
個人的には、ホログラフィー説は間違っていてほしいですね。
4つの力が存在して、1つの方程式で、それらを表現できる式が完成してほしいです。(私が、理解できるか否かは別にして、生きている内にです。)
No.2
- 回答日時:
>力は、4種類(重力、電磁力、弱い力、強い力)なのでしょうか?
そうです。今のところ、それ以外は発見されていません(宇宙を加速膨張させる斥力はあるはずですが、よく分かっていない)。
重力、電磁気力は遠い距離でも働きます。最初は遠隔作用の力だと考えられていました。重力なら、質量を持つ二つの物体の間に働く力です。電磁気力は、電気力が電荷を持つ二つの物体同士、磁気力が磁荷を持つ二つの物体同士に働く力で、電気と磁気が不可分であることが分かってきたため、一まとめにして電磁気力と呼ばれるようになりました。
しかし、詳しく調べるにつれ、それでは説明できないことがあると分かってきました。電磁気学では、電荷の運動エネルギーに不足が生じたりします。そこで、近接作用の考え方で電磁気学が書き直されました。
電荷の周囲には電磁気的な歪みが生じるとし、それを電磁場と呼んで、一つの電荷の周囲の場の理論にしました。これにより電磁気学は急速に発展し、例えば電磁波の存在が理論的に予測され、実際に発見されたりしています。
重力のほうが長らく手こずりました。1915年にアインシュタインが一般相対性理論を発表、それには重力を質量を持つ一つの物体の周りに生じる時空(時間と空間をミックスした考え方)の歪みだとする重力理論が含まれていました。それを使うと、それまでの遠隔作用での重力では説明できなかった誤差などがぴたりと合うなどしています。ブラックホールの発見も、それあってのことです。
弱い力と強い力は原子核内などの、非常にミクロな世界でのみ働く力です。重力や電磁気力と似ていない感じのもので、素粒子同士の間で素粒子を交換することによって生じます。そのため、交換力と呼ばれたりします。また、力という古典的なイメージ、ニュアンスを避けて「弱い相互作用」「強い相互作用」などとも呼ばれます。
ここまで分かって来て、重力や電磁気力も交換力と見ることができるのではないか、という考え方が出てきました。遠隔作用を近接作用と見たのが場ですが、その場をミクロに見る(量子化する)と、また何らかの遠隔作用になってきます。
そういう観点では、電磁気力は光を素粒子としてみた光子(フォトン)の交換により生じると見ることができることが分かってきました。ただし、その光子は観測不可能です。重力も、重力子(グラビトン)の交換とみることができるのではないかと予想されています。しかし、まだまだ分からないところだらけです。
>力の定義は、何でしょうか?
古典物理学的には、力の次元を持つこと(N(ニュートン)=kg・m/s^2等)、といったトートロジーな定義しかありません。ミクロの量子力学でも同様ではあるんですが、非常にイメージしにくいように思います。
古典物理学に戻れば、力があるだけではエネルギーは発生せず、それが物体をある距離だけ動かせば、仕事(エネルギーと単位が同じで、同じと考えてもOK)になる等の特徴を持つとはいえます。ミクロでも同じようであれば、力と呼ぶと考えて差し支えはないでしょう。
この回答への補足
こんにちは、
>そうです。今のところ、それ以外は発見されていません(宇宙を加速膨張させる斥力はあるはずですが、よく分かっていない)。
「強い力と弱い力」(大栗先生著)を読みました。
P74に、「ヒッグス粒子の発見は、3つの力と重力に続く「第5の力」の力が存在する証拠となったのです。」と記載あります。
統一理論は、重力で完成せず、「第5の力」も、含める必要があるのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
力は、ニュートン力学では物体の運動量を変化させる原因として定義されますが、特殊相対論によって質量の変化も考えることができるようになり、その結果粒子の種類が変化するような素過程を扱うことが出来るようになりました。
そして力の概念も、これらの変化の原因として定義されるように拡張されました。重力と電磁力は19世紀以前から良くしられており、ニュートンの力学で出て来る力の実体として考えられていました。20世紀になって原子核崩壊等、粒子の種類の変化を伴う反応が発見されるようになり、それらの反応の分類から弱い力と強い力の2種類が特定されるようになりました。目下のところ、あらゆる自然現象はこの4種類の力の作用として説明されており、標準理論と呼ばれています。この回答への補足
こんにちは、
「強い力と弱い力」(大栗先生著)を読みました。
P60には、力の定義として、「力とは、運動の状態や粒子の種類を変えてしまう働き」をいう記載があります。質問していながら、変ですが、これが究極の力の定義なのかもしれません。
さらに、P74の「ヒッグス粒子の発見は、3つの力と重力に続く「第5の力」の力が存在する証拠となったのです。」と記載あります。
統一理論は、重力で完成せず、「第5の力」も、含める必要があるのでしょうか?
>目下のところ、あらゆる自然現象はこの4種類の力の作用として説明されており、標準理論と呼ばれています。
たぶん、標準理論には、重力は含まれていないと思います。
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