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直線検波と比べたときの二乗検波の短所と、その理由を、スペクトル分布を用いて説明する場合、どのように回答すればいいでしょうか。

A 回答 (1件)

AM変調された高周波の場合を考えます。



検波前の信号は以下の形です。

A(1+B sin Wmt)sin Wct

これをスペクトルで表すと、周波数 Wc にキャリアのスペクトルが、そこを中心に、そこから上下に Wm だけ離れたところに変調波のスペクトルがある、という姿になっています。

ここで示そうとしている『検波』は、そのスペクトルから変調波のスペクトルだけを分離抽出するという操作です。

どうすればそれができるか。

たとえば、周波数ヘテロダインを使ってキャリアと同じ周波数の信号を原信号にかけてやると、原信号のキャリアと変調波のスペクトルのセットが『キャリア周波数がゼロとなった場所』と『2Wc の場所』の2つになって現れ、ローパスフィルタを使えば前者だけ取り出せるので検波できそうです。
ローパスフィルタの後に、周波数ゼロ(=直流)になったキャリアの成分をコンデンサで直流カットすれば変調波の成分だけが得られそうだからです。

でも、これはうまくいきません。
変調波の成分として、キャリアの周波数(ゼロ)の周りに、周波数としては絶対値が同じで、正の周波数成分と負の周波数成分の両方を含むからです。
負の周波数とは、交流を円周を回転する信号とあらわしたときに、正の交流とは逆回転するものです。
数式て言えば、180 度位相がずれた信号です。
ですから、そのままでは、絶対値が同じ正負のの周波数成分の合計は常にゼロになってしまいますので、復調できないのです。

同期検波が使えればその一方だけをとり出すことはできますが、それは回路が複雑になるという意味でここでは省略します。

ではどうするか。
そこで使うのが直線検波と二乗検波です。

直線検波は、例えばダイオードの V-I 特性の順方向が直線であるとみなし、『原信号を『整流』して正または負のいずれかの波形成分だけとする』というものです。

実は、この『整流した信号』を数式表現するのは面倒で、数式からスペクトルを誘導できないとここでは考えてください。
そこで、波形からスペクトルを考察します。

これは簡単です。
キャリアの成分は、正負いずれかの成分にはなっていますが、その周波数成分はもとの Wc のママであるのは自明です。

一方、その『包絡線』は、変調波の波形そのものになっています。
このとき、その変調波は、本来の変調波に直流の『ゲタ』を履いているような姿になっているのがわかるでしょうか。
原信号の数式で変調波の前にある『1』の成分がこれです。

そこから、直線検波した信号のスペクトルは、キャリア、変調波、直流、の3成分からなるとします。
周波数ヘテロダインしたときのように負の周波数成分がないのは、検波した時に政府の一報を切り取ったためです。

この結果、直流成分はコンデンサでカットし、変調波に対して周波数がはるかに高いキャリアの成分はローパスフィルタで除去することにより、変調信号の成分だけを抽出することができます。

包絡線成分が変調波であるとみなして復調(検波)することから、この検波法は『包絡線検波』とも呼ばれます。

次は二乗検波です。

こちらは数式表現できます。
単純に現信号を二乗すればいいからです。

原信号を二乗してみてください。ここには書きませんが、直流、Wm、2Wm、2Wc が掛け算された項が含まれた式になるはずです。
2Wc が掛け算された項は、2Wc の前後に変調波の成分を持ったものとなります。

それぞれをスペクトルで表せば二乗検波で現れるスペクトルになります。

そのうち、直流と本来の変調波の成分以外を除去して変調波を抽出するのが『二乗検波』です。

これにはダイオードの V-I 特性のうちの V が小さい部分が二次関数(二乗特性)のように見えることからそれを使います。

ただ、この出力には変調波の2倍の周波数成分も含まれており、変調波の取りうる周波数帯域によっては、基本周波数成分の高域と2倍の周波数成分の低域が近かったり重なったりすると弁別できずに『混変調』を起こすことになります。
だから、その意味では直線検波(包絡線検波)の方がきれいに復調できるということになります。
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