福祉国家 市場志向型

教材の解説に「福祉国家の肥大化により"政府の失敗"が指摘され、市場志向型の改革が展開」とあったのですが、なぜ福祉国家がうまくいかないと市場志向型に至るのでしょうか。

ご教示いただけますと幸甚です。よろしくお願いいたします

No.1 回答者： kantansi 回答日時： 2023/06/02 12:08

福祉国家は、社会保障や公共サービスの提供に重点を置き、国家が市民の福祉を守る役割を果たすことを目指す政策のことを指します。

一方、市場志向型の改革は、市場の力を重視し、競争や市場メカニズムを通じて経済や社会を改革しようとする考え方です。

福祉国家がうまくいかないと市場志向型の改革が模索される理由はいくつかあります。その一つは財政的な持続性です。福祉国家では、社会保障や公共サービスの提供に多くの財政資源が必要となります。福祉プログラムの充実や人口の高齢化などにより、財政負担が増大する場合、国家予算のバランスが崩れ、財政問題が生じる可能性があります。

また、福祉国家では政府が幅広い分野でサービスを提供するため、その運営や管理において効率性や柔軟性に課題が生じる場合があります。大規模な官僚組織や規制の多さが、迅速な対応やサービスの質の向上を妨げることがあります。

さらに、市場志向型の改革は市場メカニズムの活用を通じて効率性や競争力を高めることを目指します。市場は自由な価格設定や競争によって効率的な資源配分を行うことができるため、競争や市場メカニズムの導入によって、より効率的なサービスの提供や経済成長を実現することが期待されます。

以上のような理由から、福祉国家が問題や課題を抱える場合、市場志向型の改革が模索されることがあります。ただし、福祉国家と市場志向型の改革はそれぞれに利点や限界があり、社会的な価値観や政策目標によっても選択が異なることを考慮する必要があります。