
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
同じ表現ではありません。
「が」と「に」の違いは見れば分かります。「そばに」の「に」は場所を表しますから置き換えようがありません。とすれば「が」ということになります。「が」は主格を表します。というのが一応の答なのですが、「に」も捨てがたいところがあります。この質問にすぐ回答がつかなかったのは、そのあたりに理由があるでしょう。
「あなたに~してほしい」「あなたに~してもらいたい」というような言い方があり、「(私は)あなたに喜んで欲しいのです」「(私は)あなたに来てもらいたいのだ」と言えます。しかし、この「に」という格助詞の用法は?と問われると、実はよく分かりません。(それでなくても「に」は、辞書で十数もの用法が書かれていて元々面倒な助詞です。念のためその項目を引用ししておきますから、どれに相当するか考えてみてください)
さらに、対象を表す「が」を使って「映画が見たい」「恋人がほしい」という言い方もあります。しかし、この質問文には対象となる語は必要ありません。
にの用法 [日本国語大辞典]より(接続助詞の説明は省略。用例は多数あるが、古文に属するものはすべて省略。
『に』
【一】〔格助〕
(1)動きや状態の成り立つ状況を表わす。
(イ)動作や状態の成り立つ時を表わす。
*青年〔1910〜11〕〈森鴎外〉一一「十一時半頃に大村が尋ねて来た」
(ロ)動きや状態が成り立つ場所を表わす。
*おはん〔1957〕〈宇野千代〉六「おはんと二人ひとつ家の内に寝起きして」
(ハ)動きや状態がその中で成り立つ環境、情勢を表わす。
*妻〔1908〜09〕〈田山花袋〉三一「まあお前、子供を負(おぶ)って、此雨に遣って来たの」
(ニ)動きや状態が成り立つ原因、理由、機縁などを表わす。
*放浪記〔1928〜29〕〈林芙美子〉「蒼くむくんだ顔は、生活に疲れ荒さんで、私はああと長い溜息をついた」
(2)動作や作用の結果生ずるものや、状態を表わす。
(イ)「なる」「なす」「す(する)」など、実質概念を欠く動詞による結果の状態を表わす。
*人間失格〔1948〕〈太宰治〉第二の手記「父は、前から自分を高等学校にいれて、末は官吏にするつもりで」
(ロ)物を作り出す動きによってできる物を表わす。
*金の棺〔1947〕〈網野菊〉「地毛で高島田に結ったりする都合上」
(3)「思う」「聞く」「知る」「見る」などの心理活動、感覚活動の内容を表わす。
*普賢〔1936〕〈石川淳〉五「一体女は青書生のわたしに何を求めるのであらう。ただ一時の話相手に見立てたのか」
(4)動きのありさまをくわしく表わす。
(イ)動きの様態をくわしく表わす。
*坊っちゃん〔1906〕〈夏目漱石〉一「兄は夫から道具屋を呼んで来て、先祖代々の瓦落多を二束三文に売った」
*おとうと〔1956〜57〕〈幸田文〉「弟が紺の制服の背中を見せて、これも早足にとっとと行く」
(ロ)(動詞の連用形を受け、「…に…」の形で同じ動詞を繰り返し用いて)動きの程度が十分すぎること、また、甚だしいことを強調する。「ひた走りに走る」「大もめにもめる」などのように初めの連用形に接頭語が付くこともある。→そろい(揃)に揃う・もみ(揉)に揉む・より(選)に選って。
*ヨシモト‐昭和一〇年〔1935〕一〇月号・ヱンタツ・ヱノスケ・アチャコ・今男解剖記〈杉本祐一〉「林正之助氏が考へに考へた末創案したる熟語漫才(万才に非ず)の真意を忘れず」
(ハ)動きの方法をくわしく表わす。
*かげろふの日記〔1937〕〈堀辰雄〉二「やっと幼い道綱が片言まじりに物が言へるやうになって来たが」
(5)動きの目的を表わす。
(イ)移動、動作の目的を表わす。
*夜明け前〔1932〜35〕〈島崎藤村〉第一部・上・一・一「ちゃうど暑さの見舞に村へ来てゐた中津川の医者と連立って」
(ロ)動きの用途や資格を表わす。
*女の一生〔1946〕〈森本薫〉二幕「日清戦争が初まって通訳にやとはれたのが世の中へ出て来る緒(いとぐち)になったのさ」
(6)移動の行く先や方向を表わす。
*魚玄機〔1915〕〈森鴎外〉「久しく襄陽に往ってゐた温が長安に還ったので」
(7)表面に付いたり、中に入り込んだりする対象を表わす。
*金色夜叉〔1897〜98〕〈尾崎紅葉〉前・七「其処に花が粘(つ)いてゐたから取ったのよ」
(8)話したり会ったり与えたりなど、ある動作を行なう相手を表わす。
*野分〔1907〕〈夏目漱石〉一「始めて越後を去る時には妻君に一部始終を話した」
(9)動作、態度のかかわる対象を表わす。
(イ)心理的な活動の対象を表わす。
*平凡〔1907〕〈二葉亭四迷〉三二「正直に女に惚れるのは男児の恥辱と心得てゐた」
(ロ)ある態度を示す動作の対象を表わす。
*浄瑠璃・嫗山姥〔1712頃〕五「関白道理にふくし給ひ」
(10)状態や性質に関して比較する基準を表わす。
*女の一生〔1946〕〈森本薫〉二幕「あの子は家庭の旦那様としては誰に比べても恥かしい人ぢゃないと思ひます」
(11)ある動作・作用を行なう道具や材料を表わす。
*秋のめざめ〔1957〜58〕〈円地文子〉一度見えし「青い麻の和服を着、蜜柑色の帯を後手に結びながら」
(12)使役動詞で示される動作の働きかけが及ぶ対象を表わす。
*杜子春〔1920〕〈芥川龍之介〉五「こら、その方は何のために、峨眉山の上に坐ってゐたか、まっすぐに白状しなければ、今度はその方の父母に痛い思ひをさせてやるぞ」
(13)受身表現での動作の主体を表わす。
*焚火〔1920〕〈志賀直哉〉「屹度笹熊でせう。鷲かなんかに食はれたのかも知れませんよ」
(14)成否、巧拙、好悪などを問題にする対象を表わす。
*妹背貝〔1889〕〈巖谷小波〉冬「此間の試験に落ちたのも」
(15)ある属性や能力を持っている対象を表わす。
*秋〔1920〕〈芥川龍之介〉四「彼女の目の中には、意外な事に、悲しみも怒りも見えなかった」
(16)ある物事の有無を問題にする対象のものを表わす。
*妻〔1908〜09〕〈田山花袋〉七「あの寺には田地が四町、檀家が二百軒もあるから」
(17)あり場所を示すことによって、婉曲にそこにいる人が動きの主体であることを表わす。
*山本五十六〔1964〜65〕〈阿川弘之〉五・二「陛下には非常なる御不満にて、自殺するならば勝手に為すべく、斯の如きものに勅使など以ての外なりと仰せられ」
(18)似合いのものを添加したり、物事を並べ挙げたりする意を表わす。
*雪国〔1935〜47〕〈川端康成〉「駒子はコオトに白い襟巻をして、駅まで見送って来た」
補注
(1)【一】(4)(ロ)の場合の連用形は体言化しており、全体で動詞の意味が強調される。
No.3
- 回答日時:
後で気がついたのですが、「あなたに来てもらい(いただき)たい」の場合は、「もらう(いただく)」という授受動詞の相手を表す「に」と考えることができます。
(「たい」には関係なく)辞書の説明ではどの項目に当たるのでしょう。この「もらう(いただく)」という動詞は、受身表現にかなり近い表現です。お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
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