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光ファイバラマン増幅器の原理として誘導ラマン散乱が用いられますが、増幅される仕組みがよくわかりません。できるだけ詳しく教えて下さい。また、もし参考URLがあれば紹介して頂けるとすごく助かります。よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

ご質問者がどの程度知識がおありなのかわかりませんが、まずは基本的な概念についてわかりやすく解説しましょうか。


まずはラマン散乱を考える前に、より基本的な散乱という現象を考えて見ましょうか。

物質に光が当たると光は散乱します。物が見えるのは太陽なり蛍光灯なりの光が物質に当たり、人間の目で観測できるのも散乱するからですね。
ではこの散乱という現象をミクロに見ると何がおきているのでしょう。

まず光というのは電磁波であり、電場が高速に振動しています。
これが原子に当たりますと原子はゆすぶられて振動します。このとき光のエネルギーは原子に移るわけです。
一方振動している原子(正確には電子が主役を担っています)は光を放出します。
このときに必ずしもやってきた光の進行方向に光を放出するのではなく、好きな方向に放出します。
これが散乱という現象の正体です。

次にラマン散乱(まだ「誘導」の文字がない)について考えましょう。
原子というのは光が当たっていなくても振動しています。この振動は熱振動といいます。
この原子に光が当たり更に光の周波数で振動すると、光は変調されます。
これは、ラジオである周波数の電波(搬送波といいます)を音声で変調してラジオの信号を作るのと同じです。波の合成ですね。
そうすると、そうやって散乱されて出てきた光の波長はもとの波長から少しずれます。
これがラマン散乱です。
ラマン散乱は何時でも発生するのではなく、色んな条件が必要なので、散乱した光のごく一部のみの波長がずれるという形になります。

さて、少し話を変えて誘導放出という現象について考えて見ましょう。
これは原子がエネルギーをもらい、光を放出するときに、他からの光が入ってくると、それに刺激されてその波長と方向に光を放出する現象です。これを利用してレーザーというものが考え出されました。

さて、次にいよいよ誘導ラマン散乱です。
これには、熱振動している原子に光が当たり、まだ光を放出していない状態の原子を考えますと、この原子は早く光を出してまたもとの状態に戻りたいところです。(水が高いところから低いところに流れるようにエネルギーの低い状態になろうとするのが自然の法則です)
ここに、ラマン散乱光と同一の光が入ってくると、原子はそれに刺激されて誘導放出が起こります。

これが誘導ラマン散乱です。

簡単にはこういう理屈です。
あとは専門書などを上記理屈を頭に入れながら読み進めてください。
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この回答へのお礼

お礼が遅れてしまい、本当にすみませんでした。
とても詳しい説明で、原子に光が照射されて散乱するまでの過程がイメージしやすくなりました。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/07/16 11:11

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