No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんばんは。
「中学」の教師ではなく、すみません。中学生に説明するとしたら、こんな感じかな?と試みてみます・・・
白河上皇は「院政」を始めた人物ですね。これは、それまでの摂関政治に反発する勢力に支持されていきます。「藤原一族だけがたっくさん荘園を集めて栄えるのは面白くない!!」という勢力・・・中・下級貴族、そして「国の土地(国衙領)」を支配する国司たちです。
彼らは上皇に媚びを売り、自分の一族を有利な職に就けてもらったり、豊かな国の国司に任じてもらったりしました。上皇のもとには荘園の寄進が集中します。
さらに、「国の土地」であるはずの土地も、まるで国司を領主とした荘園(私有地)のような扱いになっていき、こちらも院政を支える経済基盤となります。(これを「知行国制」というのですが、かなり説明がメンドクサイ代物です・・・中学で習うのかなあ??)
「荘園」という私有地の存在を否定してきたはずの天皇家みずから、この有様。もう歯止めは利きません。白河上皇の時代には、院に対してだけでなく有力者や寺社への荘園寄進が増加し、不輸不入の権獲得といった独立性も強化されていくのです。
こうして、この時代には荘園が増えていくということです。
ちなみに。このころから、寺社は自分の荘園を守るためにかなり乱暴になっていきます。それに対抗するため、貴族は「武士」という存在に頼るようになっていくわけで・・・。 院政期が「貴族の時代から武士の時代への橋渡し」と言われる理由には、荘園に絡んだこんな一面もあるわけですね。
う~ん、お子さんに説明しやすいでしょうか??
少しでも助けになれたらうれしいんですが(^_^)v
No.1
- 回答日時:
「荘園」(永原慶二著、吉川弘文館、日本歴史叢書)より引用します。
(前略)十二世紀、とくに鳥羽院政の時代に進むと状況は一変する。荘園を爆発的に生みだす大もとの条件として、各地に開発領主とよばれる地方豪族が成長し、かれらは開発所領を中央貴族に寄進するばかりではなく、それと結んで周辺の公領までを荘園にとりこんでしまう動きをおし進めてゆく。荘園が全国的に増えていくのはこの時期であり、それと併行して荘園にはならなかった公領の性質も変化して実質的には荘園に似たものとなっていく。この段階では摂関家も天皇家も律令の国制に定められたところから大きく性格を変え、「家」「家領」の私的経営・領有者としての性格を強めてそれぞれに大荘園領主となっていく。中央政治を動かす国家の権力もそうした支配層の「家」の連合体として、荘園を制度として認め、荘園制が政治・社会・経済制度の骨格として成立する。(後略)
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