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A 回答 (1件)
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No.1
- 回答日時:
私は
シルバー民主主義
という言葉を初めて聞いたので、推測になりますが、
以下の例も正に
多数を占める高齢者のための政策
を示す、良い例だと思います。
先日住民投票が行われた大阪都構想(特別区設置)が、
若者・中年層 vs 高齢者
という対立構図を、わかりやすく表していたと思います。
全国的にみても、
1億2千万人の 4分の1(3千万人) が65歳以上 の高齢者
と言われるので、有権者の層として無視できません。
一般の選挙で、立候補者が、高齢者受けの良いことを言いやすい、
ということも容易に想像できるでしょう。
具体的には、年金問題とか、医療問題とかですよ。
■
年金については、例えば、
今生きている高齢者に対して、「8万円給付しますよ」 と言えば、高齢者の票が集まるのです。
今20代の若者が、40年後には「4万円に減らされる」とわかっていても。
高齢者にひいきしないようにするなら、「今の高齢者も、将来の高齢者も、6万円にします。そうしないと制度が持たない。」 と、今正直に言って、減額すれば良いのです。
でも、「8万が6万に減らされたら、生きていけない」 という高齢者の抵抗が強くて、なかなか減らせない。減らせないというか、「物価スライド調整」という形で、一時的に「余計に上乗せ」していたのだけど、リーマンショックなどの不況の影響で、その「上乗せの分の取り消し」すら、ろくにできなかった。
従って、今生きている高齢者は、将来の高齢者よりも、かなりお得な上乗せ分をもらっていた可能性があります。
そんな、8万円(これはあくまでも例えです)を払い続けると、将来の高齢者は4万円どころか、「年金は、事実上ほとんどもらえないに等しい」(破綻)ということになる可能性すらあるのにね。
「今が良ければ良い」という発想なので、30年後、40年後への しわ寄せ は考えていないのですよ。今そういう政策を決めている人(官僚や議員)も、30年後、40年後の責任を取る心配はしなくて良いし。
■
一方、
医療については例えば、
「後期高齢者」という言葉ができる前は、老人保険証と俗に言われるような仕組みで、
普通の人は病院で 3割負担(3000円)
高齢者(60歳以上だったかな)は病院で 1割負担(1000円)
というような感じになっていました(これはあくまでもざっくりとした例で、入っている健康保険によっては3割負担が2割負担の人もいたと思います)。
あと私は詳しくないけど、高齢者は1割負担ではなく、「1回500円まで」という上限を決めていたケースもあったかな。とにかく高齢者に対してかなり手厚い分、若い世代が負担して支えていたわけです。
でも、実際のところ、お年寄りの方が、「あっちが痛い。こっちが痛い。」と、持病を抱えて病院・医院へ行く機会が多いわけです。
皆大声では言わないけど、「大したことない、ちょっと転んだくらいのことでも整形外科に行って、特にやってもやんなくても変わらないような温熱リハビリを、毎日受けに通う。でも、その老人にとっては、毎日通う本当の理由は、
病院の待合室で友達と会えておしゃべりができる とか、
1回500円で、本格マッサージが(リハビリ名目で)受けられる とか、
痛みの治療と別のところにある」
という問題が、顕在化してきたのです。
「必要もないのに、『安心するために』薬をもらいに行く」
とかもそうですよ。現実に、医者の方から見ると、
「薬をもらわないと安心できない人のための、ニセの薬(なんの効き目もない)」
も出すくらいです。
しかも悪質な高齢者になると、一つの症状で、2つも3つも別の医院に通って、薬とリハビリサービスを、二重三重にもらう。ヒマはいくらでもあるわけですからね。
こうしたシワ寄せが、全部、「今健康保険料を払っている、働き盛りの世代」にのしかかってきたので、「老人の医療費を抑えよう」という声が、10年ほど前から強くなってきたのです。しかも、ちょうどこの2014年当たりから、「団塊世代」と呼ばれる人たちが一気に「高齢者」になって、老人の数が急増することがわかっていましたからね。
で、65歳以上の高齢者全てに対する 医療の補助を一律に削減すると、選挙にものすごく影響するので、
75歳以上に限って、医療の補助を削減する(自己負担を多くする) 後期高齢者医療保険制度(後期高齢者医療制度)、というのが作られたわけです。
これでひとまず、「高齢者の医療費を若い世代が支える」という仕組みのゆがみが、一部は改善されました。お金のある高齢者については、1割負担ではなく3割負担、というような、「高齢者というだけでは優遇しない」という制度も導入されています。
それでも、「後期高齢者」という名称への抵抗は大きく、「老人は早く死ねということか」という反発も実際目に見えてありました。近いうち、この後期高齢者医療保険制度も見直されるだろうと思います。
■
都構想の話に戻しますが、新聞社・テレビ局各社の出口調査によると、
若者・中年層 と 高齢者 で、はっきり対立している構造
が判明しました。対立と言っても、
45対55 とか、55対45 とか、僅差ではありましたけれども。
男女別は省略して簡単に言うと、
20代、30代、40代、50代は 都構想賛成が多かったのに、
60代以上は 反対が多かった、
そして結局 反対の方が僅差で勝った、
という結果になったのです。
たられば になりますけど、高齢者の投票率がもっと低ければ、都構想は賛成派の勝利、になっていたに違いありません。
地域別に見ても、「老人が多く住んでいる地域では、反対が多い。逆に、若者の多い地域では賛成が多い」 という傾向があったようです。もっとも、僅差なので、これをはっきりさせるにはもっと詳しい調査が必要ですけどね。
で、なぜ 老人に反対が多かったかというと、有力な理由として一つ言われているのが、
バス・地下鉄の敬老パス の、自己負担増加
です。
現市長以前は、「高齢者は一律無料」 というパスだったそうです。無料と言っても、運賃が無料なのではなく、その高齢者のバス運賃を、税金で肩代わりする(つまり若い世代が代わりに払ってあげる)という仕組みです。市の説明によると、「完全無料なんていうパスを出していたのは大阪市だけ」 でした。
そこで、現市長は、
パスは年間約3000円+1回当たり50円
という自己負担制度へと、改革したのです。これによって、税金がウン十億円節約 できたはずです。
3000円+50円 でも、かなりの高齢者優遇のはずですよ。(年間20回以上乗れば元が取れます。)
なのに、ブー、ブー、言うクレイマー高齢者が多くて、
つまり、「今までタダだった敬老パスが『廃止』された」 と騒ぎ出して(廃止はされていないんですけどね)、
「市長に反対しよう! 都構想にも反対しよう!」 という運動につながって行ったのです。
冷静に頭で考えられていれば、都構想と 敬老パスの自己負担額は、関係なかったんですけどね(都構想反対の結果になっても、どっち道 敬老パス自体は縮小の方向をたどったはず)。
だから、
高齢な有権者が増え、高齢者向けのの政策が組まれている
ということの実例としてわかりやすいのは、
住民投票で反対した勢力は、「市長は敬老パスを廃止し、お年寄りの足であるミニバス(赤バス路線)も廃止しました。このままで良いんですか!高齢者の皆さん!」 という呼びかけをしました。
■
若者向けの政策、というのは、なかなか目に見えにくいですね。
どうしても、若者と老人を比べると、「弱い方の老人優先」 となりがちです。
私から見ると、若者はまだ経験も浅いし、富の蓄積もないから、「若年者保護こそ必要」 と思うんですけどね。
「35歳以下の若年者就労支援」(就活浪人 対策)とか、
市営住宅への、新婚夫婦優先入居 とかが、
これに当たると思います。
子ども手当 もこれに当たるかな、20代30代の、子育て世代を応援する政策です。
レポートのためか宿題か何かわからないけど、
以上をそのまま鵜呑みではなく、ぜひご自分でも掘り下げてみてください。
参考になれば幸いです。
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