
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
光も電磁波の一種ですが、電磁波はその名の通り、電界と磁界の波であり、常に向きが入れ替わっています。
従って、一定の向きの電界や磁界では向きを変えることはできません。
#まあ、重力場に影響のあるほどの電磁界がかかった場合は(そんな場合があるかも含めて)知りませんが。
光の向きを変えるためには、その光と位相が極めて似通った電磁波と干渉させる必要があります。
通常のレーザではそれほどの空間コヒーレンシーが高くないので、
通常は光を分岐し、光路長をずらした導波路を通すなどして、位相を少しずらして干渉させます。
この回答への補足
>一定の向きの電界や磁界では向きを変えることはできません
ああ、そこですね、私が勘違いしていたのは!
言われてみれば至極当然ですね。
そうなってくると、一定でない電界・磁界なら曲げられるのかが気になります。
といっても、光速に匹敵し得るほどの速度で変化していないとダメでしょうね。
すると、やはり同じ光で、かつ高強度を生み出せるレーザーが思い浮かびます。
>通常のレーザではそれほどの空間コヒーレンシーが高くない
最近のフェムト秒パルスレーザーなどはどうでしょう?
空間的にも位相的にも高いコヒーレンシーを持つと聞いています。
ハーフミラーなどで分岐させたパルスを再び干渉させると、その場所において
お互いの影響を受け合うと思います。
しかし干渉できる点を過ぎると、再びもとの向き・速さの2つのパルスに
戻ってしまうかと思います。
この場合、「光を曲げる」には至っていないはずです。
その辺りについて、お時間あるときで構いませんので
ふたたびご教授願えればと思います。
宜しくお願い致します。
No.5
- 回答日時:
No.3&4です。
最近忙しくて遅くなりすみません。私も少し勘違いがありましたので修正しておきます。
先ず言葉の問題ですが、「コヒーレンシー」ではなくて「コヒーレンス」ですね。
コヒーレンスには2種類あり、「空間コヒーレンス」は1つの波面のどこをとっても位相が一致していること、「時間コヒーレンス」はどの時間でも位相が一致していることなので、レーザビーム同士の干渉は「時間コヒーレンス」が問題です。
電波では当たり前の技術であるヘテロダイン(コヒーレント)検波が光でできないのは、半導体レーザのスペクトル線幅が広い、つまり時間コヒーレンスがあまりよくないからだと聞いています。
(最近はできるようになりつつあるらしい。)
フェムト秒レーザについては詳しくありませんが、(フーリエ変換を知っていればすぐ分かるように、)パルス幅が短くなるほどスペクトルが広くなるので、一般にはコヒーレンスは悪くなる方向だと思います。
但し、広いスペクトル全体にわたって位相が一致するよううまく調整された"白色レーザ"では、おっしゃるように空間的にも位相的にも高いコヒーレンスを持つようですが。
さて、光の伝わり方は、波面の各点を点光源とした新たな波面の合成で表されます。
レーザビームが一直線に伝わるのは、レンズにより平行光線とした平面に近い波面上の各点から位相の揃った波を出し、合成した波は直進方向が最も強くなるからです。
従って、自由空間で2つのレーザビームを交差させたくらいでは、おっしゃるように曲がりそうにありませんね。
No.4に書いたような強誘電体を使うとか、空気を電離させるような強大なレーザ光を使えば曲がりそうですが。
私が考えていたのは、AWG(Arrayed Waveguide Grating)のように、多数に分岐させた光を干渉させるタイプです。
AWGは下記URLの下の方の図にあるように、多数の光導波路が2箇所でスラブ導波路で結合されています。
左側のどれかのポートから入力した光は、真ん中の多数の光導波路に均等に分岐されますが、導波路が弓なりになっているので光路長が少しずつずれ、右側のスラブ導波路に出射されるときに位相が少しずつずれます。
位相のずれは波長により異なるので、スラブ導波路内を進む波面の向きも波長により異なるため、右側からは波長により別々のポートから光が取り出されます。
このポートは、途中の導波路が1本の場合とは多分別のポートとなるでしょう。
即ち、光の干渉により光の進む向きが変わります。
http://www.backsidekamei.com/optical.htm
http://www2.noah-c.com/Apollo/apss/awg/awg.htm
再びの回答ありがとうございます。
>従って、自由空間で2つのレーザビームを交差させたくらいでは、おっしゃるように曲がりそうにありませんね。
やはりそうなのですね。
>私が考えていたのは、AWG(Arrayed Waveguide Grating)のように、多数に分岐させた光を干渉させるタイプです。
実は、導波路やAWG、フォトニック結晶といった研究に急に携わることになりまして
今回このような質問をするに到った訳です。
ただこの分野では完全に素人ですので、
今後も光学に関する質問をすることになるかと思います。
毎回、急ぎの質問ではございませんので、またお時間のある時にでも
ご回答頂ければ幸いです。
度々の回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
またある種の非線形物質を介せば、間接的にですが、電界によって光の向きを変えることができます。
例えばLiNbO3(ニオブ酸リチウム)は電界による屈折率変化が大きいので、N0.3の分岐導波路に利用すれば、電界によって(ある程度)自由に光の向きを変えることができます。
また部分的に電界を加えることにより、全反射ミラーやレンズを作ったりすることもできます。
最近はフォトニック結晶を使った光スイッチの研究も盛んです。
http://pic.ee.sophia.ac.jp/switch.html
http://www.nec.co.jp/press/ja/0809/2402.html
No.2
- 回答日時:
物理屋ではないのですが、確か電界や磁界では曲がらないと思います。
曲がるのは重力による「場」の歪みに沿う場合です。実際は重力レンズ(重力の大きな惑星の周囲で場が歪む)で見えない筈の恒星の位置が見えるそうです。指摘の通り光は電磁波で、「場」の最短距離を進みます。ただ「場」が曲がっていれば最短距離も直線にはならないという事です。飛行機で大陸間を移動する最短距離が直線とならないのと同じで、リーマン幾何学を使って説明されます。
光が電界や磁界で曲がるとすれば、地球の磁極で曲がってしまいますから。
回答ありがとうございます。
やはり影響受けないというのが正しいようですね。
電磁波なのに電界磁界に影響受けない‥‥不思議な感じです^^;
自分でももう少し調べてみます。
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