No.3ベストアンサー
- 回答日時:
いくつか例を示します。
(エ)ぐらい複雑になれば未定係数法(連立方程式)のほうがよいでしょう。(ア)NH3 + O2 → NO + H2O
O(酸素)は3か所にありますが、このように《3か所以上あるもの》は後回しにするのがコツです。
Hを合わせます。3と2の最小公倍数で、6になるように、それぞれ2倍と3倍します。
2NH3 + O2 → NO + 3H2O
Nを合わせます。
2NH3 + O2 → 2NO + 3H2O
Oを合わせます。右辺のOは5個なので、左辺はとりあえず分数を使って
2NH3 +(5/2)O2 → 2NO + 3H2O
全体を2倍して分母を払います。
4NH3 + 5O2 → 4NO + 6H2O
(イ)NO2 + H2O → HNO3 + NO
Nは3か所、Oは4か所にあるので後回しにします。
Hを合わせます。
NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
右辺のNは3個なので、左辺のNを3個にします。
3NO2 + H2O → 2HNO3 + NO
Oは偶然合っています。
(ウ)Ag + HNO3 → AgNO3 + NO + H2O
Nは3か所、Oは4か所にあるので後回しにします。
Hを合わせます。
Ag + 2HNO3 → AgNO3 + NO + H2O
Oの数が左右で合わないので、係数を増やします。このとき、HNO3の係数は必ず偶数なので、次は4にします。H2Oの係数をこれにあわせて2にします。
Ag + 4HNO3 → AgNO3 + NO + 2H2O
右辺のAgNO3とNOはあわせて4個になるので1:3、2:2、3:1のどれかですがそのうちOが12個になるのは3:1だけです。あとはAgを合わせます。
3Ag + 4HNO3 → 3AgNO3 + NO + 2H2O
(エ)Cu + HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + H2O
Nは3か所、Oは4か所にあるので後回しにします。
Hを合わせます。
Cu + 2HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + H2O
右辺のNは現在3個なので左辺のNを増やします。HNO3の係数は必ず偶数なので、次は4にします。H2Oの係数をこれにあわせて2にします。
Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + 2H2O
右辺のNを4個にするにはNOの係数を2にするしかありませんが、それでは合わないので次はHNO3の係数を6にします。
Cu + 6HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + 3H2O
するとCu(NO3)2とNOの係数は1:4、2:2が考えられますがいずれも合わないので次はHNO3の係数を8にします。
Cu + 8HNO3 → Cu(NO3)2 + NO + 4H2O
するとCu(NO3)2とNOの係数は1:6、2:4、3:2が考えられ、そのうち3:2にするとOの数が合うのであとはCuを合わせます。
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 2NO + 4H2O
ご回答ありがとうございました。
とても親切にいくつもの例を挙げていただき、参考になりました。
とても分かりやすかったです。
ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
No.5の解法は、イオン・酸化剤・還元剤・酸化数の知識が必要です。
そこに自信がない場合は、未定係数法を使うことになります。K2Cr2O7 + H2SO4 + Na2SO3 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + Na2SO4 + H2O
全部にa~gと未知数をつけても計算できますが、ここでは、とりあえず行けるところまで見当をつけておきましょう。
K2Cr2O7 と Cr2(SO4)3 の係数は同じ。(どちらもCrが2個で、他の物質にCrは無いから)
H2SO4 と H2O の係数は同じ。(どちらもHが2個で、他の物質にHは無いから)
K2Cr2O7 と K2SO4 の係数は同じ。(どちらもKが2個で、他の物質にKは無いから)
Na2SO3 と Na2SO4 の係数は同じ。(どちらもKが2個で、他の物質にHは無いから)
ということで、未知数はa,b,cの3つで済みます。
a K2Cr2O7 + b H2SO4 + c Na2SO3 → a Cr2(SO4)3 + a K2SO4 + c Na2SO4 + b H2O
Sに関する等式 b + c = 3 a + a + c ⇒ b = 4a (ア)
Oに関する等式 7a + 4b + 3c = 12a + 4a + 4c + b ⇒ 3b = 9a + c (イ)
(イ)に(ア)を代入すると、3a = c (ウ)
a=1とするとb=4, c=3となり、これが正の整数で最小の解です。
何度も回答を頂きありがとうございます。
私はあまり酸化剤、還元剤があまり詳しくないのでこちらのほうを重点的にやっていきたいと思います。
本当に参考になりました。ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
K2Cr2O7 + H2SO4 + Na2SO3 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + Na2SO4 + H2O
これで、推奨できる解法は酸化数を使うものです。そう判断できるには、K2Cr2O7が強い酸化剤であることを知っている必要があります。酸化剤で有名なK2Cr2O7があるのだから酸化還元反応だろう、では相手の還元剤は?と見ると、Na2SO3があります。
酸化還元反応とみたら、まず酸化数を計算してみるのが定石。これも、慣れた人はK2Cr2O7のCrが+6だと覚えていますし、K,O,H,Naの酸化数が変化していないこともぱっと見でわかるのですが、わからなければ一つずつ調べることになります。
酸化数を計算するには、K2Cr2O7は 2K[+] + Cr2O7[2-]と電離する、Cr2(SO4)3は 2Cr[3+]と3SO4[2-]と電離する、Na2SO3は 2Na[+] + SO3[2-]と電離する、なども理解しておく必要があります。
酸化数の計算結果はつぎのようになります。
(1)Kは+1、Oは-2、Hは+1、Naは+1で、左辺と右辺で変化していません。
(2)K2Cr2O7のCrは+6で、Cr2(SO4)3のCrは+3 ですから3減っています(電子を3個受けとることを意味します)。Crは2つあるので、それぞれが電子を3個受けとるから、6個受けとることになります。
(3)Na2SO3のSは+4で、Na2SO4のSは+6ですから2つ増えています。つまり、電子を2個放出することになります。
(2)と(3)の電子の収支を合わせると、K2CrO7に対してNa2SO3は3倍の物質量が必要なことがわかるので、
K2Cr2O7 + H2SO4 + 3Na2SO3 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + 3Na2SO4 + H2O
あとは例の手順で、5か所あるSを、7か所あるOより優先します。右辺のSは7個なので、H2SO4の係数を4にします。Hの数を合わせるため、H2Oの係数も4にします。
K2Cr2O7 + 4H2SO4 + 3Na2SO3 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + 3Na2SO4 + 4H2O
Oはこれで合っています。これは偶然ではなくて、最初に酸化数で合わせたのが効いているのです。
No.4
- 回答日時:
確認ですが、熱化学方程式のほうではないですよね?
ちなみに私のは高3レベルですよ。慣れれば楽です
化学反応式を計算するときは、酸化等の有無、実験内容、化合物中の単体の酸化数が分かっていれば簡単に解けるかと。
ちなみにどんな問題でどこら辺が分からないのでしょうか?
この回答への補足
何度もご回答いただきありがとうございます。
高3の問題だったんですね。難しく見えてしまいました。慣れれば楽だと分かっているんですが・・・。問題は
K2Cr2O7 + H2SO4 + Na2SO3 → Cr2(SO4)3 + K2SO4 + Na2SO4 + H2O
等という問題です。初歩的な問題ですみません。
どこから係数を合わせたらいいか分からないんです。
こういう式の場合どういうところから係数を合わせたらいいのでしょうか?
また途中で係数が合わなくなった場合、どこに目をつけて、どこから計算し直したらいいか教えてください。
じっくり計算すれば出るんですが、これからは大学生なんでじっくり計算する時間も無いと思うんです。
なので、計算時間が省ける計算方法や係数の見当が早く付く方法がありましたら教えてください。
こんな質問ですみませんが、お願いします。
No.2
- 回答日時:
どれぐらいが複雑なのかわかりかねますが・・。
例:硫酸成果マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素 水を加える場合
まず半反応式から考えます(半反応式はご存知でしょうか?)
1.過マンガン酸カリウムは酸化剤としか働かないので、
自身は還元されます。
MnO^4[-] →Mn[2+]
2.左辺の酸素の数(4つ)と右辺の酸素の数が等しくなる ようにします
MnO^4[-] →Mn[2+] + 4H^2O
3.右辺の水素の数(8こ)と左辺の吸いその数を合わせま す
MnO^4[-] + 8H[+] →Mn[2+] + 4H^2O
4.電子の数を合わせます。電子は水素イオンのあるほう に加えます
MnO^4[-] + 8H[+] + 5e[-] →Mn[2+] + 4H^2O
次に過酸化水素水について考えます。
1.過マンガン酸カリウムが酸化剤ですので、過酸化水素 水は酸化されます。
H^2O^2 →O^2
2.酸素の数は等しいので吸いその数を合わせます。
H^2O^2 →O^2 + 2H[+]
3.電子の数を合わせます。
H^2O^2 →O^2 + 2H[+] + 2e[-]
これで準備完了です。
電子を消すようにして(最初の式×2 + 後の式×5)
2MnO^4[-] + 6H[+] + 5H^2O^2 →2Mn[2+] +8H^2O +5O^2
過マンガン酸カリウムですので K[+] 2つを両辺に加えます
2KMnO^4 ・・・・・→2Mn[2+] + 8H^2O + 5O^2 +2K[+]
左辺の 6H[+] を消すために、硫酸イオンを加えます(硫酸性ですので)
2KMNO^4 + 3H^2SO^4 +・・・→2MnSO^4 ・・・+K^2SO~4
で完成になります。一応完成した式は
2MnO^4 + 3H^2SO^4 + 5H^2O^2
→2MnSO^4 + 8H^2O + 5O~2 + K^2SO^4
になります。それではがんばってください。
必ず紙に書いて確認してください
この回答への補足
どれもこれから活用できそうな計算方法で、参考になるのですが、できれば高校3年生レベルの化学反応式の係数の計算の仕方を教えてください。
はやく計算できる方法もありましたら教えてください。
わがまま言ってすみませんが、お願い致します。
No.1
- 回答日時:
すべての化学式の前に係数を文字(a,b,c,など)でつけて、式の両辺で原子の個数が合うように連立方程式を立てる。
式が4本とか5本になることもあるでしょうが、一次方程式なので簡単に解けるはずです。
簡単な例を示すと、
(a)C3H8 + (b)O2 → (c)CO2 + (d)H20
プロパンの燃焼の式ですが、(a)~(d)が係数です。
C原子について、3a = c
H原子について、8a = 2d
O原子について、2b = 2c + d
とし、連立方程式を解きます。未知数4つ、式が3つですから、答えは一通りには決まりません。
未知数のうちのひとつを自分で決めます。たとえば、a=1ととりあえずおいておきます。
すると、
c=3
d=4
b=5
ときまります。すべて整数であり、これらの公約数はないので、これがそのまま反応式での係数となります。
もし分数が出てきたら、すべての数字が整数になるように分母の最小公倍数をかけてあげましょう。
係数の比は常に一定になるはずです。
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