この人頭いいなと思ったエピソード

小学生のような質問をさせて下さい。
宇宙の話で「遠くを見ることは過去を見ること」とよく言いますが、

例えば、今地球から見えるアンドロメダ銀河はおよそ250万年前の姿というのは理解出来るのですが、宇宙誕生の頃の距離とされる130億光年以上彼方の光というのについて、そもそも宇宙というのはミクロの一点から膨張して始まって現在の大きさになっているのだから、138億年前は目と鼻の先だったんじゃないでしょうか? だとしたら、なぜ目と鼻の先の光が130億年以上もかけて届くのでしょうか?

天体の位置が過去も未来も固定していれば解りやすいのですが、膨張を考えると頭が飽和してしまって良く分かりません。多分何かとても単純なことを勘違いしているだけだと思います。どなたか猿でも分かるように説明していただけないでしょうか?
お願いします。

A 回答 (7件)

 宇宙が一点から膨張した、という話はよく耳にすると思います。

見えている範囲の宇宙(観測可能な宇宙)は、確かにそうです。

 観測可能な宇宙が半径130億光年くらいであり、観測に成功した最も遠い天体は120億光年離れている、といったこともよく聞きますね。その最も遠い天体の光は120億年前のものであるわけですが、その光が発せられたのは大昔ですから宇宙の膨張がまだ少なく、その天体がおよそ2000万光年離れた位置だった頃のものです。

 2000万光年だった距離をを120億年かけて地球に届いたということですね。じゃあ光は昔は遅かったのかといえば、そんなことはありません。そのことを3次元で考えると多少難しいかもしれませんので、1次元で考えてみます。

 膨張する宇宙をゴムひもと同じようなものだと考えてみます。ゴムひもに1センチごとに目盛を付けておくとします。ゴムひもの目盛が0のところを基準に考えることにして、20センチの位置にアリがいて、0の目盛のところに毎秒1センチの速さで進み始めたとします。普通なら20秒後に0のところに到着します。

 アリが進み始めた途端に、ゴムひもをぐぐーと伸ばし始め、ずっと伸ばし続けるとします(ゴムひもは切れないとします)。1秒ごとに1.5倍にするとしましょう。すると、アリが進み始めて1秒後、アリは1センチ進みはしているのですが、ゴムひもは1センチだったものが1.5センチになっています。

 すると、1秒後にアリが進んだのは1.5-1=0.5センチでしかありません。しかも、目盛0のところからすれば、最初は20センチ離れていたゴムひもの位置は、20×1.5=30センチまで遠ざかっています。

 アリは1秒後目盛上で19.5センチの位置にいて、ゴムひもは1.5倍に伸びているのですから、19.5×2=39センチ離れた位置にアリはいることになります。アリは目盛0のほうへ進んでいながら、ゴムひもが伸びるために離れてしまったわけで、次の1秒後にはさらに離れてしまいます。アリはいつまで進んでも目盛0の位置には到達できません。

 目盛が20センチの位置は1秒後には1.5倍の30センチ離れた位置になります。メモリが10センチなら15センチ、2センチなら3センチですね。どれも、1秒後には1センチ以上離れてしまうのですから、そこからアリが目盛0の位置に向っても、アリは決して目盛0の位置にたどり着けません。

 目盛が1センチの位置ならどうでしょうか。1秒後には1.5センチになっています。アリは1秒で1センチ進むのですから、目盛0の位置から見て、1.5-1=0.5センチの位置にいます。次の1秒で0.5センチは1.5倍の0.75センチ。アリは1秒で1センチ進むのですから、次の1秒の途中でアリは目盛0のところに到達します。1秒よりは長くかかってたどり着くわけです。

 ゴムひもが宇宙、アリが光だと考えると、以上のようなことが宇宙でも起こっていて、光が発せられたのは2000万光年離れた位置だったけど、宇宙が膨張しているために120億年かかってしまうようなことが起こってしまうのです。

P.S.

 このことを説明すると、ときどき「でも相対論では光速度不変となっている、つまり誰からみても光速度は同じはず。光源が離れて行っても、2000万光年離れた位置で発光したんなら、2000万年で届くはずでは?」と、さらに聞かれます。一応、そのことも補足してみます。

 相対論でいう光速度不変は宇宙、つまり空間が膨張していないときの話です。光が進む経路が「静的な空間」ということです。地球の近くだと宇宙の膨張は非常にゆっくりなので(上のゴムひもの例でも近いところはそれほど離れていかないのと同じ)、空間の膨張は無視できる程度になっており、光速度不変を観測できます。

 でも、充分に離れた位置では空間の膨張の効果が顕わになります。相対論の「静的な空間」という仮定が成り立ちません。そうなると、空間の膨張を加味して考える必要が出て来ます。相対論では、光速度不変について、空間が動くのであれば、それを足して光速度を考える、ということになっています。

 空間が動く、とは宇宙の膨張もそうですし、回転するブラックホールが空間を引きずって回っているのもそうです。空間が動く速さは、相対論がいう「光を含むどんな物体も光速度以上に速くなることはできない」とは無関係です。空間は超光速になれます。

 先のゴムひもの例え話では、アリが決して目盛0の位置にたどり着けない場合がありました。最初の目盛の位置で2センチだった場合などですね。それを宇宙に当てはめると、「観測可能な宇宙」の外、ということになります。宇宙はあるんだけど、光が届かないので見えないのです。

 ゴムひもの例え話では、最初に2センチだったらアリは目盛0の位置にたどり着けないけど、1センチだったらたどり着けるのでした。すると、1センチから2センチの間のどこかは、アリが進んでいるのに、アリが近づきも遠ざかりもしない位置があるはずです。ゴムひもの伸びる速さとアリの速さが一致する位置があるということですね。

 それをこの宇宙に当てはめると、宇宙の膨張がちょうど光速度になる距離があります。そこが「観測可能な宇宙」の境界で、そこより内側の宇宙は観測でき、そこより外側の宇宙は観測できません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
私の疑問に的確にお答えいただいて凄いです。とってもわかりやすかったです。
つまり、動く歩道で一生懸命反対に歩こうとしても、なかなか進めない感じってことですかね。
そして、距離が遠い程その動く歩道のスピードも速くなると言うことでしょうか。

アリさんの思考実験は、元々20センチという距離を置いたところから始めているので分かり安いのですが、実際、宇宙誕生の時は「全て」は同地点にあったのではないでしょうか?
つまりもう到着している状態から始まっていて、後は膨張と光速度との釣り合いで、どんどん引き離されいずれ逆転したところで事象の地平面にたどりつくってことですかね。
ん?つまり、百三十数億年前に直ぐそばにいて一回見たはずの光景を、また百三十数億年後に見ているってことですか?その間もずっと同じものを見ているのでしょうか? やっぱりこんがらがってきました。。
質問をしておいてなんでんですが、私には理解不能のことを聞いてしまったような気が。。。。

前よりも格段に整理された気はします。
とにかくありがとうございました。

お礼日時:2014/10/05 09:49

光速に近い速度で膨張するという事は、ほぼ時間停止するという事です。


当時も光が届いたでしょうが、今でも届いているのです。
ずっと「届く」ために、ビッグバンの高エネルギー輻射が、絶対温度
3度という低温に間延びして。
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この回答へのお礼

そうなりますよね、時間が停止する。見た目上は?

実際にはいろいろな問題で無理なのかもしれませんが、
だとしたら、そこには自分の姿も見えるかもしれませんね。

ありがとうございました。

お礼日時:2014/10/06 19:44

 #3です。



>宇宙誕生の時は「全て」は同地点にあったのではないでしょうか? つまりもう到着している状態から始まっていて…

 その通りです。先の回答は書いているうちに長くなったので、その点は割愛しました。

 大きさのない一点から宇宙が始まりましたので、全て接触していたのです。しかし、宇宙誕生のときは、エネルギーの塊であって、星などはまだできていません。素粒子や光が密に飛び交い過ぎて、一寸先も見通すことはできませんでした。

 誕生からかなり時間が経ってから、ようやく光や素粒子に隙間ができるようになり、重力や電磁気力などの力も生じ、主に重力の影響で物質が偏って存在するようになりました。そうなって、ようやく宇宙が遠くまで見通せるようになりました。これを「宇宙の晴れあがり」と呼んだりします。

 その頃から、ようやく星が出来始めたわけです。それまでは物質やエネルギーが密すぎて星ができなかったのです。宇宙が誕生してから相当に時間が経っていますから、もう一点といったことではなく、物質(星々と呼んでも可)の間には充分に距離があるわけです。そして、膨張もしています。

 そのため、先に回答したような状況が生じたわけです。しかし、それ以前の光(電磁波)も、ビッグバン説の検証には大事です。宇宙誕生時の光も観測されていて、宇宙背景放射と呼ばれています。絶対温度で3度くらいですね。どちらの方向を観測しても、星からの光などを差し引けば、3Kの温度が観測されています。ビッグバン説を元にした理論計算と、実際の観測が一致しており、ビッグバン説が正しいとする有力な証拠になっています。

P.S.

 宇宙の形状ですが、先の回答のゴムひもで喩えると、輪ゴムだと考えられていました。ずっと宇宙の中の基準で真っ直ぐ進むと、元の位置に帰ってきます。これを、閉じた宇宙と呼んでいます。

 一点から輪ゴムができたのですから、輪ゴムのどこが宇宙の中心だったということはありません。宇宙は有限のサイズですが、果てはありません(元の位置に帰ってくるだけで、いつまでも果てに遭遇せず進めてしまう)。

 今はこの宇宙は「開いた宇宙」らしいとされています。開いた宇宙は歪みのない場合と、歪んでいる場合がありますが、平坦らしいです。それを。ゴムひもで喩えると、最初から無限の長さを持った、真っ直ぐなゴムひもです(放物線などの曲線状になっていない)。

 いずれの場合でも、どこでも同じように膨張するとすれば、自分からみて遠いものほど速く遠ざかることになります。距離に比例した速さで遠ざかるわけです。遠方の天体の観測では、確かにそのようになっています。偶然に地球が宇宙の中心だったと考えるより、地球が特別な位置でなくても成り立つ考え方なので、膨張宇宙説で採用されている考え方になります。
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この回答へのお礼

何度もありがとうございます!
ホント、毎回、こうかな~?と思っている疑問をピンポイントで説明して頂いて、ホントためになります。
なんかいろいろ考えてると、どんどん新しい疑問が出てきます。
もしビッグバンの時にこことあそこが同一の位置にいたのなら、今は138億光年彼方まで遠ざかってしまったあそこを望遠鏡で見たら、そこには自分が見えたりして。。。など。。
結局、今の私達の時空の概念だと、永久に解けないことの様な気がします。

ただ、3番さんの説明で、ちょっとは賢くなれた気がします。
ありがとうございました!

お礼日時:2014/10/06 19:32

猿や小学生には、とても理解出来ません。

説明出来ません。
宇宙誕生の頃の実態については、何一つ分かっていない状態と言っても過言ではありません。
いわゆるビッグバンは、何もなかった所から突然超高密度の水素とヘリウムが発生したとする学説が、目下有力です。
超高圧下では超高温状態にあり、誕生時の宇宙はプラズマ状態にあったとされています。
プラズマ状態とは、ガスを構成する原子の陽イオンと電子が完全に分離して居て、盛んに自由運動している状態です。
この様な状態では、光を発生していても、それが伝わらない状況と云われます。
つまり私達は、ビッグバンがある程度落ち着いて、インフレーションと呼ばれる急速膨張開始以前の宇宙を覗き見ることが出来ないのです。
約138億年以前の宇宙は、プラズマの壁に阻まれて、私達に光を届けることが出来ないのです。
インフレーション以降の光は、長い年月を要してでも、私達の所まで届きます。
私達が遠くの宇宙を各種の望遠鏡で探ろうとしているのは、手で撫でながら気球の中を知ろうとしているのに似ています。
遠方を眺めているようで、原始宇宙という宇宙の中心部を手探りで探ろうとしているのです。
宇宙背景放射が、宇宙探索の壁になっています。それは、ゴルフボールの中身を探ろうとして、弄んでいるようなものです。
宇宙の等方性とは、そのような状態だと云うことです。
大宇宙の外を探ろうとしながら、実はゴルフボールよりも小さい小宇宙を撫で回し、こね回しているだけなのです。
プラズマについては、wikiで「プラズマ」と検索して下さい。
あなたが猿でないことを祈ります。
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この回答へのお礼

猿なみですみません。。。サイエンスゼロは毎週欠かさず見ている^^ので、プラズマや背景放射などは一応は知ってます。

でも、冒頭の言葉、全くもってごもっともなご意見です。
今説明されている宇宙像は現時点で辻褄の合う理論に基づいた有力仮説というだけで、
この先も多分相当の長い時間、証明などされないのでしょうね。

なんか、宇宙の外側はどうなっているのかなど、宇宙の全てを理解することは、目で音を聞くのが不可能なのと同様に、人間の能力では到底理解出来ないようになっているのでは、と思うこの頃です。

ありがとうございました。

お礼日時:2014/10/06 13:21

宇宙の始まりとされるビッグバン。



私も素人で、爆発現象は
球体のような形で広がってると思ったのですが
楽器のラッパ状に一点から一方向に
広がっている図しか見たことがありません。

一方向に、広がっている場合でも、今現在、
私たちが爆発点から遠ざかっている状態なのでは。

私たちが同じ場所に留まっている状態ならば
その爆発点から同じ距離は、変わらないと思う。
観測技術が発達して、観測データを元に、
爆発点付近とされるモノの光を、
観測できている状況では、ないでしょうか。
ただ、その爆発点そのものの光を観測できるかどうかは、
素人には、わかりません。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
膨張の方向が一方向であっても、原点はミクロの一点だという事であれば、今遠くに有る物質も全ては、元々手の届く位置にあったのでは?だとしたら、その時の光はその時にもう届いてしまったのでは?というのが疑問だったんです。

お礼日時:2014/10/05 09:46

これは今の宇宙のどこでビックバンが起こったかって考えるからですね。



ですから135億年前の銀河が360度の宇宙全体に見える訳がないって思ってしまうんですね。
どこかでビッグバンが起こったら、どっかの方向でしか古い銀河が見えないはずって。

空間の概念ですね。

ビッグバン直前の宇宙はリンゴの大きさだそうですが、リンゴサイズそのものが宇宙で、リンゴサイズ以外には宇宙は存在しなかったという事らしいですね。

今の宇宙空間と、最初のリンゴサイズと同じ空間ですね。
もし神様がいて、他から宇宙をみたら大きさも同じじゃないかな?


ちなみに80億年後、太陽は燃え尽きて地球の大きさのダイヤモンドになるそうです。
太陽サイズの恒星は、炭素以上の重い物質を核融合で作れないからで、高圧高温下ではダイヤモンドが出来るという事から考えられたそうですけど。

楽しみですね。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
ちょっと、私の質問が伝わりずらかったのでしょうか。疑問は解消されませんでした。。
せっかくお時間を割いて頂いたのにすみません。。

お礼日時:2014/10/05 09:49

天文の素人ですが、考え方の参考にお話させてください。



宇宙が膨張するスピード(光の速さ?)と、
我々の地球がその宇宙空間のなかで移動している速さは同じではありませんよね。

打ち上げ花火で考えてみてください。
爆発して花火が広がる様子を宇宙の縮図だとして、
火花のそれぞれが銀河とか星とかです。

花火は小さな玉ですが、爆発後、
球体の中心部で光る火花もあれば、外側の方に勢いよく広がっていく火花もあります。
地球もその火花と同じで、その中心部~外側の中の空間のどこかにあります。

ここで問題ですが、花火が爆発した瞬間の時の光は何処に見えますか?
花火の中心ではなくて、既に花火の外側の彼方の方へいってます。
その光を観測できる距離が130億光年以上先と言われているのだと思います。

つまり、ビッグバンが起こった場所を物理的に直接観測するわけではなく、
人間が天文学で見ているものは、あくまで光なのです。

極論をいえば、鏡に映った自分だって同じことですよね。
鏡は過去の自分を観測しているわけであって、
実際にその鏡を見てる自分とは位置などに誤差があるのです。


私が言いたい事が伝わったかわかりませんが、
ご参考にして頂ければと思います。。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
う~ん、ちょっと分からないです。。。
せっかくお時間を割いて頂いたのにすみません。。

お礼日時:2014/10/05 09:50

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