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ボルタ電池の分極と減極剤について質問です。

いろいろなサイトを見て調べてみたのですが、自分の参考書に書いてあることと微妙にズレていたりして、本当に正しいのは何かと思い、質問させていただきました。
ちなみにその参考書は東進の鎌田真彰が書いたハイレベル化学なので、多分間違いはないと思います。

以下はその参考書の引用です。

ボルタ電池は銅板の上で水素を発生させるのに電気エネルギーが消費されるため、放電を続けると起電力が低下する。この現象を電池の分極といい、過酸化水素や二クロム酸カリウムのような酸化剤を加えると起電力が回復し、これらを減極剤と呼んでいた。
昔の教科書には「銅板に付着したH2がH+に戻ろうとする逆起電力が分極の原因であり、減極剤によってH2が参加されるから起電力が回復される」と言った説明がされていた。これは間違った説明であるため現在の教科書からは記載が削除されており、ボルタ電池も深くは取り扱わないことになっている。ただし、今でもごくたまに入試に出題されるので、本教材には記載しておく。



質問は、
①なぜ、水素を発生させるのに電気エネルギーが消費されるため、放電を続けると起電力が低下するのか?

②減極剤が具体的にどのような働きをし、起電力が回復するのか

の2点です。

わかる方いらっしゃいましたら、教えていただけると幸いです。

A 回答 (2件)

①高校化学の言葉でいえば、水素を発生させるのに活性化エネルギーが必要だからです。


この活性化エネルギーの山を越えるために、電気エネルギーが消費されます。電気エネルギーが電池内部で消費されると、電池内部で電圧降下がおこるので起電力が低下します。
より詳しくは「過電圧」について調べてみてください。
なお、起電力が低下する理由は他にもいくつかあって複雑なのですけど、「水素の気泡が電極に付着するから」という理由は×です。というのは、銅電極の代わりに白金電極を使うと、電極が気泡まみれになるにもかかわらず銅電極のときよりも起電力が高くなることが知られているからです。

②減極剤は、水素イオン H+ の代わりに酸化剤として働きます。
例えば過酸化水素 H2O2 であれば、H2O2 は H+ より酸化力が強いので、
H2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O の反応で、H2O2 が銅板から電子をもらって H2O に還元されます。
ですので、起電力が回復する、というよりは、「正極で還元される物質が変わったためボルタ電池ではない別の電池になった」ので起電力も変わった、と考える方が正確です。


No.1さんの回答は、昔の高校の教科書に書いてあったことがらで、残念ながら現在ではどちらも間違いとされています。詳しくは坪村先生の解説をご覧ください。

坪村 宏「ボルタ電池はもうやめよう : 問題の多い電気化学分野の記述(教科書の記述を考える 15)」化学と教育
Vol. 46 (1998) No. 10 pp. 632-635.
http://doi.org/10.20665/kakyoshi.46.10_632
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この回答へのお礼

遅くなってしまいすみません!
やっと納得することができました!

お礼日時:2017/09/01 16:56

①放電すると銅の電極表面に水素が発生し水素の気泡となります。


水素の気泡が電極表面から離れて上方に直ぐに液面へと到達すると良いのですが、電極表面に付着してしまうことが多いです。
小さな気泡が集まって大きな気泡になってからようやく浮上します。
物理的というか電極の表面積を狭めて起電力を低下させます。これが分極の原因になります。
また、溶液内のイオンの移動速度も分極の要因になります。
逆起電力は私は習わなかったですね…電気化学の講義でも記憶に無いです。

②減極剤、例えば過酸化水素H2O2、
H2O2 + 2H → 2H2O の反応で、水素の気泡発生を水の生成にして抑えます。
分極の原因は銅電極表面への水素の気泡の付着による電極面積の現象ですから、分極を抑えることができます。

カソード側での水素発生はボルタの電池でも問題ですが、電気防食の上でも水素脆性や防食塗装の剥離等を引き起こすので今でも研究や工夫がされています。
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