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No.6ベストアンサー
- 回答日時:
> <故意に打ち割ったもの>の動機は、破損している土偶に関連するのか、と思っています。
それを検証・理屈づけるのは、ちょっと難しそうです。
土偶の場合、埋められときやその後に自然に壊れたのではなくて、埋める前に意図的に一部?砕いたという可能性はあるのでしょう。 とにかく、出土物からかなりの部分を接合(抜けはできても)し、原形らしくできることが多いようです。 片足、片手などがないということもあるようですが、焼き物を打撃すれば、一部が粉々になると言うことがあっても不思議ではないです。
銅鏡、青銅鏡だと、割るのは比較的簡単でも、ある程度の大きさの破片にはなって、粉々にはなかなかできないでしょう。 破鏡ではなく、破砕鏡となっているものでも、その遺構の辺りから大部分が出土しないとなれば、破壊そのもの以外の別の事情があったと考える方がイイでしょう。
辻田「鏡の古代史」P87には、次の記載があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
実際に野党時代終末期には破砕副葬が広い範囲で一般的になっていることからすると、弥生時代後期後半期以降、列島の広い範囲で「鏡を副葬する時には破砕するもの」とする思想や埋葬方法が拡散・共有されたことによるものと考えられる。この時期には、副葬する鉄器を折り曲げたり、墓地に供献する土器を破砕する儀礼などが広く見られることから、そうした同時期の破砕的行為全般との関連も想定される。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここだけ読むと、なんとなくそうなんかという気になってしまいがちですが、ちょっと変だと思います。
上記のP85には、「これまで知られている北部九州の破砕副葬の事例において、破片を接合しても完全な形に復元できず、欠損箇所が生じる場合が多いことから、破砕副葬の歳に一部破片が抜き取られ、それが破鏡として加工された」 ⇒ 「完形鏡を 副葬用の破片と、破鏡に加工するものに分けた」 の紹介をし、「実際には、これまで発見されている破鏡(この分の中の破鏡は狭義の破鏡ではなく完形鏡ではない・完形鏡の一部であったという壊れた鏡の意味)の事例では、破鏡同士で、あるいは破砕副葬事例との間で同一個体として復元可能なものが殆ど知られていない」と書いています。
辻田さんは、下図の資料(私が一部加工してます)を出しています。
この図で見る限り、破鏡が埋葬に関連して行われているものと考えるよりも、個数が少ない完全な形の鏡を意図的に割って、個数を2倍3倍にして、有力者に分け与えた、埋葬・副葬にもまるまる完全な形の鏡を1つ使いたくない事情があったという現実的対応があったと思った方が、自然だと思います。
![「弥生時代の後期・終末期には、大陸から破鏡」の回答画像6](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/media/b/882134_62efb2f708b25/M.jpg)
再度の御回答ありがとうございました。
私は誤解していましたが、土偶は<出土物からかなりの部分を接合(抜けはできても)し、原形らしくできることが多いようです。>なのですか。鏡と土偶では様子がちがいますね。
No.5
- 回答日時:
破鏡も入ってきたようですが、完全な形の鏡も入ってきて、いるようです。
副葬にしても、完全な形のも、破鏡や鏡片のようなものもあるようです。
弥生時代の後期・終末期の遺跡から出土した破鏡でも、副葬されているのは半数以下で、半数は住居址かららしいです。
ネットでは次のように書かれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%A2%E9%8F%A1 …
破鏡とは、銅鏡を打ち割り、破片の形で利用したと考えられるものである。破断面には研磨や懸垂するための穿孔などの2次加工やベンガラでの着彩したものもみられる。墓からの出土もみられるが、集落や住居あるいは包含層からの出土が多く、護符などの呪術的な用途が想定される。
なんで破鏡が…… には、鏡の需要が増えて、にも関わらず、鏡の供給が少なかったので、かけらでもいいことにしたという節もあるようです。
上のネットには、次の説明もあります。
研究者の見解は分かれている。田崎博之はこの時期も何らかの理由で漢鏡の流入量が減り、これを補うために破鏡が流通したとし、岡村は国内で漢鏡を保有する地域が広がり需要が高まった事から分割して水増ししたと推測し、藤丸詔八郎は葬祭儀礼の変化により破砕副葬が行われてその破片が配布されたとし、上野は漢鏡4期に大型鏡が流入しなくなり径面による序列を維持できなくなったことで、「漢鏡>破鏡・弥生小型倭製鏡」の新たな序列を生み出したと推測し、南健太郎は破鏡は繰り返し分割したものとして権力の分有を象徴するとしている。
副葬には、もう、かけらでも良いんだ、仕方ないということもあったんでしょう。 上のネットには、次のように書かれています。
破砕鏡とは、副葬するにあたって完形であった銅鏡を故意に打ち割ったもので、この副葬法を破砕副葬と呼ぶ。この特徴は弥生時代後期から終末期に限定的に見られるもので、古墳時代には再び完形鏡の副葬が一般化する。
御回答ありがとうございます。
<鏡の需要が増えて、にも関わらず、鏡の供給が少なかったので、かけらでもいいことにした>が、私には無難に思えます。
そして、<故意に打ち割ったもの>の動機は、破損している土偶に関連するのか、と思っています。
No.4
- 回答日時:
弥生時代とはいえ、縄文文化はそのまま継承されている。
縄文文化の死後の世界観、つまりあの世の世界は、この世の真逆だと信じられていた。
生と死が真逆なように、モノについてもこの世の壊れていないモノが役に立つのに対し、あの世では壊れたモノが役に立つと真逆に考えられていた。
だからあの世に行った死者のために一部を傷つけたり破壊した土偶を埋めていたりした。
弥生時代になると、最大の名誉・権威ある貴重品が鏡だった時期が出現する。縄文時代の土偶の役割も鏡が果たすことになった。
でも貴重な鏡を破壊するのはもったいない。だから、中国から壊れた鏡を安く大量に輸入して副葬品にしていたのでしょう。
早速の御回答ありがとうございます。
<あの世に行った死者のために一部を傷つけたり破壊した土偶を埋めていたりした。>
鏡もある時期は、彼らにとっては古い時代の土偶並みに破壊した、ということはあり得ますね。
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