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法律用語の蓋しは偉い学者が誤用して定着してしまったという話を聞きましたが本当ですか?
「なぜなら」みたいな意味で使われていますよね。
広辞苑でしらべてみたら、「考えてみるに」という意味があるので、誤用というわけでもなさそうなので、気になります。誤用が一般化して辞書にも載ったということかもしれませんが……
誰のどんな使い方が誤用ということになったのでしょうか?
教えてください。

A 回答 (4件)

「けだし」を国語辞典で引くと通常の意味は、次の2つです。


(1)かなりの確信をもって推量する意を表す。→「確かに」、「おそらく」、「たぶん」
(2)疑いの気持ちをもって推量したり仮定したりする意を表す。→「もしかしたら」、「ひょっとしたら」
これだけでも、だいぶ違いますね。(笑)
まあ、しかしそれでも、「思うに」、「考えてみるに」と約せばなんとか通じますね。

ところが、法律用語ではなんと「なぜなら」になっちまうんですね、これが。
質問者さんが言われたえらい学者が誰かは存じませんが、我妻栄先生の名著「民法講義」によく出てくる表現です。日本語としてはおかしいですね。
で、気になって調べてみると、もっともっと昔から使われているようです。
たとえば、「憲法義解」(伊藤博文著』(明治22年)あの大日本帝国憲法の解説です)。
また、北海道旧土人保護法案理由書(明治32年制定)にも、「北海道旧土人の保護に関しては、一視同仁の叡旨を奉し、明治初年よりこれが方法を講したりとするも、
未だ十分にその目的を達するに至らす、蓋し旧土人の皇化に浴する日向浅く、その知識の啓発、頗る低度なりとす。」という記述も見つけました。

このように、「蓋し」の誤用は古く、明治初期の昔にさかのぼるもののようです。
古い判決では、「蓋し」が頻繁に使われていましたが、最近は少なくなっているように思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
むちゃくちゃ古いですね。
もはや誤用といえないような気もします。
参考になりました。

お礼日時:2004/12/17 23:24

こんにちは。


No1の方の歴史的文献は現代語に訳すと
「明治初年よりこれが方法を講したりとするも、未だ十分にその目的を達するに至らす蓋し旧土人の皇化に浴する日向浅く、その知識の啓発、頗る低度なりとす。」
「明治初年から対策を講じてきたけど、まだまだ不十分だよ。なぜなら、原住民が天皇の恩恵を受けるようになってからまだ期間が短かくて知識レベルがとっても低いからだよ」ですよね?
やっぱり誤用だわ。蓋し、法律の世界では誰かが始めたそういう使い方が普通だと思って、使われてきたのよね。(笑)

似たようなのが医学の世界にもあるわよ。
「口腔外科」って知ってます?お口の中を見てくれるお医者さん。
これって、医学界では「こうくうげか」と読んでます。でも日本語で「腔」は「こう」です。「くう」とは読みません。でもみんな「こうくう」と読んでしまってます。
辞書をひくと「こうこうの医学会における慣例読み」となってました。間違いとは認めたくないんですね。(笑)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
腔って「くう」じゃなくて「こう」なんですか!
正直、口腔外科で親不知を抜いてもらっていらい、ずっと「くう」と読んでました。空っていう字がついてますし、これが音なんだろうとばかり……

ただ、名詞の場合には特にわざとの場合があると思います。「こうこう」だと読みにくいですしね。商売関係などの人は数字を聞き間違いのないように工夫して読んでいたりしますね。

参考になりました。

お礼日時:2004/12/21 06:43

本来的な意味で言えば「思うに」です。


「けだしもっともである」
などと使います。
「なぜなら」と言う意味は我妻栄という民法学者が間違って使って、それが広まったものです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
有名な学者というのは我妻栄先生なんですね。
参考になりました。
とはいえ#1の方の情報によれば、すでに明治32年に使われていて、我妻先生は明治30年生まれ……
我妻先生の誤用とするのはあまりにかわいそうな気がしました。

お礼日時:2004/12/19 22:47

それは誤用といった人が誤用してます。


法律用語でわからないことがあったら、ちゃんと法学部を出て少なくとも法律関係の国家試験に受かった人に聞きましょう。

けだしは法律用語ではありませんが、学者や裁判官がかつてよく使っていた言葉です。最近の判例をつぶさに精読されていらっしゃる方なら、最近の最高裁ではそのような言い回しはされないことをご存知でしょう。
ちなみに裁判官も国家公務員ですが、国家公務員向けに漢字の使い方のマニュアルはたくさん出ています。

「けだし」という言葉がどういう意味かわからない人が、これを読んで前後関係から適当に意味の当てはまる言葉を考えついたのでしょう。実際には「思うに」という意味で使われていました。
思うに~~蓋し~~随って、などと使われることもかつてはありましたので、あまり国語力のない人が適当に誤解して広めたのでしょう。
私の経験上、そういう誤解釈は聞いた事がないので、よほど??な大学でしか広まっていないと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
確かに文部省用字用語例によるとけだしの意味は「多分、大方」となってますね。
それで最近は使わないのかもと思いました。

お礼日時:2004/12/19 22:49

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