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量子をたくさん集めたものが目の前の物質ですが、なぜ、量子的な性質は消失しているのでしょか?
砕いた磁石の粉末を固めたみたいなものかとも思ったのですが、それなら、何かで強力に方向を決めてやれば大きなものでも量子的な性質が出そうですがそういうわけでもないようですし・・・

A 回答 (7件)

「量子」という単語を使っているからには量子は波としての性質を持っていることはご存知ですね。

波は振幅、周波数、位相で表されることもご存じのことと思います(位相を時間微分すると周波数なのですが)。個々の量子に着目すると様々な量子力学的性質が現れることは質問に書いてある通りです。
さて、沢山集まったそれぞれの量子の振動位相がデタラメの場合には振動の振幅の正負が同数あるので個々の量子が区別できないくらい遠くでは振動は打ち消しあってしまい量子力学的効果は見ることはできません。
振動の位相が揃った(干渉性がある)特殊な場合には沢山の量子が集まっても量子力学的効果が現れることがあります。その典型的な例がレーザーや超伝導等です。詳しい説明はwikiをどうぞ。残念ながら日本語はありません。
https://en.wikipedia.org/wiki/Macroscopic_quantu …
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量子的な性質が消失せずに観測される現象として、例外的に(1)永久磁石と(2)超伝導現象があります。

そして、どちらも電子のスピン角運動量が鍵になってます。
私は、量子力学と古典力学の最大の違いはこのスピン角運動量の扱いにあるように考えます。量子力学には軌道角運動量とスピン角運動量の2種類があって、軌道角運動量(h/2πの整数倍)は古典力学の角運動量に対応してますが、光子では±h/2π, 電子では±h/4πに限られるスピン角運動量を特別なものとして扱われてます。しかしながら、光子は軌道角運動量を示し得ないので、両者に共通するスピン角運動量こそ典型的な量子力学における角運動量であると考えるべきでしょう。このスピン角運動量の特性は古典力学ではどうあっても導きようがありません。
そして、このスピン角運動量が表立つと(1)永久磁石や(2)超伝導といった”量子的な性質”が現れるようです。(1)は、鉄, マンガン, ニッケル等の原子内の特定軌道にある電子のスピンの向きが大規模に揃った状態です。そして(2)は、スピンが異なる2ヶの電子がクーパーペアを作ることが鍵になってます。
電子のスピンの+, -の違いは模式的に電子の運動方向を軸とする回転方向で区別されます。このため、電子が複数存在して、それぞれが互いに脈絡のない運動をする状況では、先の(1)や(2)の場合を除いてそれぞれの運動方向が乱れてスピン方向が揃わなくなるので、スピンに起因する現象も現れ得ません。これが”量子的な性質が消滅する”理由であろうと、私は考えます。
運動方向を乱す原因は、個々の電子がそれぞれの異なる環境から雑多な影響を受けることが考えられます。周りの原子の熱運動もその一例になるでしょう。(1)の永久磁石では、鉄, マンガン, ニッケルでは一部電子が原子内で周囲より遊離されたような特殊な状況にあると予想できて、(2)の超伝導の出現には何よりも低温であることが必要です。
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>ただ、原子についても量子的な性質をたくさん持っていませんか?なんとなく原子単体1個に持っているイメージですが、例えば炭素原子を1個を1原子が膜になったグラフェンに衝突させようとぶつけても、真正面からぶつかったとしても案外お互いがぶつかることなく素通りする気がするのです。



トンネル効果ですね。核子に結びつく電子は素粒子なので、マクロ物質の中でも、条件が揃えば、ミクロの量子的性質を持つ場合があるのは当然です。

それを利用した典型的デバイスが半導体ですね。そうなるような原子構造でありであるということです。

>他にも厳密に原子1個ずつを真正面からぶつけてもおそらくは確率的にしかその場所には原子が存在しておらず素通りする。どの程度の確率か分かりませんが、素通りすることが稀にでも起きるイメージを持っています。

現象はそのとおりですが、まったく違う話です。

原子核の大きさと、電磁気力で電子がまとわりついている、原子の大きさのオーダーの違いはわかりますか?10万から100万倍です。

つまり、東京駅に1mの原子核があるとき、原子の大きさは、関東全域を囲む、水戸、宇都宮、高崎・・・・あたりの円になります。関東全域が、単なる空間ですよ!

つまり原子はスカスカなのです。

われわれが、ものをものと感じるのは、原子の中の電磁気力の反発です。
その反発が、ものの、大きさ、形、硬さなどを決めます。
(ちなみに、色も、電子のエネルギーレベルの電磁波の吸収と反射の度合いです)
つまり、実際にマクロの粒子に触れているわけではないのです。

原子核をぶつけても、当然スカスカですから、原子核どおしがぶつかる可能性はほぼゼロです。それ以外は、電磁気力を打ち破るエネルギーさえもっていれば、簡単に通り抜けます。

>しかし、ビー玉サイズの炭素をお互いにぶつければ素通りすることは絶対に起こらない。この考え方は間違っていますか?

これは莫大な数の原子が、莫大な数の電子で結合しているので、たとえスカスカでも、その膨大な電磁気力の結びつきとその反発力があり、それをすり抜けられないだけの話です。

>また、正しければなぜ寄せ集めただけでその量子的な性質が消失するのかが気になるのです。

量子的な性質の意味を、きちんと理解するべきです。電子の話や、半導体のような特殊な電子エネルギー状態を作ったデバイスのふるまいと、原子核の話と、原子全体での物質としてふるまいとが、例ごとにごちゃごちゃなっているため、科学的な会話になりません。

素粒子が波であることによって起こる量子的性質と、マクロの現象とはまったく別の話で、状況の定義を厳密にしないと、回答にたどり着きません。
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量子をたくさん集めたものが目の前の物質ですが・・・



これがかなり違いますね。

正確に言えば、

1。クオークが3つグルーオンの強い力で結びついたのが陽子、中性子。
2。子と中性子が、クオークとグルーオンの中間子核力で結びつくと核子
3。核子と電子が、光子の電磁気力で結びつくと原子。

です。なので、素粒子レベルで言えば、原子は

フェルミンの、アップクオーク、ダウンクオーク、電子
ボゾンの、グルーオン、光子

で構成されます。

そのうち、1は、強い力のクオークの閉じ込めという現象で、クオークを単独で取り出せない。つまり、陽子も中性子もほぼ無限の寿命を持ち、崩壊せず安定してるのです。そのことが、原子の量子的性質を消して、マクロ物質としての安定性を担保します。

2も、一部の放射性物質を除けば、ほぼ安定です。これがこわれて、結合エネルギーが質量欠損として取り出されるのが、原子力発電や、原爆ですね。

1も、2も安定なので、物質は物質っぽくあるわけです。通常は、3の電子の結びつきが変わる化学反応だけで、この世の大半の物質関連の現象は説明できるのです。

余談ですが、この陽子がある一定の寿命で崩壊するかも・・・という仮説を検証するための施設がカミオカンデですね。しかし、陽子崩壊はまだ見つからず、代わりにニュートリノなどの予想外の現象を発見し、ノーベル賞を生み出しています。いまも新しい設備で、陽子崩壊を見つけようという試みは続きます。
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この回答へのお礼

回答いただきありがとうございます。

原子核は素粒子よりも遥かに安定的なのですね!

ただ、原子についても量子的な性質をたくさん持っていませんか?
なんとなく原子単体1個に持っているイメージですが、例えば炭素原子を1個を1原子が膜になったグラフェンに衝突させようとぶつけても、真正面からぶつかったとしても案外お互いがぶつかることなく素通りする気がするのです。
他にも厳密に原子1個ずつを真正面からぶつけてもおそらくは確率的にしかその場所には原子が存在しておらず素通りする。
どの程度の確率か分かりませんが、素通りすることが稀にでも起きるイメージを持っています。
しかし、ビー玉サイズの炭素をお互いにぶつければ素通りすることは絶対に起こらない。
この考え方は間違っていますか?
また、正しければなぜ寄せ集めただけでその量子的な性質が消失するのかが気になるのです。

お礼日時:2022/12/15 01:29

難しい問題です。

似たような話(元は同じかも)に時間の矢の問題というのもあります。これは非常に基礎的な物理現象は時間に可逆的であるにもかかわらず、マクロなふるまいには(私たちが知るように)一方通行の時間の矢が存在します。

時間の矢はエントロピーで説明されることが多いです。ご質問の話は、それぞれの量子の相互作用によって存在確率(波動関数)の確定が起こっているのではないかと漠然と思えるのですが、月は観測されるまでは存在しないなどの話のようにその線引きは曖昧のようです。

さて以下は私の勝手な妄想となるのですが、これらのことは『創発』にからんでいるものではないかと思っています。創発とは聞きなれない言葉かと思いますが、簡単に例えるなら”水の性質”のようなものです。水というのは化学式ではH2Oですが、HやOの性質をいくら調べたところで”水の性質”は分かりませんし、何ならH2Oの1分子だけを見ていても”水の性質”は分からないでしょう。このように多くのものが集まって初めて現れるような現象を『創発』と言います。
『創発』の研究は、まだほとんど始まってさえいないと言えるような状況ですので、ご質問や時間の矢がこれで説明できるものであるかどうかは分かりません。しかし何となく関連?のありそうな気がしないでしょうか。
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量子と原子を取り違えてません?

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この回答へのお礼

回答いただきありがとうございます。
量子の振る舞いのある粒子が集まったものが原子で原子が更に集まったものが目の前の物質という意味で使っています。また、原子も1つ等だと量子的な振る舞いをすることも多かったかと思います。しかし、大量に集まるとその性質がなくなってしまっています。

お礼日時:2022/12/14 20:08

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