ごくたまに、ドップラー効果の式を使って大気中を伝わる音波の振動数fや波長λの変化を計算することがあります。このとき、大気が一定状態、つまり、気温や気圧、風速風向などが変化しない状態ならば、音速Vは音源のスピードuや観測者のスピードvに依らず、一定であるということだと思っていました。しかし、相対論的効果を考慮する必要もないレベルの運動で、速度の加法や減法が適用されないのはなんでだ?とふと思い、色々と考えてしまいました。
その結果、暫定的にですが、次のような結論に至りました。(以下では断らない限り、u、vは正)
①音源がuのスピードで運動する場合:
運動方向に音波を放射すると、音速Vに+uされるが、同時に、音源にとっては、大気がuの速さで向かってきている(=風が吹いている)方向に対向して音を放射することになり、これで―uの効果が加わって、相殺し合い、一定の音速Vとなる。そして、音速一定の下で、振動数fや波長λが変化する。uとは逆方向に音波を放射する場合は、事情が逆になり、やはりVは一定になる。
②観測者がvのスピードで運動する場合:
この場合、①が大気にとっても音波のfやλが変化しているのに対して、大気(つまり媒質)にとってはfもλも変化していない。あくまで、観測者が変化しているように観測する(vがマッハを超えるスピードであれば、衝撃波が生じるなどして、話は違ってくるだろうが)。この場合、本来は観測者にとってVは変化していることになるはずなのだが、あくまで波であって、ボールのような物体ではない。波の変位Δhを観測するのに、観測者が静止している場合、VΔtだけ、波が進む必要があるとしよう。そこで、観測者が音波に向かってvのスピードで運動するとすると、Δhの変位を観測するのに要する波の進行長さはVΔt-vΔtだけ短くなる。これは、観測者にとってλが短くなるのと同時にfが大きくなることになり、それはkfに対して(1/k)λと両方の変化が打ち消し合う効果となる。観測者が音波(波)の速さのデータを得るためには、V=fλで計算する必要があるが、fがk倍になると、λが1/k倍になっているために、一定という計算値を得ることになってしまう。
以上は、音波だけでなく、一定状態の媒質中を伝わる波に言えることであると考える。
どうでしょうか?我ながら、苦し紛れの強引なこじ付けになってしまったという感想なのですが、他にいい考えも浮かびませんでした。一定状態の媒質中を伝わる波の速さが、源や観測者のスピードに依らず一定となることを明示し、その仕組みも解説してくれている教科書をご存知の方はご一報を。
A 回答 (6件)
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No.5
- 回答日時:
座標系に拘るならそれに徹して欲しいな。
なんかいろいろ混ざってますよ。
音源の座標系:
音源速度 u(音の放射方向の速度), 周波数f
音速は V-u に見えるから、波長は λ = (1/f)(V-u)
*** ガリレイ変換で波長は変化しないから ***
音源、観測者、大気のどの座標系でも波長は一緒!
観測者の座標系
観測者の速度 v
音速は V-v に見えるから 振動数 f' = (V-v)/λ
以上から
f' = (V-v)/λ = {(V-v)/(V-u)}f
おなじみのドップラー効果の式です。
No.3
- 回答日時:
ごちゃごちゃして、あまりよく理解できないが、何を難しく考えて
いるかわかりません。
① 速度の加法定理が成立する設定は、S系に対して、uの速度で
運動するS'系でVの速度が u+Vになる、というものです。
今回は、音速Vは、空気に対する速度ですからS'系で音を出しても
S'系では音速はVにならず、V-uです。
なお、「音源にとっては、大気がuの速さで向かってきている(=風
が吹いている)」というのは減少に対する一つの解釈ですから、音の
場合は「たまたま」成り立ちますが、一般性はありません。
例えば、石をVで投げれば、空気の抵抗など細かいことを除き、S系
では V+uの速度になります。
② この場合は何も問題はありません。単に u-V(V<0) となるだけ
です。
No.2
- 回答日時:
>運動方向に音波を放射すると、
>音速Vに+uされるが、同時に、音源にとっては、
>大気がuの速さで向かってきている(=風が吹いている)
>方向に対向して音を放射することになり、これで―uの
>効果が加わって、相殺し合い、一定の音速Vとなる。
大気中の音速は大気に対して一定で充分。
音速は大気の波動方程式から、音源とは無関係に
大気を基準に―定になることが
簡単に導ける。
音源は速度Ⅴで音を打ち出す訳では無く、振動を生むだけ。
その振動を伝えるのは大気で音源じゃない。
No.1
- 回答日時:
単に
・音波が伝播するのは「空気」という媒質であって、音波は常に「空気」の上を伝わる。「音波」は常に「空気」の上に分布・移動します。
・音源がその「空気」に対して静止しているか、運動しているか。
・観測者がその「空気」に対して静止しているか、運動しているか。
というだけのことで解決できませんか?
その空気が「地面に対して静止している」か「地面に対して運動している(つまり「風」のようなこと)」かを考える必要がある場合もあります。
下記などが分かりやすいと思います。
↓
https://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/dopp/dop …
http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/p/wave/dopp/ …
相対論の場合には、この「空気」に相当する媒体が存在しないと考えるので、違った考え方です。(「空気」に対応する「エーテル」という電磁波を伝播する媒体の存在を仮定したが、その存在を確認できる観測結果は得られなかった)
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②の場合をもう少し詳しく、正確に表現するならば、次の2つの場合になります。
Ⅰ.観測者があくまで自分の立場に固執して、変位Δhを観測するのに要した波の長さがvΔtだけ短くなった=波長が短くなった、とし、音速Vは一定のままだとする。これだと、振動数fがその分、大きくならざるを得ないとして計算する。
Ⅱ.観測者が第三者の立場、例えば、大気の立場になって状況を考えるとすると、音波は波長が変わっておらず、自分がvで音波に向かって運動しているために波長が短くなったかの如く観測しているだけだとなり、しかし、変位が早く観測されるのは事実だから、音速Vが相対速度としてV+vとなっていると計算される。
つまり、どちらの立場、見解で音速や振動数、波長を計算するかということです。