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ゼーマン分裂の励起状態って外部磁場と反対の方向に向いてスピンしているのは本当ですか?NMRで共鳴時にスピンが回転するってこととの整合性がわからなくなりました。

A 回答 (6件)

歳差運動の周波数に対応するラジオ波で共鳴するだけで、全核は同じ方向に歳差運動をします。

歳差運動をしながら、安定な方向を向いていた核スピンは歳差運動の角度が大きく成って
90度を越えて、不安定な方向を向きます。ここで、ラジオ波を切って、スピンが基底状態に
戻る時、発するラジオ波を受信した後フーリエ変換して、横軸ケミカルシフト、縦軸強度で
図にします。試料濃度が薄い場合は、積算してS/N比を良くします。フーリエ変換のメリットは積算出来ることです。
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この回答へのお礼

>歳差運動の周波数に対応するラジオ波で共鳴するだけで、全核は同じ方向に歳差運動をします。
ありがとうございます! 教科書レベルでも逆方向を一定数向いていると書いているのが多いので、コンフューズしてしまいました。
そのような「エネルギーの量子化」はしていないのは安心しました。
Referenceあれば教えて頂ければ幸いです。

お礼日時:2020/08/09 17:33

WebサイトでNMR情報を探って見て、私の知識が余りにプリミティブであることに恥じ入りました。

ただ、原理原則はそう間違ってないと思います。
古典像で歳差運動をするスピンの傾きが大きくなって行くのは、スピンが反転する比率が増えていく状況と解釈するようですね。つまり、反転したスピンが元の方向のスピンと同じ数になった状況を、古典像では磁場から90°の方向を向いて歳差運動をしていると見なしているようです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。情報探って頂いてありがとうございます。
人間がどう解釈するかの問題な気もしますね。。
歳差運動をするスピンの動きで考えた方が、スピンの位相も考えやすく、NMRの理解はしやすいので、そちらで考えたいと思います。

お礼日時:2020/08/11 09:43

化学分野なら,光スペクトルの話であるゼーマン効果なく、多分NMRが問題になると思います(ESRかもしれませんが…)。


NMRでは水素原子核(陽子)のスピンが多くの場合問題になるようです(例えば、MRIは陽子のスピンの共鳴現象を見てます)。陽子は±h/4πのスピン角運動量Sを持ってます。陽子の磁気能率μはスピン角運動量と同じ方向を向いてます(電子は負電荷を有するので両者の方向は逆である)。磁束密度Bが加わった時、S=h/4πの陽子の磁気能率は磁束密度と同じ方向を向き、S= -h/4πの陽子の磁気能率は磁束密度と逆の方向を向きます。磁気能率μは-μBのエネルギーを有するので、低エネルギー状態になる訳です。
すると、外部からhν=2μBの振動数νの電磁波を照射すると、そのエネルギーhνを吸収して、S=h/4πの陽子はS= -h/4πに変わり、S= -h/4πの陽子はS= h/4πに変わることが出来ます。この時、陽子のスピンはひっくり返る訳です。
このhν=2μBの条件はν= (2μ/h) Bになります(1式)。
  ν= (2μ/h) B  (1式)
さて、磁気能率μは周回電流Icと周回面積Acの積と表されます(2式)。
この角運動量(m v r)にh/2πを代入するとμ= (e/2m) h/2πとなります(3式)
  μ= Ic Ac = [e v/(2πr)]ν (πr^2)= e v r/2= (e/2m) m v r  (2式)
  μ= (e/2m) h/2π  (3式)
このμを(1式)に代入すると次の(4式)になります。これが陽子が振動数νの電磁波を吸収する共鳴条件です。
  ν= e B/(4π m)   (4式)

このνは、光スペクトルが磁束密度Bが加わった時にゼーマン効果で高振動数側と低振動側に等量づつずれる値Δν’と同じ形をしてます(5式)。
  Δν’= ±e B/(4πm)  (5式)
このゼーマン効果の場合は、電子のL= ±h/2πの軌道角運動量の軌道からL= 0の軌道に変わる状況と考えることが出来ます。したがって、軌道角運動量がひっくり返るとは言えません。

古典物理学では、このような共鳴現象を、例えば陽子の磁気能率が傾きながら磁場の回りを歳差運動し始めると解釈します。歳差運動の振動数を計算すると、(5式)のΔν’とおなじ値を得ます。歳差運動の計算はややこしいですが、磁気能率をスピン角運動量あるいは軌道角運動で表すと、上記のように簡単に計算できます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>陽子は±h/4πのスピン角運動量S に対して、磁束密度B中での挙動を模式図で表すと、以下のURLにあるようなゼーマン分裂の図になるのですね。順方向と逆方向を向いているスピン。
https://www.chem-station.com/blog/2018/01/nmr.html

その図と、以下にあるようなNMR時の歳差運動が倒れるのと相関がやはり難しいですね。多分、NMRの図のスピンは合計のスピンということなんでしょうが、共鳴エネルギーを吸収した状態が、「@NMR 歳差運動のスピンがまわっている」のと「@ゼーマン分裂 外部磁場に対して、逆方向を向いている」のの二つがあり、同じでないと思ってしまいます。。同じでないということであれば、別にいいのですが。。
http://www2.kanazawa-it.ac.jp/higuael/nmr_basic. …

お礼日時:2020/08/10 10:26

ゼーマン分裂の意味を誤解してましたので、 #3回答を補正します。


ゼーマン効果は、本来、高温でガス状態になった原子内の電子が励起状態からよりエネルギーの低い状態に移る際の発光スペクトルが分裂することを観測したものです。先の回答は、この意味でゼーマン効果を使ってます。
このゼーマン効果は、基本的に軌道角運動量の変化を観測するする現象で、スピン角運動量も影響しますが副次的です(スピンの値でスペクトルは微妙に変化するが、スピンの値は変わらない)。一方、核磁気共鳴(NMR)や電子スピン共鳴(ESR)では、スピン角運動量の変化を観測しようとするものです。
どちらも、角運動量がもたらす磁気能率(磁気モーメント)が磁場中で有するエネルギーの変化を見ているのですが、NMRやESRで起きている現象はゼーマン効果とは言えないと、私は考えてました。
ところが、NMRやESRと言ったスピンが変わる現象もゼーマン効果と説明する文献もあるようです。また、スピンが異なる状態が磁場中で生じるエネルギー差を”ゼーマン分裂”と呼ぶ例は多いようです。
#3回答は、そういうことを知らないまま書いてます。
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この回答へのお礼

電子のゼーマン分裂を原子核にもということですね。ありがとうございます。

お礼日時:2020/08/09 17:53

電子は、それ自体でスピン角運動量を有してますが、原子の中では軌道角運動量も有してます。

スピン角運動量は±h/4π、軌道角運動量は(軌道状態に応じて) ±h/2πの整数倍を取り得ます。そして、どちらの角運動量も変化する際には、変化量は±h/2πに限られます。
そして、それぞれの角運動量は磁石のような働きをもたらします(専門的に表現すれば、磁気能率をもたらします)。その磁石の大きさは角運動量に比例して、質量に反比例してます。電子は、これらの磁気能率と磁場の積のエネルギーを磁場中で有してます。
ゼーマン効果は、軌道角運動量の違いがh/2π異なる高エネルギー状態から低エネルギー状態に移る電子が、そのエネルギーに匹敵する光を出す現象です。例えば、軌道角運動量がh/2πあるいは-h/2πから0に変わる場合です。原子内でそれが起こる場合には、電子のスピン角運動量は変わりません。
したがって、ゼーマン分裂やゼーマン効果をスピンに関係付けることは出来ません。また、軌道角運動量は例えばh/2πから-h/2πのようにh/πの変化は出来ませんので、それが反転するという状況はあり得ません。

ただし、スピン角運動量が変化する現象では、スピンが反転すると言える場合があります。それが起こっているのが、電子のESR(Electron Spin Resonance)だったり、病院のMRIに使われているNMR(Nuclear Spin Resonance)です。陽子も電子と同じ±h/4πのスピン角運動量を持ってます。
この場合、電子や陽子の磁気能率と磁場の積で決まるエネルギー差と同じ電磁波を外部から加えると、スピン角運動量がh/2πだけ変化します。それはh/4πと-h/4πの間の変化なので、スピンが反転したと見なすことが出来ます。
(ちなみに、その時使われる電磁波は、磁場の強さで代わりますが、電子でGHzオーダーとしたら、電子よりも約1800倍重い陽子ではMHzオーダーになります)

なお、角運動量が変わる際に吸収するエネルギーが、古典物理の歳差運動のエネルギーと一致します。古典力学では、スピンや軌道角運動量が変わる量子状態の変化すると説明できませんので、歳差運動と説明します。しかしながら、量子状態の変化が実際に起こっているのです。
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この回答へのお礼

化学畑出身なのですべて理解できたかわかりませんが、ご回答ありがとうございます!
核の話か電子の話がわからなくなりましたが、
核のスピンでも同様に、角運動量が磁場中では、量子化しているということでしょうか? その時の向きは、外部磁場と反対向きなのでしょうか? 磁場の向きは歳差運動が倒れる方向で、その歳差運動の周波数が早くなっている(角運動量が大きくなっている)というイメージでしょうか?

お礼日時:2020/08/09 17:49

ゼーマンは電子を磁界へ向かって放つと、電子は磁界と並行に2つの対称な位置に別れることを実験で見つけました。

これで、電子に磁気のある事を発見しました。これを発展させた
分析装置はESRといいます。電子のスピンの反転は熱エネルギーでも起きます。
NMRは原子核のスピンを見るものです。共鳴時にスピンが回転する、の共鳴は、外部から照射する
ラジオ波で共鳴し回転します。共鳴してラジオ波からエネルギーを得てスピンは高いエネルギー状態へ反転します。

電子や核が回転しているのを見た人はいませんが、そのように考えると上手く説明出来ると
言うことです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
ゼーマンさんの、電子のスピンの話、初めて知りました。確かにそれで順方向と反転方向を確認できるというか、そう考えると説明できるということですね。

一方、原子核のスピンが磁場中で、順方向と反転方向という状態は、違う(確認されていない)ということでしょうか?
単純に、歳差運動の周波数に対応するラジオ波で共鳴するだけで、その励起状態が反転方向ではないという認識で宜しいでしょうか?
以上、重ねてになりますが、ご確認の程宜しくお願い致します。

お礼日時:2020/08/05 17:08

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