調停について検索中に、ある弁護士のサイトで、書かれていたことに関して質問します。
Q1: 「離婚調停では、話が決裂して成立する見込みのない場合、家庭裁判所が権限によって「調停に代わる審判」を下すことができます。」と書かれていました。また、他のサイトには、「調停の申立人側であれば、いつでも調停を取り下げることができます。」とも書かれていました。離婚調停で、調停申立人の 意向に関係なく 調停員の勧めに従って、裁判官判断による審判になることはあるのですか?なお、申立人は、調停で不成立なら、裁判に訴える予定でいる場合を想定しています。
Q2: 調停について検索中に、ある弁護士のサイトで、「3回にわたる離婚調停が不成立に終わった場合、通常は調停不成立ということで終了してしまいます」と書かれていたのですが、本当でしょうか?3回でなくても、何か目安の回数制限はあるのでしょうか?1回の調停時間は短いこともあり、3回程度では合意できない点がある場合が多いと思いました。また、回数制限があるのなら、調停員から回数のことの説明が最初にあるべきでそうしているのでしょうか?
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
No.2 です。
離婚調停で調停が不成立になった場合、改めて審判の申し立てをしなくても、自動的に審判にすすみ、裁判所が判断(審判)をするのか?
に対する答えは,NO です。
離婚調停が不成立になると,家庭裁判所での手続は一旦終了します。審判には絶対に移行しません。離婚は,家庭裁判所の「審判」という裁判手続で判断することはできないのです。
これと正反対の答えがありますが,その答えは明らかに誤っています。
離婚は,当事者にとって重要な法律関係ですから,それを,当事者の合意なしに,裁判所が一方的に(強権的に)離婚を命じる,あるいは離婚を認めないという判断をするには,当然に法律上の根拠(裁判所にそのような権限を与える法律の規定)が必要です。
家事事件手続法には,審判事項が列挙されていますが,この中に離婚は含まれていません。
離婚事件については,人事訴訟法に規定があり,離婚の可否は,訴訟事件として審理判断されます。
審判手続と訴訟手続は,全く違う手続で,訴訟手続では,公開の法廷で審理がなされ,証拠も,法定された証拠調べ手続で取調べがなされ,法律に従った判断がなされますが,審判手続は,非公開で行われ,証拠も,自由に取り調べることができ,裁判所の判断も,法律の許容する範囲内ではあるものの,裁判官の裁量により,実情に応じた判断がなされるという手続になります。
離婚は訴訟事項ですので,調停が不成立になると,一旦手続が終わり,あらためて,離婚訴訟の訴状を家庭裁判所に提出しなければならないのです。
さて,それで,質問のきっかけになったように,「調停に代わる審判」という,ある意味ややこしい制度が,家事事件手続法で導入されました。
前にも書いたように,「調停に代わる審判」は,名前こそ「審判」ではありますが,その実質は,裁判所による調停案の提示であって,裁判所の最終判断が示されるものではありません。
ですから,受け入れるのが嫌なら,当事者のどちらかが,理由を述べることなしに,単に「異議」と一言言えば(実際は書面を出さなければならないことになっていますが),雲散霧消してしまう,そんな手続です。
ですから,この「調停に代わる審判」が用いられるのは,もう少しで調停が成立するんだけど,そこの話合いがつかない,といったときに,その最後の隔たりを埋めるために,裁判所が,「この案で承知しなさい」といって提示する,それが「調停に代わる審判」なのです。
本来の調停は,当事者が「受け入れる」と言わなければ調停が成立しませんが,「調停に代わる審判」は,当事者が「異議」を言わないと,審判として成立することになります。その点が,調停と違うということです。
「調停が成立する見込みがない場合」に「調停に代わる審判」をしても,「異議」が出されることが確実ですから,そのような無駄なことはしません。「調停が成立する見込みがあるが,すぐには難しい,ただ,裁判所から言えば,異議を言わずに受け入れる可能性がある」という場合の手続です。
このように「調停に代わる審判」は,「調停案の提示」としての性質を有しますので,審判ではできない「離婚」や「離縁」の調停でも使うことができます。また,判決でもすることのできない財産分与・慰謝料の分割払とか,支払期日を先延ばしするといった柔軟な解決も提示することができます。
このように,「審判」と「調停に代わる審判」は,同じ「審判」という言葉を使っていますが,その法的性質は大きく違います。このことをよく理解してもらいたいのです。
そして,の話になりますが,離婚や離縁でなく,遺産分割とか,婚姻費用の分担,離婚と切り離された財産分与だけの請求,こういった事項の調停については,「調停に代わる審判」の後の手続が違います。
これらは,「別表第二事件」といって,家事事件手続法の別表第二と言うところに列挙されています。
これらの事件は,調停が不成立になると,自動的に「審判手続」に移行します。離婚事件とは,そもそもの調停後の手続の流れが違うのです。
この違いもしっかり認識する必要があります。
もちろん,このような別表第二事件についても,「調停に代わる審判」がなされることはあります。その場合も,やはり基本は,最後に残された意見の相違を埋めるため,ということになります。
また,特に遺産分割調停のように,当事者が多数であり,かつ高齢や病気で裁判所に出てこれない当事者がいるような場合に,当事者の全員が揃って調停を成立させることができないことから,誰からも異議が出ないことを見込んで,「調停に代わる審判」をして遺産分割を成立させるということもあります。
このばあいでも,だれかが「異議」を述べると,「調停に代わる審判」はすっ飛んでしまい,本来の「審判手続」で裁判官が審理を進めるということになります。
ここが,離婚や離縁などの「人事訴訟対象事件」と,家事事件手続法の「別表第二事件」との違いということです。
実にご丁寧な再度の説明ありがとうございます。調停についてとても詳しい方のようですね。ただ、他やはり詳しい知識をお持ちのような方の回答で、あなたとは説明の違いがあって、少々混乱しています。もしかしたら、他の方の回答の方が正しいのかもしれませんが、私の見方では、あなたのご説明の方が、受け入れやすく、正しいことを期待したいということで、あなたの方をベストアンサ-にさせていただきます。
No.5
- 回答日時:
●同意しなければ審判にならないとかいうのもあって、少々混乱します。
審判に進むのは、本人の意向に関わらず決められるのでしょうか?↑、先の回答の時に申し上げましたが、離婚調停の場合を申し上げています。勿論、審判で協議するようになります。と、言う様に調停委員は言いますので、それに従わなければ、不調です。
これらの回答は私の実務の経験と確認の為にみた「日本加除出版」からでている「秋武憲一」氏(元審判の裁判官)が書いた「離婚調停」という本の第4版にも記載されています。(この本は調停委員が参考にしています。)
●また、審判に移行すると決めるのはどんな場合でしょうか?例えば不成立の場合裁判にする意向を伝えていても、一方的に審判になることも多いのでしょうか?
↑、この件に関しても先の回答で申し上げましたが、調停の主役は調停の当事者です。調停委員とか裁判官が調停当事者の意向を無視して一方的に何かをする事はありません。
●審判になっても結果に異議を唱えれば、理由なく審判は無効になるのですよね?可能なら補足説明を期待します。
↑、審判で無効になるなんて事はありません。片方が異議を唱えると、それを裁判官が審議します。そして、双方が納得出来ない場合、裁判官が判決を下します。この判決は裁判の判決と同じ意味があります。
審判の判決に不服なら、高裁で争うことになります。審判は裁判と結果的に似たところがあります。審判で不服だったので家裁とか地裁に裁判を申しててることは出来ません。審判から高裁に移行することになります。ただし、高裁に移行しても新たな強い証拠が無い限り審判で決まった通りになる確率が非常に高いです。
補足説明となる再度のご回答ありがとうございます。ただ、私としては、良く分からなくなってきました。他の回答者でやはり調停についてよく知っていると思われる方の説明とは違うからです。また、審判があっても異議を出せば無効になるとは私が調べたネット情報でも出ていたのに、あなたは無効には出来ず、裁判にするしかなく、しかも高等裁判所で、さらに通常審判の結果が変わることはまれというご説明は、更に分からず。たぶん私の理解不足と思います。再度の質問は、さらに混乱しそうで、今回はここまでにしておきます。迷ったのですが、また、本当の所は私には分かりませんが、他の回答者の説明の方が、私には納得しやすく感じました。
No.4
- 回答日時:
>裁判官判断による審判になることはあるのですか?
あります。ありますが実務では少数です。
俗に言う17条決定も、甚だ少数です。
>何か目安の回数制限はあるのでしょうか?
ないですが、2から3回程度話し合っても合意しなければ不成立で終了してしまいます。
簡潔な要点をついたご回答ありがとうございます。ただ他の回答者との説明とは、審判以降について、良く分からない点があって、どのくらいの割合でどんな場合に審判になるのか気になる所です。
No.3
- 回答日時:
●Q1: 「離婚調停では、話が決裂して成立する見込みのない場合、家庭裁判所が権限によって「調停に代わる審判」を下すことができます。
」と書かれていました。↑、このご質問は、「離婚調停」に関するご質問です。離婚調停で調停が不成立になった場合、改めて審判の申し立てをしなくても、「原則」として自動的に審判にすすみ、裁判所が判断(審判)をします。
尚、離婚調停以外の一般(家事)調停の場合は、調停が不調に終わるとそれまでで、自動的に審判に移行することはありません。改めて審判なり裁判の申し立てをする事になります。
●また、他のサイトには、「調停の申立人側であれば、いつでも調停を取り下げることができます。」とも書かれていました。離婚調停で、調停申立人の 意向に関係なく 調停員の勧めに従って、裁判官判断による審判になることはあるのですか?なお、申立人は、調停で不成立なら、裁判に訴える予定でいる場合を想定しています。
↑、調停の主役は、調停の当事者です。離婚調停の制度としては、不調から審判に移行するようになっています。しかし、当事者に何の相談も無く審判に移行することはありません。必ず、このままでは審判に移行してそこで審判の判決を受けることになりますが、いいでしょうか。と、言うお伺いが調停委員からあります。権限によって審判に移行は確かにそうですが、その説明は審判に移行になるまでのプロセスが省略されています。
●Q2: 調停について検索中に、ある弁護士のサイトで、「3回にわたる離婚調停が不成立に終わった場合、通常は調停不成立ということで終了してしまいます」と書かれていたのですが、本当でしょうか?
↑、これは弁護士から見た暗黙の制度のようなものです。調停で時間を費やすよりも裁判に持って行った方が弁護士は儲かります。従いまして、調停は3回でお終いにしましょう。と、言う弁護士の気持ちが働いた結果のもおだと思います。
数年前までは、調停に弁護士が介入した場合、1回で相手方の弁護士が不調にしてしまうケースが多く見られたので、裁判所がこれでは調停制度の崩壊に繋がりかねない。と、言う事で弁護士が介入した離婚調停でも、真摯に協議し1回で不調に終わらせるようなことの中止を、裁判所が弁護士会に申し入れた結果、現在では離婚調停が1回で不調になるようなことはほとんどありません。しかし、質の悪い弁護士の場合だと現在でも1回で不調にするケースもたまにあるようです。
●3回でなくても、何か目安の回数制限はあるのでしょうか?1回の調停時間は短いこともあり、3回程度では合意できない点がある場合が多いと思いました。また、回数制限があるのなら、調停員から回数のことの説明が最初にあるべきでそうしているのでしょうか?
↑、離婚調停の回数制限はありません。しかし、平均値は4~5回と言われています。議論を煮詰めていくことで正当な主義主張を展開するとどうしても多くなります。私の知る限りでは8回とか9回は何人かありました。
分かりやすいご丁寧な説明ありがとうございます。ただ、「離婚調停で調停が不成立になった場合、改めて審判の申し立てをしなくても、「原則」として自動的に審判にすすみ、裁判所が判断(審判)をします。」という点が、他の回答者では、審判に移行することは通常はないとか、同意しなければ審判にならないとかいうのもあって、少々混乱します。審判に進むのは、本人の意向に関わらず決められるのでしょうか?また、審判に移行すると決めるのはどんな場合でしょうか?例えば不成立の場合裁判にする意向を伝えていても、一方的に審判になることも多いのでしょうか?一方的だと、何か変と思います。また、審判になっても結果に異議を唱えれば、理由なく審判は無効になるのですよね?可能なら補足説明を期待します。
No.2
- 回答日時:
調停に代わる審判(家事事件手続法284条)というのは,ちょっと特殊な制度です。
名前は「審判」で,確かに,裁判所から一方的に判断内容が提示されるのですが,その実質は,裁判所による調停条項の提示であって,通常の調停条項の提示と違うのは,通常の調停条項は「受け入れる」と言わないと調停が成立しませんが,調停に代わる審判は,「異議」を述べなければ,審判が確定するというところにあります。この「異議」に理由をつける必要はありません。YESと言わない限り成立しないのか,NOと言わなければ成立するのか,というのが,その違いです。
で,なんのためにこのような制度があるかというと,それは,調停でのラストワンマイルを埋めるためのものです。弁護士のサイトに「話が決裂して成立する見込みのない場合」とありますが,このような場合に,「調停に代わる審判」がなされることは,まず「ない」と思われます。まあ,そういう裁判官もいないわけではないでしょうが,ふつうは,もうちょっとで話ができるんだけど,その細かい部分の詰めが難しい,というときに,裁判官が,これで我慢して受け入れなさい,そうでないと,審判手続になって法律の建前どおりの審判がなされたり,訴訟を提起しなければならなくなりますよ,ということで,「調停に代わる審判」をするというのが通常だと思います。
一方当事者が,裁判やむなしと考えているのであれば,調停に代わる審判がなされても,「異議」が述べられることは明白ですから,そんなときに,無駄な「調停に代わる審判」をすることはないと思います。
余談ですが,上のように「調停に代わる審判」は,その実質が「裁判所による調停条項の提示」ですので,本来の「審判」や「判決」ではできないことも,「調停に代わる審判」ではされることがあります。例えば,離婚で言えば,財産分与や慰謝料の支払いを分割払にしたりすることがあります。
離婚調停の回数については,一応,標準的な回数があるようです。ただし,この3回というのは,その実質は,調停の見込みがあるかどうかを見極めるのに必要な回数が3回ということであって,3回期日があって調停が成立しないなら「通常は不成立ということで終了してしまいます」というのは,どこか誤解があると思います。
裁判所としても,調停を続行するためには,調停委員という貴重な資源を注ぎ込まなければなりませんし,進行中の事件の数が増えると,どうしても事件の進行が遅くなるので,無駄な(成立の見込みのない)事件は,早く終わらせるというのは仕方のないことです。しかし,成立の見込みのある事件を単純な回数で切ってしまうのは,家庭裁判所の職務放棄です。
そのような杓子定規な裁判官もいないわけではないでしょうが,家事事件に精通した裁判官がそのようなことをするとは思えません。上のような弁護士の言い方は,正確とは言えません。
まあ,余計なことですが,弁護士と言っても,それぞれ得意分野もありますし,法律知識や経験も様々です。自分の営業方針もありますから,それぞれのサイトの記述が,あれ?,ということもないわけではないということでしょうね。
ご丁寧な説明ありがとうございます。ただ、ご経験と知識が豊富な方からの、ご説明が多少つかみにくいところはありました。私が特に知りたかったのは、「離婚調停で調停が不成立になった場合、改めて審判の申し立てをしなくても、自動的に審判にすすみ、裁判所が判断(審判)をするのか?」という点で、他の回答者との表現の違いもあって、実際に、どういう場合に一方的な審判がされるのかもっと知りたいと思いました。
No.1
- 回答日時:
Q1:ま、いくら裁判官が判断しても、申立人が同意しないなら、審判にならず、不調に終わらせることができると思います。
もちろん裁判に訴えることも可能でしょう。その場合、調停費用を裁判に訴える時の印紙代に組み込むことができると思います。Q2:うーん、3回も調停に挑戦するってことですか?で、それぞれが不調に終わったってことかな?
1回の調停で、何度も相手側と話し合うってことはありますし、「もうちょいで合意できるかも?」という可能性が見えるのであれば、何度も「期日」を決めて話し合うことは可能だと思います。
だって、そこに至るまで、みんなの時間や交通費などを費やしたのだから、合意できる可能性があるなら、回数制限でチャラにしたくないでしょう?
早速のご回答ありがとうございます。「申立人が同意しないなら、審判にならず、不調に終わらせることができると思います。」というご説明については、他の回答者が、離婚調停の場合には、裁判所側の判断で、当事者の意向に関わらず、一方的に審判に移行されると説明していて、実際はどうなんだろうと思いました。
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