A 回答 (7件)
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No.7
- 回答日時:
◆ pH指示薬についてのコメントその2
> なぜフェノールフタレインと断定できるのですか?
断定はしていません。回答No.5に「フェノールフタレインと似たような変色域を持つpH指示薬はいくつもありますので、それらの指示薬が書かれていたなら(b)と(c)が書かれていなくてもOKにします」とあるのをご確認ください。
> この設問に対してアルカリブルーをNGにできる理由を教えて下さい。
アルカリブルーの変色域がこの実験には不適当だからです。
このことは、中和が完了したときのpHと、さらに水酸化ナトリウムを滴下したときのpHを計算してみると分かります。中和が完了したときpH、すなわち当量点でのpHは、スルファミン酸のpKa≒1より、pH≒7と概算できます{註1}。それに対して、0.1N水酸化ナトリウムをさらに1%だけ過剰に滴下したときのpHは、[OH-]≒(0.1N×5.06mL×1%)÷(35mL)≒0.00014mol/LよりpH≒14.0+log[OH-]≒10.2と計算できます。
アルカリブルーの変色域から考えて、アルカリブルーがpH=7とpH=10.2を見分けるのに適当なpH指示薬ではないことは、明らかでしょう。
> 一般的な規格としてJISでは、フェノールフタレインですが、ASTM指定の指示薬では異なりますよ。
調べてみたところ、JISでもC2101電気絶縁油試験方法でアルカリブルーを指示薬に使うようです。ただし、スルファミン酸による標定には指示薬にBTBを使う{註2}、とも書いてあります。ASTMのどんな規格でアルカリブルーが使われていて、その標定の指示薬に何が使われているのかについては、ちょっとだけ興味があります。
> アルカリブルーはフェノールフタレインで充分な感度が得られない場合に使用しますが・・・。
この文中の感度は、酸解離定数の小さい弱酸(pKaの大きな弱酸)に対する感度のことですよね。スルファミン酸の酸解離定数は弱酸としてはかなり大きいので、フェノールフタレインで充分な感度が得られます。
> 私ならこのような答えがあれば、謙虚にとらえて調べてみます。
私自身、恥ずかしながらアルカリブルーというpH指示薬を、このQ&Aの回答No.4で初めて知りました。そこで謙虚にとらえて調べてみました。その結果、アルカリブルーという指示薬が不適当である、と判断せざるをえませんでした。
註1:スルファミン酸のpKaについて
問題文に「スルファミン酸(97.10)は1価の弱酸である」とありますが、じつはスルファミン酸の酸解離定数はかなり大きいです。どれくらい大きいかというと、硫酸の第二酸解離定数よりも大きいくらいです。0.1N硫酸と0.1N水酸化ナトリウムの中和滴定では当量点はpH=7になります。このことから、スルファミン酸と0.1N水酸化ナトリウムの当量点は、じつは弱アルカリ性ではなくて、中性になることが分かります。
註2:答えにBTBと書くとどう採点されるのか?について
一般には、当量点のpHが指示薬の変色域に含まれるようなpH指示薬を選ぶのが望ましい、とされています。この観点からは、フェノールフタレインよりもBTBの方が、今回の滴定では望ましい指示薬です。で、問題となるのは「問題文にスルファミン酸のpKaが与えられていない状況で、答えにBTBと書くとどう採点されるのか」ということになりますが、これは少し難しい問題です。結局のところ出題者(採点者)に依るとしかいいようがないんじゃないかなと思います。
「スルファミン酸のpKaは文献xxxによるとyyyである。(中略)よって当量点はpH=7なのでBTBが適当」と答えてあれば、文句なしでOKでしょう。難しいのは明確な理由なしにBTBと答えているときです。
採点者A:「弱酸と強塩基の中和滴定では当量点は弱アルカリ性になる」という基本知識が身についていない。よってNG。
採点者B: 実際にBTBは指示薬として使われているし、そもそも当量点が弱アルカリ性ではない。よってOK。
どちらにも一理あると思うので、難しいです。こういった点でも、詰めの甘い問題です。
◆「有効数字は常に考慮」についてのコメントその2
> 上記の私のコメントは、簡単な例を挙げて分かりやすく説明しているだけですよ。
そうなのですか。1.00953はデタラメに選んだ数字だった、ということなのですね。私は、間違った数値が書いてあると思ったので、回答No.5で適当と思われる数値を示しました。失礼しました。
> それに普通に試薬屋で0.1Nの水溶液買えば、これぐらいの数字が載っていますよ。
失礼ながら、何かの間違いではないかと思われます。和光純薬、関東化学、純正化学、ナカライテスクの容量分析用溶液を買ったことがありますけど、各社ともファクターの有効数字は小数点以下第3位まででした。
> あなたは試薬屋の指示薬変えませんね(笑)
少し誤解があるようです。大事なことは、市販されている溶液のファクターが何桁書かれているか、ではありません。質問文に書かれている実験操作と実験結果から小数点以下第5位までファクターを出すことは間違っている、ということです。
質問文に書かれている問題文を書き換えて
モル質量97.10g/molの1価の弱酸がある。これを200ml三角フラスコに50.0mg測りとり100ml容メスシリンダーで30mlの水を加え溶解した。この溶液を濃度不明の水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定を行ったところ5.06mlを要した。水酸化ナトリウム水溶液の濃度を求めよ。
とすれば、高校生にも解ける問題になると思います。
(もし不適切なところがあればご指摘ください>#2さん)
この問題は、実際に解こうとすると割り算が大変なので、電卓を使って解くことになります。計算の結果、電卓に0.1017654と表示されたとします。ここで、「有効数字は常に考慮」しなければならないのであれば、いくら高校生でも、「答えは0.101765mol/L」とはしないでしょう。高校生なら
高校生A:50.0mgと5.06mLが有効数字3桁なので0.102mol/L
高校生B:0.102mol/Lだとちょっと少ない気がするので0.1018mol/L
高校生C:水30mLに引っ掛かって0.10mol/L
くらいの解答になるんじゃないかと思います。
つまり、質問文に書かれている実験操作と実験結果から小数点以下第5位までファクターを出すことは間違っている、ということは、ファクターの定義さえ知っていれば高校生にだって分かることでしょう?ということです。
No.6
- 回答日時:
上の方の答えに対してちょっと反論させて頂きます。
質問者は読み流してくださいネ。1) 弱酸と強塩基の中和滴定では、当量点は弱アルカリ性である。よって変色域が弱アルカリ性であるフェノールフタレインが指示薬として適当である。
> その他にアルカリブルーなんかでもOKだと思います。
もし私が提出された課題を採点する立場であるならば、相応の理由がないかぎりNGにします。相応の理由とは
(a) 変色域が適当でないのにあえて使う理由、
(b) 終点の判別がフェノールフタレインより分かりにくいのにあえて使う理由、
(c) フェノールフタレインより入手しにくい指示薬なのにあえて使う理由、
の三つで、つまりフェノールフタレインが使えない理由がなければ、私ならNGにします。もっとも、フェノールフタレインと似たような変色域を持つpH指示薬はいくつもありますので、それらの指示薬が書かれていたなら(b)と(c)が書かれていなくてもOKにします。
⇒なぜフェノールフタレインと断定できるのですか?この大学の講義を受けられたのですか?この質問文だけでなぜフェノールフタレインしかNGなのでしょうか?一般的な規格としてJISでは、フェノールフタレインですが、ASTM指定の指示薬では異なりますよ。それにアルカリブルーはフェノールフタレインで充分な感度が得られない場合に使用しますが・・・。この設問に対してアルカリブルーをNGにできる理由を教えて下さい。設問者よりも知識のある学生さんの答えをNGにする理由がわかりません(笑)。私ならこのような答えがあれば、謙虚にとらえて調べてみます。高校生への課題ではないんですよ。
> 実際には、0.100953Nとか。それを補正するための係数がファクターですよ。この場合なら、1.00953です。
質問文にある実験操作と実験結果から得られるファクターの有効数字は、小数点以下第3位ないし2位まで。この実験から小数点以下第5位までファクターを出す会社の製品は、私なら買いません。
⇒上記の私のコメントは、簡単な例を挙げて分かりやすく説明しているだけですよ。
それに普通に試薬屋で0.1Nの水溶液買えば、これぐらいの数字が載っていますよ。それを自分で有効な数値分だけ使えばいいだけの話しです。あなたは試薬屋の指示薬変えませんね(笑)
No.5
- 回答日時:
1) 弱酸と強塩基の中和滴定では、当量点は弱アルカリ性である。
よって変色域が弱アルカリ性であるフェノールフタレインが指示薬として適当である。2) 回答No.1に従って計算する。
スルファミン酸の物質量は 50.0mg/(97.10mg/mmol) だから水酸化ナトリウム水溶液の濃度は
(50.0mg/(97.10mg/mmol))/5.06mL = 0.1018mmol/mL = 0.1018mol/L
すなわち 0.1018N となり、ファクターは F=0.1018N/0.1N=1.018 となる。
◆「有効数字は常に考慮」についてのコメント
誤差について真面目に考えると、ファクターの有効数字は小数点以下第3位まで。ただし、もし、50.0mgも5.06mLも有効数字三桁なのだからファクターも有効数字三桁に丸めるべき、と授業で習ったのであれば、F=1.02としてお茶を濁せば良い。ふつうは、NaOH水溶液の滴下量が少なくとも10mL前後になるようにスルファミン酸を量りとる。「有効数字は常に考慮」というわりには、詰めの甘い問題。
> 実際には、0.100953Nとか。それを補正するための係数がファクターですよ。この場合なら、1.00953です。
質問文にある実験操作と実験結果から得られるファクターの有効数字は、小数点以下第3位ないし2位まで。この実験から小数点以下第5位までファクターを出す会社の製品は、私なら買いません。
> そうであれば0.1Nと書いた時点で有効数字は1桁になってしまいます。
0.1N水酸化ナトリウム溶液の「0.1」は、1Lメスフラスコの「1」や、10mLホールピペットの「10」と同じようなものと考えて下さい。これらは溶液や容器の単なる名前で、有効数字には縛られない表記です。溶液濃度の精度や確度はファクターで別途に表示します。測容器の精度や確度が、それらの名前に縛られていないのと同じ理屈です。
◆ pH指示薬についてのコメント
#1さんが仰るとおり、本来、高校レベルの問題です。これが分からないのであれば、高校化学の参考書を入手して、真剣に勉強した方が良いです。
> その他にアルカリブルーなんかでもOKだと思います。
もし私が提出された課題を採点する立場であるならば、相応の理由がないかぎりNGにします。相応の理由とは
(a) 変色域が適当でないのにあえて使う理由、
(b) 終点の判別がフェノールフタレインより分かりにくいのにあえて使う理由、
(c) フェノールフタレインより入手しにくい指示薬なのにあえて使う理由、
の三つで、つまりフェノールフタレインが使えない理由がなければ、私ならNGにします。もっとも、フェノールフタレインと似たような変色域を持つpH指示薬はいくつもありますので、それらの指示薬が書かれていたなら(b)と(c)が書かれていなくてもOKにします。
No.4
- 回答日時:
いやいや・・・ただの中和滴定の質問で、有効数字まで論議とは・・・。
それに大学で習うとか高校で習うとか・・・。そんなたいそうな話ではないような気がしますが・・・。
要するに0.1Nと言いているけど、本当に精度の高い分析を行う場合には、0.1Nではアバウトすぎますよね。
実際には、0.100953Nとか。それを補正するための係数がファクターですよ。この場合なら、1.00953です。
ファクターが必要ないなんて・・・恐ろしすぎて口にできません。そんないい加減なデータを出す会社の製品なんかだれも買いません。
それよりも、指示薬の方はいいのですか?この場合の指示薬は、pHの差によって発色する物質を使う必要がありますね。
しかし、物質によって発色するpHが異なります。今回の場合は、弱酸を強塩基で滴定していますね。つまり三角フラスコ内の液は初めは酸性領域。しかも弱酸なのでそれほどpHは低くありません。そこに強塩基の液を滴下していく訳ですから、中和されるまでは酸性だけれども、じわじわpHが上がっていきます。つまりpH変化は少ないわけです。しかし、中和が完了し、さらに水酸化ナトリウムを滴下すると水酸化ナトリウムは強アルカリであることから、急激にpHが上昇します。つまり感度がいいわけですね。
ということでpHがアルカリ領域で色の変化が激しい指示薬がいいと思いますよ。一般的にはフェノールフタレインが有名ですね。その他にアルカリブルーなんかでもOKだと思います。でも、課題でアルカリブルーなんて書くと、先生もびっくりするかもしれませんね。
最近の新入社員を見ていると、本当に化学計算できない人がたくさんいるな~と痛感します。超一流大学出身でもですよ。化学計算なんかそんな難しいものではないので、この機会に基礎ぐらいは勉強されては如何でしょうか?
No.3
- 回答日時:
htms先生のご指摘はごもっともな部分はありますが,Nやらファクターやらでてくるので,これは薬学などの現場的化学の問題であろうと思われます.
ファクターが示される場合,0.1 N 等の値には有効数字の意味はなくなり,ファクターが有効数字を示すことになる,というのが,まあ,旧来の解釈です.
したがって,この場合はNo.1のように考えればいいわけです.
いまの高校では N も F もやらないはずですが,社会では残念ながらこれらは現役なので,そこをつなごうとして大学ではなかなか N や F をなくせないということは想像できます.まあ,昔からの習慣を引きずっているだけの先生なのかもしれませんが.
No.2
- 回答日時:
>有効数字は常に考慮する
となっています。
そうであれば0.1Nと書いた時点で有効数字は1桁になってしまいます。
(本当は0.1の有効数字は0桁です。0.1よりも精度の低い数字はありません。数字を組み合わせて計算して得られた数値は元の材料となった数値の精度よりも低くなります。0.10としてもらわないと1ケタの精度は期待できないのです。)
No.1
- 回答日時:
「大学の課題ですがどうしてもわかりません。
」とおっしゃいますが、本来、高校レベルの問題です。そういった問題を解かなければならない立場の人であれば、「どうしてもわかりません」では困ります。で、いったい何がわからないのでしょうか。高校ででない言葉と言えば、ファクターでしょうが、それは要するに、実際の濃度が、0.1Nの何倍であるかという話です。
0.1Nというのも好ましくない単位です。これは、要するに0.1 Mというのと同じことです。詳細は「規定度」について勉強して下さい。
もしも、そういったことがわかっていて計算がわからないというのであれば、真剣に高校の復習をした方が良いです。
要するに、スルファミン酸の物質量をその式量と質量(50.0mg)から計算し、それが5.06mの水酸化ナトリウム水溶液に含まれているNaOHの物質量と一致することに基づいて、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を決定し、それを 0.1で割れば計算できます。
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