
背理法についてわからないことがあります。
そもそも背理法は命題があるとき、命題が成り立たないと仮定し、矛盾を導くことでもとの命題は正しいと結論づけることでした。しかしもしも、もともとその命題がどの条件でも成り立たないとき、またはそれすらもわからないとき、命題の否定の矛盾を導いてももとの命題が正しいとは言い切れないですよね。そう考えると背理法って本当に証明になっているのか疑問に思ってしまうことがあります。多分僕がどこか根本的に勘違いしてるところがあると思うんですが、それが何なのか教えてください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
> 命題があるとき、命題が成り立たないと仮定し、矛盾を導く
その通り。命題Xを否定した命題 ¬X を作って、
¬X ならば (Aかつ¬A) である
という命題(この1行でひとつの命題です)を証明します。ここで、Aはどんな命題でも構いません。
> その命題がどの条件でも成り立たないとき
これを「命題X は偽である」と言います。偽の命題X を否定して作った命題 ¬X は真であり、¬Xからは矛盾が導けません。
なお、「どの条件でも」なる文言は不要です。というのは、背理法が相手にするのは「条件」なんか付いていない、本物の命題だけだからです。Xが成り立つ条件 Cがあるのなら、
(CならばX)
という本物の命題が作れるわけで、この命題には条件など付いていません。
> またはそれすらもわからないとき
「真か偽かがわからないけれども、ともかくXは命題である(真であるか偽であるかのどちらかである)」という場合は普通にありますね。たとえば
pとp+2が共に素数であるような自然数pが無限個存在する
という命題です。
そして、Xが真であることの証明をするために、たとえば背理法を使って
¬X ならば (Aかつ¬A) である
の証明を試み、かつ、Xが偽であることの証明をするために、たとえば背理法を使って
X ならば (Aかつ¬A) である
の証明を試み、どっちも上手くいかない(矛盾を導くことができない)というのはごく普通のことです。(これが必ず上手くいくのなら、数学者は全員失業です。)
もし、首尾よくどちらかで矛盾を導けたなら、つまり、
¬X ならば (Aかつ¬A) である
か
X ならば (Aかつ¬A) である
のどちらかが示せたなら、前者ならXは真だと証明できたのですし、後者ならXは偽だ(¬Xは真だ)と証明できたことになりますから、
> もとの命題が正しいとは言い切れない
なんてことにはなりません。
> そう考えると背理法って本当に証明になっているのか疑問
「命題は、真であるか偽であるか、の二つに一つだ」という原理(排中律)を前提にしない論理(多値論理、曖昧論理など)も存在しますが、これらは人間が行う日常の推論や思考をモデル化するための論理であって、こういう論理に基づいて数学が展開できるわけじゃありません。というのも、排中律を前提しないなら、証明としては「すでに書いてあることを繰り返す」ということ以外にはほとんど何もできず、背理法も場合分けも数学的帰納法も全滅だからです。
ただし数学には「存在証明を認めない」という立場があります。背理法全部を否定するわけではない。けれども、「ある性質P(x)を満たす対象aが存在する(P(a)は真である)が、aを具体的に示すことはできない」という性質を持つ証明を「存在証明」と呼びます。「存在証明」を証明とは認めず、必ずaを具体的に作ってみせろ、ということを要求する立場であり、これを「構成主義」と言います。構成主義数学では普通の数学に比べて、証明できることが随分少なくなってしまいます。

No.2
- 回答日時:
言ってる事は合ってます。
その通りです。背理法を使って証明出来る命題の方が少ない。
命題がどの条件でも成り立たないとき、またはそれすらもわからない時なら、背理法だって証明不可ですよ。
背理法については昔から疑義が向けられています。
○○を否定すると矛盾、だから○○である。これは、○○を否定する考え方に間違いがあるので有って、だから「○○である」と言ってる訳では無い、と言うものです。
背理法が成り立つには「○○で有る」か「○○で無い」のどちらか一方が必ず成立する場合にしか使えません。
それさえも解っていない命題に対しては、背理法という概念は成り立ちません。
No.1
- 回答日時:
背理法は命題が成り立たないという矛盾を導くことと質問者様は仰いましたがその通りです、
どの条件でも成り立たないもしくは成り立つかわからない、そんな時も絶対成り立たないと仮定します。それで矛盾が生じればその命題は成り立ちます。矛盾が生じずそのままで証明できてしまうと命題が成り立たないという仮定が正しいということになります。
矛盾の矛盾は正しい、裏の裏は表みたいなもんです。
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