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当方、エマーソン・フィッティパルディが現役で走っていた頃からF1に親しんでいたオヤジです。F1にベッタリ嵌まっていたわけではないが、ジェームス・ハントやニキ・ラウダ、ロニー・ピーターソンらが覇権を争っていた時代から、それなりにファンでした。
最近、ホンダがマクラーレンと組んで参戦再開したので、ちょくちょく気に掛けているのですが、そこで分からないのがマクラーレンの凋落ぶりです。

マクラーレンと言えば、F1界における名門中の名門、チャンピオンも輩出しているし、コンストラクターズを取った回数も多いし、昔からF1界の顔とも言うべきチームと思います。

しかるに、昨今のマクラーレンときたら、メインスポンサーもつかないと言うし、成績は低迷(別にホンダのせいだけじゃなく)、戦闘力のあるマシンも開発できない、ドライバーの契約金はホンダ任せ、という惨憺たる状況のようです。

マクラーレンほどの実績と歴史を誇るチームなら、スポンサー探しに苦労したりしないと思うし、戦闘力のあるマシン開発の資金は潤沢だったりしても全然おかしくない名門なのに、なぜにこれほどまでに凋落してしまったのか、どなたか教えてください。

A 回答 (2件)

元レーシングカーデザイナーですが・・・子供の頃のアイドルはなんといっても『絵に描いた様な英国紳士』グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワートは新チーム・タイレルでマトラを駆る驚愕の新人、ロータスは神話のドライバー、ジム・クラークの後継としてヒルではなく魔境の走りのヨッヘン・リントにマシンを託し、エマーソンはまだカゲもカタチも・・・の世代のおっさん(じぃさん?)です。


 1975年のヒルの墜落事故は衝撃でした。もう2度とF1なんか見るもんか、と思いましたよ。まぁその後もF1を見続け、やがてレーシングカーの設計を職業に選んだワケですが。(’76年の夕暮れの富士で、ゴールするマリオに合わせてベレー帽を投げ上げたチャップマンを見て、『よし決めた。レーシングカーデザイナーにオレはなる』と。)

>ジェームス・ハントやニキ・ラウダ、ロニー・ピーターソンらが覇権を争っていた時代

 過激な三角コーナリングのスチュアートをして『ドリフト走法は不可能』と言わしめたグラウンドエフェクトカー、ロータス78でさえ余裕の4輪ドリフトで『オン・ザ・レール』アンドレッティよりも速かった『スーパースウェード』ピーターソンが覇権を争うところまで行ったことは一度も無かったと思いますが、しかしピーターソンを’70年代のF1を代表する天才の一人だと評価しているワタシは(ハントよりウマかったとさえ考えています)、こんなところで名前が見られて大変うれしいです。
 ピーターソン、スゲェヤツでしたよね~。F1のドリフトキングというと、今日ではよくジル・ビルニューブの名前が上がりますが、オンタイムで見ていた者からすると、ピーターソンがいた為にビルニューブはゼンゼン大したコトありませんでしたよね~。富士の1コーナーでビルニューブが突っ込んだのをTVの生中継で見ていて、『さすが世界の頂点のドリフト対決、最後は空飛んじゃったか~』などと不謹慎にも思ってしまいました。n

・・・っと昔話が長くなりましたが、それでは回答(の様なもの)です。

>これほどまでに凋落してしまったのか、

 おカネがない、というのが最大の理由でしょうが、そうなった理由というのがいろいろありそうです。

 マクラーレンのチームの規模は、例えばウィリアムズ辺りとは比較にならない程大きく、チーム維持には相当の予算が必要なはずです。
 故にスポンサーフィーも相当の額を集めなければならないと思われますが、しかし一方F1でトップクラスの商品価値を持つチーム名を、あのロン・デニスが安売りするとも思えません。(メインスポンサーフィーをディスカウントするとか、比較的出しやすい金額に設定した小口のスポンサーを大量に集める、なんてことはしないだろうということです。ロン・デニスは、英国の投機家スジでは一代で自動車メーカーを興したロータスのコーリン・チャップマン、英国屈指の高額所得者となったヨッヘン・リントの元マネージャー、バーニー・エクレストンなどと並ぶスゴ腕のレース実業家として有名です。最近、結託した出資者により会社からタタキ出されましたが、元々ブルース・マクラーレン一派の経営陣を狡猾な手段で追い落としてチームを掌握したロン・デニスに、ある意味相応しい結末という気がします。)
 最近のチーム成績を見ると、高額な資金が提供可能なメインスポンサークラスの企業も慎重になるでしょう。

 っという最悪の事態の原因は、ソレもコレも全てマシンが勝てないからです。

>別にホンダのせいだけじゃなく

・・・いやいやいや、直接的には全てホンダの責任でしょ。

 レーシングカーに於いてマシンの開発が進まない理由は、『レーシングスピードが出せない』という一点につきます。
 元々大してスピードが出ないマシンでは、そんな高速走行でのハンドリングを追及することが出来ず、サスペンションもシャシも空力も開発が進みません。

 で、スピードが出せない理由は大きくわけて3つあって、①運転手がビビリでヘタクソ②エンジニアリングが劣り、速いスピードで走り回るクルマの作り方が判らない③エンジンがショボく、馬力やトルクが低い・・・です。
 ①は・・・アロンソがビビリでヘタとは思えませんね。②は、あれほど設備投資が進み『レース以外でも先端技術で収入を得ている』マクラーレンで技術が劣るとは考え難いです。③は・・・既にTVや雑誌で何度も伝えられている通り、メルセデスやフェラーリより明確に劣ります。
 ホンダがライバルよりも速いエンジンが作れたらマシンの開発は一気に進む、とワタシは断言します。マクラーレンというチーム自体には、それだけのポテンシャルがあります。

 もしマクラーレン側に過失があったとすると、勝てそうもないエンジンを選択してしまったという点でしょう。(或いはロン・デニスは、マクラーレン・ホンダ無敵時代を思い出していたのかもしれませんが、客観的に考えると、ホンダエンジンは直近であるBAR時代の醜態を参考にして評価するべきでした。少なくともワタシならそう考えます。『セナ・プロ時代』の成績など、レースの世界では古過ぎて判断材料にはなりません。)
 ショボいエンジン→開発が進まないショボいマシン→ショボいレース成績→スポンサーは渋る→開発資金減少→ホンダの資金力に頼ってホンダエンジンを使い続けるが、遅いエンジンしか出てこない・・・っという悪循環にハマり込んでいる様に見えます。マクラーレンがシーズンオフに『他のエンジンも視野に入れる』と言ってホンダにプレッシャーをかけたのも、気持ちは判ります。

>なぜにこれほどまでに凋落してしまったのか

・・・こういう話は、マクラーレンに限らずF1では度々起こります。フェラーリなど、シューマッハが乗るまではイタリア勢を異様に敵視する英国チームファンさえ憐れむほどの成績でしたし、フォードエンジン時代はマクラーレンよりも名門だったロータスやブラバム、タイレルなどの英国勢は全て解散してしまいました。驚愕のデビューを飾ったウォルター・ウルフ・レーシングはジェイムズ・ハントのおかげ(?)で一瞬で消えましたし(そういえばコパスカー・フィッティバルティに吸収されたんですね)、マクラーレンと共に、ロータスやブラバムなどの古い英国勢を一掃したウイリアムズは、長いこと低空飛行のままです。(今のウイリアムズしか知らないヒトには、ホンダエンジンやルノーエンジン時代は想像出来ないでしょう。)

 ブルース・マクラーレンが事故死した後、チーム解散の危機を救ったテディ・メイヤーからチームを奪い、独裁者が多いレース業界には珍しくメカニックも含むチーム全員の意見を反映する設計のゴードン・コパックを追放したロン・デニスはザマァみろって感じですが、しかしレーシングチーム運営には周りがバカに見える悪魔的天才マネージャーの軍隊的統率が必須です。
 マクラーレンにはロータスの様な最期を迎えて欲しくはないですが、カリスマ不在のチームで凡庸な大卒が寄ってたかってダメにしているエンジン頼みとは、正直なところ心配です。
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この回答へのお礼

大変お詳しい解説、痛み入ります。
ロニー・ピーターソンが覇権争いしたことがなかったことは憶えてました。ま、いいや、と思って書いた。
その他、懐かしい名前が一杯出てきましたね。それぞれ活躍した時代が少しずつずれているでしょうが。

そうですか。全部ホンダのせいですか。それからマクラーレンに大口スポンサーが付かない理由も合点がいきました。

ロン・デニスが最近引退したニュースは耳にしたのですが、追い出されたというのが真相ですか。もう引退しておかしくない歳なので引退したんだろうな、と思ってました。

肝心のホンダですが、上向く気配はないようですなぁ。今年はやってくれるのでは、と思ったけど期待はできなさそうですね。このままF1やっていても仕方ないだろうけど、これだけ惨めに負けたまま退場ってのは、会社に何も残らないでしょうから、若い人達の大和魂というのか、意地を見せて欲しいですね。

いや、勉強になるご助言、本当にありがとうございました。

お礼日時:2017/04/22 15:31

資金不足



 ヨーロッパでたばこメーカーによるタバコ銘での宣伝が出来なくなりましたから、それによる刻々収入が亡くなったので、ドライバーを雇えなくなり、車を買えなくなり、スタッフを雇えなくなり

歴史と実績だけじゃあ、今の世の中を渡る事は出来ません
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