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停電中の送電線(三相交流)に三相短絡接地を行い作業にあたっていたとします。
そこへ誤って送電された場合、三相中一相の送電線に触れて作業をしていた作業員は、対地間で感電するか?しないか?
という問題を職場の先輩より出題されました。

条件設定として
・変圧器2次側Y結線の中性点接地あり
・51、51G等の保護継電器あり
・接地線、変圧器、送電線は焼き切れない

ということを前提に、仲間内と話し合ったり自分なり
に考えてみたところ送電線三相を短絡接地した回線に
たとえ送電されても地絡電流は一切発生しないという
結論に達しました。
ということは、作業員は感電しないという答えになり
ますが、気持ち的に釈然としない部分があって、先
輩にはまだ回答していません。
私の知識だけでは、その場合のベクトル図すら描けず悩みました。
私の考えは、誤りでしょうか?
みなさんどう思われますか?よろしくお願いします。

A 回答 (6件)

基本的には感電しません。

それは、接触する送電線が接地されているため、その送電線が対地と同電位であるからです。(地絡電流で考えるのではなく、接触する場所の対地電位で考えたほうがわかりやすいと思います)
 しかし、非常に大きな短絡電流(77kV送電線で10kAを超える場合もあります)が流れますので、接地点から離れた場所(電源側)の送電線では、送電線のインピーダンス(オーム)×短絡電流(A)の電圧が生じるため感電することもあります。こうしたことから、接地線は、人が接触する場所の電源側につけることが前提となります。

 また、接地線が短絡電流で溶断してしまうと感電します。その前に保護継電器が動作するように51の整定をしておかなければなりません。通常、送電線の溶断対策として51の動作時間は50mS以下としています。(51にも、瞬時動作形と限時動作形がありますが、溶断対策は瞬時動作形、過負荷は限時動作形が担当します)また、接地線は60sqの太いものを使用して簡単に溶断しないようにしています。

 地絡電流は、お考えのとおり3相電流の総和は0ですから電源側に設置されている51Gは動作しません。したがって、変圧器二次側の接地は考慮する必要はありません。
 厳密に言えば各相電圧のアンバランスにより完全な0Aにはなりませんので、わずかな電流(見かけ上の地絡電流)が流れますが、通常の負荷電流でも変流器(CT)の誤差によりこうしたアンバランスの電流が流れる可能性があることから、51Gの整定はこうしたわずかな地絡電流では動作しない整定としてあります。

 次にベクトルについてですが、電圧は3相短絡のため、健全時の3相ベクトルをそのまま相似的に小さくしたベクトルとなり、接地点に近づくにつれて小さく(0Vに近く)なります。つぎに電流ですが、3相短絡ですから大きな平衡負荷と同様と考えられますので、通常の負荷と同様に各相120度づつずれた正常なベクトルとなります。ただしその大きさは負荷とは比べ物にならないほど大きいものです。 次に電圧と電流の位相ですが、3相短絡時は、電源(発電機)と送電線のインピーダンスでの短絡となります。このインピーダンスをR分とX分に分解して得られる角度が電圧と電流の位相となり、通常の架空送電線であれば、電源(相)電圧に対して60から70度程度の遅れとなります。

 余談ですが、しゃ断器は、位相が0度か180度(1サイクルを360度とした場合)のときに遮断が完了します。したがって、最初の1相が切れてから120度後に次の相が遮断しますので、時系列的には3相地絡→2相地絡→1相地絡→遮断完了となります。よって、2相地絡から1相地絡→遮断完了までの間は地絡電流が流れます。時間的には数mS程度の間にベクトルはめまぐるしく変化しますが、悪影響を与えるようなことは何もありませんので、通常は考慮していません。


 

 
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この回答へのお礼

ご回答お礼申し上げます。
頭の中で情報を整理しきれず、結論をまとめるに至っておりませんでした。
お陰様で自信が持てました。また、ご回答の中から新たに気づかされた点もあり感謝しております。
ura-pochi3さんの余談から、三相不揃いの差が遮断器に比べ大きいラインスイッチでの誤送電の場合も想定して考察してみます。
ありがとうございました。

お礼日時:2005/01/26 13:23

三相短絡器具を用いた接地の場合でも、地絡電流はかならず発生するでしょうか?



三相短絡接地でも零サイクルで継電器は動作する様に設定されていません。
継電器の動作設定は機器の損傷を防止できるサイクルに設定されているので地絡電流は必ず発生します。

三相短絡(50S継電器の動作時間)動作は零サイクルですか。

この回答への補足

返信ありがとうございます。

aaa999さん>地絡電流は必ず発生します

線間で感電をするしないではなく、質問で述べましたように対地間で感電するかしないかのお話です。

主回線を手で握っている状態で体の一部が鉄鋼に触れていると想定してください。

地絡電流とは接地器具より地面を経由して変圧器二次中性点へ帰る電流です。

三相短絡により、現象的に変圧器中性点2次はないものとなります。よって地絡電流は、発生しないと結論を得たのです。

51、50過電流継電器は動作しますが、51G接地継電器は動作しませんよね?50が動作するまでのごくわずかの時間で感電するしないは問題になってこないはずなんです。
私も問題を提議された時点では、aaa999さんと同じことを考えたのですが…三相短絡というのが本来のポイントになります。
基本事項を省略していましたが、短絡接地は作業地点の電源側としています。

50S過電流継電器の動作時限があると言われても、地絡電流が発生するという根拠になりません。

よろしくお願いします。

補足日時:2005/01/30 12:36
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皆さん発言されて居る様に理論上は感電しないとおもいますが、現実には現場接地は零抵抗値では有りません。


送電線は架空地線で並列されていますが零オームでは有りません、又鉄塔自体の合成抵抗も十数オームはあるでしょう。
この事を考慮すれば作業者には何等かの電撃は生じます。
更に誤送電した場合の継電器の動作設定は機器の損傷を防止できるサイクルに設定されているので地絡電流は必ず発生します、故に現場作業員は必ず電撃を受けます。
元電力会社ラインマン(送電)
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
一相のみの接地であれば、接地抵抗や人体の接触抵抗が左右すると思います。
現場サイド(ラインマン)にとって感電の可能性を探り、現場サイドで出来得るより安全な感電防護を考察していました。

>誤送電した場合の継電器の動作設定は機器の損傷を防止できるサイクルに設定されているので地絡電流は必ず発生します

三相短絡器具を用いた接地の場合でも、地絡電流はかならず発生するでしょうか?
ここを知り得てから、人体の接触抵抗や接地抵抗が問題になってくると思うのです。

お礼日時:2005/01/26 22:30

何故感電しない結論になったのかよく分かりませんが、トランスと接地点の間の電線にはIr、Is、Itの短絡電流が流れます。


 ただIr+Is+It=0にはなると思いますが、1相だけみると電圧ドロップ分(短絡点と接触点)で感電します。
 制御電源をいれずに送電すれば、保護回路が働かず、電線が溶けて、火花が飛んで感電と火傷をすると思います。
 しかし、制御電電を入れないと遮断器が投入できませんね。
 此の辺も考慮して、考えたらどうですか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
作業地点より電源側へ短絡接地をとることを前提としています。漠然と書いた質問にお詫び申し上げます。
ラインマンにおけるフェールセーフを考察しておりました。

お礼日時:2005/01/26 22:53

送電線の電圧、こう長、短絡接地の位置、人体や短絡接地の接地抵抗などによっては問題になるでしょう。



最も送電側に接地がされていれば送電線のインピーダンス+人体の接地抵抗のほうが短絡接地抵抗より大きくなり電流の多くは短絡接地に流れます。(とはいっても短絡接地の接地抵抗地による)

人体の電流=送電電圧/(線路抵抗(R+jωL)+人体の接地抵抗(r))
短絡接地の電流=送電電圧/(線路抵抗+短絡接地の接地抵抗)

夏場で靴の中の足や手に汗をかいていれば接地抵抗は限りなく下がります。機器の外箱に片手を付いていれば人体の接触抵抗はほぼ0オームになります。
短絡接地をつける場所の接地抵抗は1オーム程度でしょう。

50kmの送電線の受端に短絡接地をつけ、送電端で作業をしている場合、線路インピーダンス(ωL)は数オームなので人体にも流れることになります。

51Gが動作し遮断器が開放されるまでの時間は送電され続けるのでその間は電圧が人体にかかり電撃を受けます。
電撃を受けることで心臓停止などの危険性が、また電撃による副次的な災害(腕が硬直して別のものに当たって受傷するとか、墜落するとか)の可能性があります。
(電流は分流してくれるが、電圧は人体に印加されている)
51G等の不動作があれば上位が飛ぶまで送電が継続されます。

短絡接地をしただけでは安全な作業方法とはいえません。遮断器を引き出したうえでキュービクルをを施錠し、遮断器の操作電源を切り、投入スイッチに作業中の札をつけて施錠するなど操作を禁止するなど何重ものリスク回避策が必要です。さらに労働安全衛生法では作業者自身に高圧電気取り扱いの特別教育を、電気事業法では主任技術者による作業の計画と安全確保のための指示を要求しています。

短絡接地はあくまでも残留電荷を放電したり、平行している送電線等からの誘導電荷を放電する目的でおこなうものです。

これだけ対策したとしても架空送電線の場合では
・落雷(直撃、誘導)
・平行している送電線の短絡事故による誘導電流
・降雪時の雪による充電
・中波放送送信所近くではラジオ電波の誘導
などが発生し感電の危険性があります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
残留電荷や誘導電位を放電することだけを目的とした場合、作業個所が三相中一相だけの場合においては、接地は1相だけでもいいということになりますよね?
他の相に触れる心配がなくてもNo.4の方の回答を理由に三相短絡接地は現場サイドにとって必要不可欠だと思うのですが…
また三相短絡接地の場合、51Gはかぎりなく動作しないとみるべきではないでしょうか?
三相短絡接地の場合、対地間での感電の可能性は低いとみるべきですよね?

お礼日時:2005/01/26 14:36

>送電線三相を短絡接地した回線にたとえ送電されても地絡電流は一切発生しないという


結論に達しました。

 *(作業用)三相短絡接地と作業員の電源からの位置関係を考え、
   過渡現象としての事故電流経路を考慮すると、作業員の位置によっては
   瞬時には「感電としての充電」がされるかもしれませんね、
    ただ、感電と感知できる電流が人体に流れるかは
   インピーダンスで考えてみて下さい。
  
 **作業接地を掛けているラインに強制送電すると、
  変圧器容量(短絡容量)によっては、
  接地短絡箇所の接地線が爆発的に飛び散ったりして
  接地短絡箇所の作業員の「被災(アークで火傷)」や設備が破損した例を、
  体験談を聞いたり、写真を見せられていますので、
  誤送電されないよう、自らは誤送電操作をしないよう、
  気をつけましょう。
  
  
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

まずは、電源側への短絡接地が肝心ですね。

実際問題としては、電路の一番弱い個所が溶断し、感電の確立が高まると思っています。

お礼日時:2005/01/26 23:16

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