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放熱フィンを設計しようとして、シミュレーションをおこなおうとしているのですが、熱伝達係数の設定がよくわかりません。
最初、フィン(アルミ製、20mm角×厚さ0.3mm)の枚数が1枚だけの場合には、まわりが空気でかつそのフィンを縦(戸のように)に置く場合、熱伝達係数が10W/m^2・Kという情報を得たのでその値で計算しました。
この時発熱源はフィンの20mm角の面の中央部3mmφの部分にあるとし、他の部分は熱伝達として上記の値を使いました。

次に、フィンの枚数を増やし、同じ向きに3枚並べた場合(3枚どうしは中央部10mmφの部分で0.5mmの間隔で熱的につながっている。20mm角、厚さ0.3mmの板を0.5mmの間隔で平行に並べ、その中央部を10mmφ×高さ1.9mmの円柱を突き刺した状態。発熱源は最初の1枚の3mmφからのみ)を計算したいのですが、この時の熱伝達係数について、1枚の場合と同じように熱源以外の面に同じ10W/m^2・Kとしてよいものか、それとも3枚が上記のような間隔で並んでいる影響が出るため、それを考慮した係数を与えるべきなのか、与えるのであればいくつがよいのか、またはこのようなことについて参考となるサイトや詳しく書かれた書籍があればご紹介いただきたく、詳しい方ご教示願います。

質問者からの補足コメント

  • inara様
    早速のご回答ならびに大変丁寧な解説をいただきありがとうございます。
    しっかり学んだことのない伝熱工学ですが、やはり’「フィン間隔/フィン長さ」が0.1より’の部分は目から鱗です。
    今の場合、この値は0.5mm/20mm=0.025ということでよろしいでしょうか。
    この他参考図書もご紹介いただきありがとうございます。さっそく大学の図書館などで調べてみたいと思います。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2019/03/21 22:02
  • inara様
    早速ならびに繰り返しのご回答ありがとうございます。
    おっしゃるとおり、このようなフィンは(経験不足もあり)見たことがないのですが、そうしますと、今の場合20mmのフィン長さではフィン間隔は2mm(=20*0.1)が適正ということになろうかと思いますが、もしそのように設計できたとして、その場合の熱伝達率はズバリいくつとすればよいのでしょうか。また現行設計の0.5mmではいくつとすればよいのでしょうか。書籍が手元にないためもし可能であればご回答いただければ大変ありがたいです。

    実は今レーザー光をオンオフする機械式シャッターをアルミ板で作ろうとしていて、最初に光のあたる部分(これが20mm角のアルミの’羽根’で、発熱部は中央3mmφ)で1W程度の発熱があるのですが、’羽根’を回転させるソレノイドに重量制限、’羽根’に温度制限があり、羽根に2つの条件を課して設計している状況です。

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2019/03/22 10:08

A 回答 (2件)

>この値は0.5mm/20mm=0.025ということ


ですね。0.5mmは狭すぎます。フィン間隔は2mm以上にしたほうがいいです。その書籍は手元にありますが、図をそのまま載せるのはよろしくないので言葉の説明に留めました。書籍を探してみてください。

市販の自然空冷用のヒートシンクで「フィン間隔/フィン長さ(鉛直方向)」が0.1より小さいのは見たことがないです。加工の容易さが主要因だと思いますが、フィン間隔は通常3mm以上あり、フィン長さは30mm以下が普通です。

ファンなどで強制的に送風する方式(強制空冷)なら、最適な「フィン間隔/フィン長さ(送風方向)」は0.1より小さくなります(風速が大きいほど小さくなる)。エアコンの熱交換機は「フィン間隔/フィン長さ(送風方向)」がかなり小さいですが、あれは送風しているからです。
この回答への補足あり
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そのようなフィン構造での自然空冷は、干渉を伴う自由対流熱伝達になりますが、伝熱工学のテキストには通常、フィンが2枚の場合の結果(「フィン間隔/フィン長さ」に対する熱伝達係数の関係)しか出ていません。



フィンが3枚以上になると、ここの画像
http://www.akl.co.jp/training/basic/2_1_2/images …
のように、フィン列の中央ほど熱伝達係数が悪くなります(このシミュレーションはフィンの温度を同一としたものではありませんが)。フィンが2枚ならどちらのフィンも、外側の面は「干渉のない自由対流熱伝達」で、対向した面が「干渉を伴う自由対流熱伝達」になりますが、3枚以上では、両面とも「干渉を伴う自由対流熱伝達」となるフィンが出てきます。

しかし、2枚のフィンでの結果から、「フィン間隔/フィン長さ(鉛直方向)」が0.1より大きければ、熱的には独立したフィンとみなせるので、そのような場合の熱伝達係数は「1/フィン数」としていいです。しかし、「フィン間隔/フィン長さ」が0.1より小さい場合は熱流体シミュレーションするしかないと思いいます。もっとも、「フィン間隔/フィン長さ」が0.1未満というのは、フィンの設計そのものが良くないということなので、もしフィン間隔を変えられるのなら、「フィン間隔/フィン長さ」を0.1以上にしたほうがいいです。

ちなみに、2枚のフィンでの「フィン間隔/フィン長さ」と熱伝達係数の関係は以下のようになっています。
・「フィン間隔/フィン長さ」が0.1未満での熱伝達係数は「フィン間隔/フィン長さ」にほぼ比例
・「フィン間隔/フィン長さ」がちょうど0.1のときに熱伝達係数は最大(1枚のフィンの場合の1/2の値の1.2倍)
・「フィン間隔/フィン長さ」が0.1より大きくなるほど熱伝達係数は少しずつ低下し、1枚のフィンの場合の1/2の値に漸近する

この関係はこの書籍
https://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853 …
のp.118にグラフとして出ています。
この回答への補足あり
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