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私はビジネス事務法務検定の勉強をしております。
その中で、不動産物権変動の問題で疑問に思うことがあるのですが、テキストの問題と答えをそのまま記載しますので、アドバイスをいただけないでしょうか?

(問題)
CはBから甲土地を購入したが、その甲土地の登記簿上の名義人はAである。しかし、Aは甲土地の土地名義が自己にあることを奇貨として、甲土地を善意のEに売却し、Eへの所有者移転登記も完了した。この場合Eは、甲土地の所有権取得をCに対抗できるとは限らない。

(答え)
正しい

以上が、問題と答えです。そこで質問なのですが、

(質問1)
答えが「正しい」のは、Eが購入した時点ではAは実際には所有者でなかったので、所有者でないAから購入したEは、実際の所有者Bから購入したCに対抗できないからでしょうか?

(質問2)
この問題の場合、実際の所有者はCでしょうか?そうであれば、Eが実際の所有権はCにあることを、事前に把握するには、どうすればよかったのでしょうか?また、土地を購入する場合、登記簿だけを信じて契約することは危険なようですが、素人がEのようなことにならないためにはどうすればよいのでしょうか?

以上、よろしくお願いいたいます。

A 回答 (3件)

例えば、BがAと共謀して、Bの借金差し押さえを免れる


ために、B→Aと嘘の登記をしていた・・・ということなら、
Eは94条2項の適用(ないしは類推適用)により、
善意の第三者として保護される可能性が高いでしょう。

ところが、A→Bと適法に不動産が譲渡され、BはCに対して、
きちんと売買契約書を見せて、もうすぐ自分に登記は
移転されることになっている・・・と言ってB→C間の
取引を行ったとすれば、Cは真の権利者です。
ここで、ドイツやスイスのように登記に「公信力」が
与えられているなら、常に登記を信じた人間が保護されます。
しかし、日本民法は登記に公信力がないという立場が
支配的です。

要するに、
真の権利者を保護するか?
取引の安全を重視するか(登記の外観を信じた者を保護するか)?
という問題では、
真の権利者の保護を優先すべきであるが、真の権利者の
帰責性が大きい場合には、取引の安全を重視する・・・
ということです。

以上を踏まえた上で、
質問1について
無権利者および無権利者からの譲受人は、177条の第三者にあたらない。
したがって、CとEは対抗関係にはならず、CはEに対して
登記なくして対抗できる(場合がある)。
・・・という感じでしょうか。

質問2について
上記のように、登記に公信力を与えられていない我が国民法では、
外観より実際の権利を重視するのはやむを得ず、EはAに対し、
損害賠償を請求できるだけ・・・となるかも知れない。
しかし、実務上は、おそらく、Aに名義が残っていることについて
Bに何の責任もないことは稀であろうし、94条2項をはじめとする
権利外観法理で、Eが保護されるケースが圧倒的に多いのでは
ないかと思われる。

専門家ではありませんが、分かる範囲で回答してみました。
法学部や司法試験受験経験者の方など、誤りがあれば
指摘して下さい。
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この回答へのお礼

かなりご丁寧にご回答いただきまして、ありがとうございました。公信力についてもあやふやだったのですが、大変よく分かりました。

お礼日時:2004/08/16 12:48

この問題は不動産物権の対抗力と、登記の公信力の問題です。


対抗力があっても公信力がないのでCの所有です。
この問題のカギは「・・・奇貨として」の部分です。
実務において、Aが本来の売主か、Bが本来の売主かの判断は、現実にAとBに逢い確認する以外にないです。期間の短い場合は要注意です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2004/08/16 12:46

私の回答は、NO1の方に近いと思いますが、補足します。

まず、問題の前提として、この問題文だけでは、そもそもこの甲土地の最初の真の所有者が、ハッキリしません。しかし、「Aが自己名義である事を奇貨として~」といっているので、Aには所有権はなく、真の所有者はBである事が前提である、と考えて述べます。とすると、Aは無権利者ですから、その登記を信じて譲渡を受けたEも登記に公信力が無いため、所有権を取得出来ない事になります。そして、真の所有者からの譲受人であるCは所有権を取得する事になります。一方、これがAのBとEに対する二重譲渡であった場合には、登記を先に具備したEが所有者となります。つまりこの問題は、登記を信用して取引に入った者でも、登記に公信力が無いために、100%保護されるわけではないんだ、と言う事をいっている問題であると言えます。ちなみに、Aが無権利者の時は、Cが所有権を取得すると言いましたが、それは、無権利者からの譲受人であるEに対してCは登記なくして対抗できるからですが、しかし、CはEの他の第三者に対しては、甲土地の所有権を対抗できません。それはCが登記を具備していないからです。
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この回答へのお礼

非常に明確にポイントをついたご回答ありがとうございました。かなり明確に理解することができました。問題集の解説に、このような解説がついていれば、一発で理解できたのに(笑)といえる、名回答ありがとうございまいた。

お礼日時:2004/08/16 12:51

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