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なぜ法律用語と日常語ではまるで意味が違うのですか。
「善意」が有名ですよね。日常語では「よい心」という意味ですが、法律用語では「ある事実を知らない」という意味になるのですよね。
同じように「受領」は日常語では「単に預かる」だけの意味しかないと思いますが、法律用では「(その書類など預かり)訴えを認める」くらいの意味になるようですね。
構成している漢字の意味から考えたら日常語のほうが順当に思えますけど(特に善意なんかは)、どうして法律用語ではそんなややこしい意味にしてしまうのでしょうか?

A 回答 (5件)

もともと、法律などの体系的学術用語ってのは海外の法律論的な考え方から派生して日本にも取り入れられてきたものが多いからです。

日本でその考え方を取り入れるに関して、適切な訳語が存在しないか一般的な表現で曖昧に使われている場合に、初めにそれを訳して導入した人がそのように決めたから問うことになります。

言語では、
原語では「悪意」は「mala fide」、「boeser Glaube」(奸計、邪気)。
「善意」は「bona fide」、「guter Glaube」(誠意、聖心)だそうです。
ラテン語でbona fideは"good faith"と言う意味で日本の善意にあながち間違ってないといえばそうで、むしろ日常の使い方の方が主観的な気がします。

生物医学論文でも「bona fide」という表現は英文で使われますが、この場合も「本当の、真実の、確かな」などとといったニュアンスのラテン語として用いられることが多いです。

法律論は価値観の是非を問うのは難しいため、客観的に見た物事の事実状況を説明することを目的とする場合が多いと思います。そのため善悪などの価値観など主観的要素をできるだけ排除したものしか定義されません。この辺は刑法と民法では異なると思います。
ちなみに、「悪い意図を持って」という一般的な「善悪」に感覚に近い事実を表すときは「背信的悪意」などと言います。


ちなみに、法律家がそう明確に定義されてるものばかりと思ってみると、一方で案外曖昧だったりもしますよ。例えば、法律を勉強するとよく出てくる判例などの「社会通念上相当」という話だって案外基準は曖昧です。実際これを弁護士がつぶやいていて、司法修習時代に教官である裁判官に「どのような基準で社会通念を判断して相当か否かって判断するんですか?」って言いたら、「社会通念上は社会通念上だ」みたいなはっきりした答えが返ってこなかったと言う話をしていた人もいます。刑法の「業務上」の考え方も業務上過失と、業務上横領では意味するものが同じではありません。結局、いくら法律論が客観的であるとしても人間の判断する物事の価値基準である以上完全にそれを定義するのは実際のところ難しい。「善意」と言うものだって趣旨としては「そう言う事実関係を知らなかった人というのは悪気はない」と言うニュアンスで度々保護されるわけですが、突き詰めれば「知らなかったと言い切ることはいいことなのか?」みたいな感覚になってしまうのは人の心情でしょう。「善意無過失」などの言い方もありますが、だからそもそも知らなかったという状態そのものは決して「善い」ではないだろうとか。実際、刑法であれば「法律上の故意」は知らなかったというだけでは明確には阻却されませんしね。

まあどうでもいいことですが、そういう不安定なことをはっきりと限定させせすぎずに、かつ文面が曖昧で広範囲にさせ過ぎず法律を作った先生方はある意味条文とかうまく際どい文章で作ってるなあって思いますよ。
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この回答へのお礼

私の稚拙な質問に的確に答えていただき大変ありがとうございます。
特に、余談やほかの方の回答のわかりにくい部分まで補っていただき感謝の念に堪えません。

「背信的悪意」などという非常に興味深い言い方にも触れることができて大変得をした気分です。

larme001さんの他の回答も読んでみたいと思いましたが、それが探せない設定なのが残念です。

大変ありがとうございました。

お礼日時:2023/10/14 04:30

法律用語に限らず「日常での意味と専門用語としての意味が異なる」なんてごく普通のありふれた話だと思います。

「どうしてそんなややこしい意味に」と言うのは単純に「専門用語としてはその方が分かりやすいから」だと思います。「善意」「悪意」なんて日常での意味よりも法律用語としての意味の方がむしろ分かりやすいくらいです。
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特定分野での意味が一般と違うことはどの分野でも普通のことですね。


その意味を文ではなく単語で表そうとしたときには造語するより既存の単語の意味を定義した方が容易で判りやすいからでしょう。あるいは外国語で使用されている単語を直訳したものもありますね。

科学での「仕事」、「雰囲気」がその例ですね。

確信犯の様に誤用が一般化してしまったものもありますね。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
>特定分野での意味が一般と違うことはどの分野でも普通のことですね。
いやその通りなのは知ってますが、全く思いが至りませんでした。

なぜ法律用語だけ特別に感じたのか考えてみました。

例示していただいた科学用語と比較してみると、科学用語は高校で習っていたし日常生活で「力×距離」が問題になったことはなかったんですね。

一方で法律用語は高校卒業までには習わないわりには日常生活の中でひょっこり顔を出します。
親が死んだときに相続を放棄するため書類をかき集めて裁判所に送ったわけですが、数週間たって裁判所から「訴えを受領する」という返事が来たんです。(「訴え」ではなかったかもしれません)
ご想像の通り「えっ、ただ受け取っただけなの。結果はどうなるの?」と疑問がわき出たのでした。一般人はみなそう思うんじゃないかな。
まあネットで調べたら意味はすぐに分かったわけですが、ごくたまにしか法律には接しないので意味がわからなかったのです。

調べてみましたが「仕事」は一般語でも科学用語でも英語では work なんですね。
「仕事」の出自が英語かどうか知りませんが、まさに外国語の直訳がなされたんでしょう。

そういえば、司法の世界では書類を預かっただけの時は何て言うんだろうかという疑問がわいてきました。

とにかく回答ありがとうございました。

お礼日時:2023/10/12 20:50

法律用語として善意だけだはなく「善意無過失」


が最強になります。
善意有過失であればある事実を知っていたこと
になりますのでそこら辺の仕分けと思いますよ。
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この回答へのお礼

すみません。
おっしゃりたいことが全く分かりません。

お礼日時:2023/10/12 20:55

法律を作成した時期(時代)の解釈を引き継いでいるからです。


最近の若者は、一つの言葉が意味する幅広さまで知識が及ばない、
という事でしょう。
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この回答へのお礼

受領に関しては昔はそういう意味でも使われていたんだよと言われればそうなのかもしれないかとは思えますが、善意のほうは一つ一つの字を見たときに到底「知らずして」という使われ方をしていたとは思えないです。
ご存じでしたら昔の法律以外での用例をお教えください。

お礼日時:2023/10/11 22:05

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