No.4ベストアンサー
- 回答日時:
この「凡有」という字の組み合わせとしては万葉集の歌に現れています。
・凡有者 左毛右毛将為乎 恐跡 振痛袖乎 忍而有香聞 娘子(巻第六965)
(おほならば かもかもせむと かしこみと ふりたきそでを しのびてあるかも)
「有」は「なり」また「あり」と読み、ここでの「凡有(おほなり)」とは「(身分が)平凡である/並み並みの」の意味合いとされます。
(もちろんここでの「者(ば)」は助詞の漢語形です。)
近世の仏典解釈の漢文においては「凡有心文」など「凡(およ)そ心文有(あ)り」など、「おおよそ/すべて/おおむね~あり」などの構文に当てられています。
やがて、江戸後期以降の候文では「凡(ありと)有(あ)る」と連語として用いられ、更に明治期には「あらゆる」の当て字の一つともなって、他の幾多の表記と混在するようにもなったものでしょう。
出典:
「凡有(あら)ゆる物の混沌の、凡有ゆる物の矛盾の」(坂口安吾「FARCEに就て」)
「凡有 ( あらゆ ) る 蟠 ( わだか ) まりを発散して」(坂口安吾「蝉」)
「世の中に存在する所の総(あら)ゆる職業」(夏目漱石「文芸は男子一生の事業とするに足らざる乎」)
「縄で所有(あらゆる)樹を絆(つな)ぎ居る」(南方熊楠「十二支考」)
「人生の諸有(あらゆる)経緯の根底に於て」(石川啄木「渋民村より)
この回答へのお礼
お礼日時:2014/03/28 16:58
YOURS_EVERさん、untiku1942さん、kine-oreさん
お教えありがとうございます。大いに助かります。
日本語は難しいと改めて感じています。70年近くも日本人をやっていますが・・・(^^;)
No.3
- 回答日時:
YOURS_EVERさんのご回答No.1と2とも素晴らしい内容でして、私自身勉強になりました。
あえて蛇足を付け加えますと、漢和辞典「字通 白川静氏著 平凡社」には「ハンユウ」という訓で「凡有 万有」という内容で出ています。参考になさってください。No.2
- 回答日時:
No.1です。
補足ありがとうございます。
どこから説明すればいいのかわかりませんが、
とりあえず書いてみます。
多分、私の説明ではよくわからないと思います。
私は高学歴ではありませんので。
言い訳はそれくらいにしておきます。
「所有」と「所在」はどちらも「あらゆる」と読みます。
「凡ゆる」も「あらゆる」と読みます。
これらはすべて、古い書き方です。
現在こう書くと「当て字」「読めない」と批判されてしまうでしょう。
その「所有」と「凡ゆる」の二種類が記憶の中でまじってしまい、
「凡有」と書く人もいたと思います。
ご存じの通り、漢字は元々外国語です。
中国語を無理やり日本語に当てて使ったのが漢字です。
なので、漢字はすべて当て字だと思っていいと思います。
大昔にその当て字の使い方を統一して、
それを正しい漢字だと広めて教育しようとしましたが、
現在でも人名漢字があらたに更新され続けているように、
漢字使いの大衆への周知は上手くいっていないように思います。
文系なら、「竹取物語」や「源氏物語」が好きな人、
または理系なら、生物名のなりたちに通じている人、
そういう人たちならわかると思うのですが、
元々の文章が、日本語でも外国語でも、
崩し字の当て字や誤字だらけで書かれているため、
書き写す際に、読み間違いによる誤記がたくさんあります。
それが広まり、一般的に「正しい表記」として認知されることもあります。
昔の学校で、「所有」と書いてある文章を、
「あらゆる」と読み上げた講師がいたとして、
生徒が自分のノートに書き写す際に、
「所有」ではなく「あら有」の字しか思い出せず、
隣の生徒に「あらゆるのあらとはどんな漢字ですか?」と聞いたところ、
そちらの生徒が「凡ゆる」しか知らなかった場合、
「凡人の凡です」と説明すれば、
「凡有」と書いてしまうこともあると思います。
そのノートを書き写す生徒がまた別にいれば、
次からは「凡有」が正しい漢字として認識され、
それを使い続けることになると思います。
そうして、誤字を間違って覚えた方が、
将来物を書く仕事をした際に、
間違った「凡有」が使われ、
のちに、「これは何と書いてあるのだろう?」
と、読んだ人、つまりあなたが、
悩むことになるのだと思います。
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