
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
「しじま」の元の意味は「口を閉じてだまりこくっていること」のようです。
『日本国語大辞典』(小学館)では,この意味の最古の用例として『源氏物語』(11世紀)の歌が引かれていますが,現在ふつうに使われる「静まりかえっていること」の意味の最古の用例は20世紀のものしか挙がっていません。「ぎっしりと密で」の意味の古語に「しじに」という語があり,また「縮まる,引き締まる」の意味の古語に「しじまる」という語があります。これらの「しじ」が,「しじま」の「しじ」と同じものであると見なせば,「しじま」の大もとの意味は「唇を引き締めて口をギュッと閉じていること」ということになるでしょう(「ま」が何かは不明ですが)。「しずか,しずまる」は昔は「しづか,しづまる」と「づ」を使って書きましたから,「しじま」とは関係なさそうです。
訓読みの漢字というのは,もともとあった日本語(ヤマトコトバ)に後から似た意味の文字を当てはめただけ,つまり慣用にすぎませんから,すべてのヤマトコトバが漢字で表されるわけではありません。「しじま」の場合,上記辞典で,第1の意味の用例は3つあってどれも和歌ですし,第2の意味の用例3つのうち古いほうの2つも詩と短歌のようです。つまり「しじま」というのは日常語ではなく歌語・詩語だったのでしょう。和歌というのは伝統的にひらがなで書かれるものでしたから,漢字で書く慣用が成立しなかったとしても不思議ではありません。「静寂」などの漢字を当てるようになったのはおそらく明治期以降のことなのではないでしょうか。
この回答への補足
ふと考えたのですが、淡水貝の“しじみ”の語源って「しじに」とか「しじまる」とは関係ないのでしょうか?「しじまる」を四段活用すると連用形は「しじまりたり(けり)」転じて「しじみたり(けり)」となり、おまけにしじみの風体が「口を閉じて黙っていること」や「ぎっしりと密で」とも通じるような気がするのです。
勝手に補足してご免なさい。もしご専門でなければ素人の戯言として聞き流してください。
「しじまる」ですか。一気に語源に近づいてきたような気がします。
「夜のしじま」の闇は、どこからか春の花の香りが漂ってくる“たゆたうような闇”をイメージしていましたが、実際はもっと緊張感のある稠密な暗闇なのかも知れませんね。(凄く抽象的ですが)
漢字以前にヤマトコトバがあった!ということも再認識しました。ありがとうございました。

No.4
- 回答日時:
しじまは漢語の黙に当たる大和言葉だと思います。
黙は黙ることであり、音のない世界のことです。しじまにもこれらの二つの意味があります。
ひらがなが工夫されるまではすべての大和言葉に漢字が当てられ(万葉がな)たのでしょうが、ひらがなが使われるようになると、しじまのように無理な漢字を当てないようになったのではないかと思われます。黙、沈黙、静寂、無言などはしじまの意味をくんだ当て字だと思います。しじまの語源はわかりません。
数多くの当て字がある“しじま”。いつの時代にも私のように「漢字に置き換えたがる人間」が居たのですね。
漢字伝来の前からあったのかも知れない“しじま”ということばにはロマンさえ感じはじめました。
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