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電子伝導の易動度について、遷移金属のd軌道電子は、バンドギャップの電子と比べて、どのぐらい大きい、または小さいですか?

A 回答 (3件)

自由電子がd軌道である金属のドリフト易動度は、シリコンやゲルマニウムの真性半導体の易動度に比べて桁違い小さいです。

ただし、金属に近い自由電子密度の半導体では、金属に似た値になります。このため、その違いの一番の原因は、半導体の易動度を測定する条件が、金属に較べて極く小さい自由電子密度なことにあると考えます。

TiO2やFe2O3も絶縁体ですので、実質的に自由電子が存在しないので、ドリフト移動度の考え方(概念)が使えません。
d軌道由来のドリフト移動度は、d族金属に対してだけに使える概念であると思います。

なお、前回回答中の「半俗も反動他も」は「金属も半導体も」の打ち損ねでした。
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この回答へのお礼

なるほどです。とても勉強になりました。
物質の色と、電子伝導性の関係について考えてた時に、真性半導体のハンドギャップ由来の色だったら、だいたいの相関があるなって話だと思うのですが、
d-d遷移で色ついてるものはどうなんだとうと思い、質問させて頂きました。

お礼日時:2020/09/16 17:34

Au, Ag, Cu等の典型的な金属の良好な電気伝導度がd電子と関与していることは確かだと思いますが、d電子がs電子の内側にいるのか外側にいるのかははっきりしてないのではないでしょうか。

私は、原子の一番外側の電子だけが、その原子の特性を決定すると考えるのが自然であると考えるので、これらの金属のd電子は、s電子の外側にいて、電気伝導度を決定していると考えます。

セラミックスについての知識はありませんが、金属酸化物はAl2O3がそうであるように典型的な絶縁物なので、その電気伝導機構を考えることは普通はありません。そのような材料で易動度を問題にするのは、超伝導現象と関係している訳ですか? 金属の酸化物を含むセラミックが超伝導体になる機構は判ってないと思いますが、少なくとも金属や半導体における電導機構とは全く異なるので、電界中の電荷担体の易動度はほとんど意味が無いように思います。

さて、私が示した半導体のドリフト易動度の値は、室温でのほぼ上限値です。そして、それぞれの材料の真性半導体の値と見なされていると思ってます。そして、それが金属並の低い値になる状況は、自由電子あるいは正孔の密度が金属の原子密度(≈半導体の原子密度)の数百分の1程度以上になる状況です。大雑把には、半俗も反動他も電荷担体密度が増えるとドリフト易動度が大幅に低下する訳です。それが、電荷担体が原子によって散乱されたためか、電荷担体同士の散乱によるものかの判別は難しいと思います。少なくとも半導体では、後者の寄与の方が大きいと考えられていると思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>Au, Ag, Cu等の典型的な金属の良好な電気伝導度がd電子と関与していることは確か
なのですね。
では、d軌道由来の電子伝導の易動度は、真性半導体の値に比べて、小さいのですね。

>セラミックスについての知識はありませんが、金属酸化物はAl2O3がそうであるように典型的な絶縁物なので、その電気伝導機構を考えることは普通はありません。
確かにそうですね。例えば、Fe2O3などのような材料をイメージしておりました。

>大雑把には、半俗も反動他も電荷担体密度が増えるとドリフト易動度が大幅に低下する訳です。
では、一般的にd軌道由来の電子伝導のドリフト易動度と、バンド構造由来のドリフト易動度を比較するためには、
同じぐらいの電荷担体密度の材料で比べる必要があるということですね。
TiO2とFe2O3とかで温度で電荷担体密度をそろえて比べるとかでしょうか?

お礼日時:2020/09/16 10:09

電導性は、金属は易動度でなく伝導度ρ、あるいはその逆数の比抵抗σで表して、半導体では易動度μで表すことが普通です。

ρ= 1/σ = μ n EFの関係があります(n: 電荷担体密度, EF: 電界強度)
それは、金属の電子密度が大体一定で原子密度にほぼ等しいことに対して、半導体中の自由電子や正孔が、そこに入れるn形やp形の不純物に応じて桁違いに変わるからです。さらに、自由電子や正孔の密度が増えると移動度は桁違いに下がり得ます。
もっとも、Au, Ag, Cu等の代表的な金属はそれぞれ5d, 4d, 3d族元素ですが、同じd族でも原子番号が若い側では比抵抗は2桁ほど高くなります。
ですから、d族金属と半導体の移動度μを単純に比較することはあまり意味がありません。
強いて表せば、Cu等の代表的な金属ではμ≤ 50 cm^2/Vs、半導体は素材で大きく変わり、自由電子の高い方ではGaAsのμ≈ 9,000cm^2/Vs, Ge: 4,000cm^2/Vs, Si: 1,500cm^2/Vs程度です(室温)。正孔のμはSiやGeでは自由電子の1/3程度の傾向があります(GaAsは大幅に低く≈1/200)。ただし、半導体の自由電子や正孔の密度が高い時は、数千cm^2/Vsあったものでも金属並の値になります。どちらの移動度も温度が下がると増大します。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
確かに、金属で電荷担体密度ってほぼ一定ですね。なるほどです。

今、「遷移金属のd軌道電子」とは、セラミックスMOx等を考えていました。分かりにくくて申し訳ございません。
(金属があまり詳しくないのですが、それらの易動度 外殻のs軌道の割合が大きいのでしょうか?)

おっしゃって頂いたものは不純物半導体の値ということで宜しいでしょうか?
とても大きな値ですね。
真性半導体の場合は、低い値になるのでしょうか?
また、金属の比較的低い値は、散乱由来でしょうか?

お礼日時:2020/09/15 18:49

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