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アンチ型やゴーシュ型など、アルカンの単結合における立体配座(回転の状態)の存在比は温度に依存するのですか。
例えば低温では比較的アンチ型が多くなるなどはあるのでしょうか。

単結合が回転する温度域での温度依存性の有無は...ということです。
どなたかお答えくださると幸いです。

A 回答 (3件)

皆さんがお答えになっているように、温度が低くなるほどアンチ(トランス)


の割合が増加し、温度が高くなるほど低下します。
では、どれ程変化するのでしょうか?
ブタンを例にとると、ゴーシュとアンチとのエネルギー差は0.8kcal/mol
だそうです。
(旧単位系のcalを使用して申し訳ありません。)
 「出典:現代化学シリーズ6 大木道則 著 立体化学 p45」
単結合が自由回転していると仮定して、このエネルギー差によって
どの程度の存在割合になるかを計算してみましょう。
熱運動にて振動していますが、その激しさはNo.2様が指摘されているように
ボルツマン分布をしています。
また、アンチは1箇所ですが、ゴーシュは2箇所あることも考慮しましょう。
アンチのエネルギーレベルをx(kcal/mol)とすると、ゴーシュのそれは
(x+0.8)(kcal/mol)ということですね。
存在確率の比、つまりアンチの存在量(確率)÷ ゴーシュの存在量(確率)は、
e^(-x/RT) ÷ 2e^{-(x+0.8)/RT}となります。
上式を整理すると、存在確率の比・・・これをyとすれば
y=1/2(e^0.8/RT)となります。
Rは気体定数、Tは温度ですから、各々数値を代入すれば
各温度での存在割合(確率)が計算できます。
ちなみに各温度で計算してみました。
(間違っているかもしれないので参考程度にしてください。)
 温度     アンチの割合   ゴーシュの割合(2箇所の合計)
0℃       68.6%       31.4%
50℃       63.5%       36.5%
100℃       59.5%       40.5%
150℃       56.4%       43.6%
200℃       53.4%       46.6%

原理的には、温度が高くなるとゴーシュの割合がどんどん増えて
最後は、アンチ1;ゴーシュ2に近づいていくのですが
その割合に達する前に熱分解してしまいますね。
もっと、分子量が高くなってアンチとゴーシュのエネルギー差が
数キロカロリーにまで大きくなれば、アンチの存在割合は、劇的に
増加するはずです。
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございました。
ボルツマン……を理解していなかったので各温度での例示が大変助かりました。
アンチ1;ゴーシュ2に近づいていくということは自由に回転できるようになっていくのですね。
お蔭さまで、まず直感的に理解できました。

お礼日時:2015/12/13 01:46

島ノ内武彦先生、今度お会いするのは天国か地獄か。

こんなのボルツマン分布だからそれだけの事。
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この回答へのお礼

物理の不勉強故ボルツマン分布を理解していませんでした。
お答えいただきありがとうございました。

お礼日時:2015/12/13 01:43

一般論として、温度が高いほどランダムになります。


したがって、温度が低いほど安定なアンチの割合が増えるでしょうね。
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この回答へのお礼

アンチとゴーシュの間にエネルギーの高い山があるので、なければ温度と共にアンチが増えるのは自分にもわかるのですが、実際はどうなのかなと思った次第です。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2015/12/13 01:50

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