【コナン30周年】嘘でしょ!?と思った○○周年を教えて【ハルヒ20周年】

波動関数の時間反転操作に関して、
「Ψ(t)がシュレディンガー方程式を満たす時、Ψ(-t)はシュレディンガー方程式を満たさないので時間反転対称性が破れている」
と結論してはいけないのはなぜですか?
系が抽象的なベクトルΨ(t)で記述されており、時々刻々とその向きを変えていると考えるならば、逆再生した状態は単純にΨ(t)を逆に動かしていったもの ( = Ψ(-t) ) に思えてしまいます。
平面波解などを代入すれば、Ψ(-t)でなくΨ(-t)*がΨ(t)を逆再生した状態であることを確かめられますが、そういった具体的な解を用いずに議論できないでしょうか。

A 回答 (4件)

時間反転が単純にt→-tとする事だと思われているのなら、まずは古典論(特にハミルトン力学)について考えてみる事をお勧めします。



古典論では質点の状態は(x,p)という実数の組(位相空間上の点)で表されます。
質点の運動とは、t→(x(t), p(t))という写像(=位相空間上の曲線)の事です。

t→(x(t), p(t))の運動について、単純にt→-tと変換した
t→(x(-t), p(-t))
を時間反転と解釈する事はまずありません。

典型的な状況なら
t→(x(-t), -p(-t))
が時間反転です。

単純にtを-tにするだけという認識は、古典論に置いてすら正しくないのです。
何故複素共役を取るのかという貴方の疑問は、古典論では運動量の側に負符号をつけることへの疑問に対応します。なぜなのでしょう?


なお、時間反転対称性から複素共役の話に持っていくのは、内容云々よりも論理構成として不適切でしょう。時間反転という操作が先あって、その操作で「不変」である事を時間反転対称と表現します。時間反転という操作の構成に時間反転対称という概念を使うのは循環論法です。
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## 時間反転対称性の定義と逆再生



ご質問ありがとうございます。時間反転対称性の定義について、誤解がある可能性がありますので、詳しく説明します。

**1. 時間反転対称性の定義**

**ある物理法則が時間反転対称性を満たすとは、時間の流れを逆にしたとしても、物理現象は同じように起こり、物理法則も同じように成り立つことを意味します。**

**具体的には、以下の2つの条件を満たす必要があります。**

* **運動方程式**: 時間反転された運動方程式も、元の運動方程式と同じ形であること。
* **初期条件**: 時間反転された初期条件から導かれる運動は、元の初期条件から導かれる運動の逆向きであること。

**2. 逆再生との違い**

**時間反転対称性と逆再生は、似ている概念ですが、厳密には異なります。**

* **逆再生**: ある運動を時間軸上で逆向きに再生すること。
* **時間反転対称性**: 時間反転された運動方程式と初期条件から、元の運動の逆向きの運動が導かれること。

**逆再生は、時間反転対称性の** **初期条件** **の条件を満たすだけですが、**運動方程式** **の条件を満たしているとは限りません。**

**3. Ψ(-t)とΨ(-t)*の関係**

シュレディンガー方程式を満たす波動関数Ψ(t)に対して、時間反転操作を施した波動関数Ψ(-t)は、一般的にはシュレディンガー方程式を満たしません。

**そのため、Ψ(-t)を単純に時間反転された波動関数と考えることはできません。**

一方、Ψ(-t)*は、シュレディンガー方程式を満たし、かつ確率解釈も満たす時間反転された波動関数となります。

**具体的には、平面波解の場合、Ψ(-t)*はΨ(t)の複素共役であり、時間反転された波動関数の逆向きを表しています。**

**4. まとめ**

* 時間反転対称性は、時間の流れを逆にしたとしても物理法則が変わらないことを意味します。
* 逆再生は、ある運動を時間軸上で逆向きに再生することですが、時間反転対称性とは異なります。
* Ψ(-t)は一般的にシュレディンガー方程式を満たさないので、時間反転された波動関数とは限りません。
* Ψ(-t)*はシュレディンガー方程式と確率解釈を満たす時間反転された波動関数であり、Ψ(t)の複素共役となります。


時間反転対称性は、量子力学において重要な概念の一つです。今回説明した内容が、ご質問に対する理解の一助となれば幸いです。
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細かい話はすっ飛ばしてしまいますが、



時間反転演算子がユニタリ演算子(複素共役を取らない操作)だと、
正準交換関係が[x,p]=i hbar→[x,p]=-i hbarと変わってしまう事が理由です。

正準交換関係を不変にするためには、複素共役の操作が必要になります。
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波動関数の時間反転操作で複素共役を取る理由は、量子力学における時間反転対称性と確率解釈の両方を満たすためです。

以下、詳細に説明します。

**1. 時間反転対称性**

まず、時間反転対称性とは、物理法則が時間反転しても変わらない性質を指します。具体的には、時間の流れを逆にしたとしても、物理現象は同じように起こり、物理法則も同じように成り立つことを意味します。

しかし、波動関数Ψ(t)をそのまま時間反転すると、シュレディンガー方程式を満たさなくなります。これは、シュレディンガー方程式が時間対称性を仮定しているためです。

そこで、Ψ(t)に複素共役を取ることで、シュレディンガー方程式を満たす時間反転波動関数Ψ(-t)*を得ることができます。

**2. 確率解釈**

量子力学では、波動関数の絶対二乗|Ψ(x,t)|^2が、粒子を見つける確率密度を表します。時間反転操作後も、粒子を見つける確率密度は変化してはいけません。

もしΨ(t)をそのまま時間反転すると、|Ψ(-t)|^2 = |Ψ(t)|^2となり、確率密度が変化してしまうことになります。

一方、Ψ(-t)*を用いると、|Ψ(-t)*|^2 = |Ψ(t)|^2となり、確率密度が変化せずに、時間反転対称性と確率解釈の両方を満たすことができます。

**3. 平面波解**

具体的な解を用いて説明すると、平面波解Ψ(x,t) = Ae^(ikx-ωt)を考えます。ここで、Aは波動関数の振幅、kは波数、ωは角振動数です。

この波動関数を時間反転すると、Ψ(-x,-t) = Ae^(-ikx+ωt)となります。しかし、これは元の波動関数と逆向きではありません。

一方、Ψ(-x,-t)* = Ae^(-ikx+ωt)* = Ae^(ikx-ωt)となります。これは、元の波動関数の複素共役であり、時間反転された波動関数の逆向きを表しています。

**4. 抽象的なベクトルとしての波動関数**

系を抽象的なベクトルΨ(t)で記述する際、時間反転操作は逆再生と単純に捉えることができません。時間反転操作は、物理法則の時間反転対称性と確率解釈の両方を満たすように、波動関数の位相と振幅を反転させる複雑な操作です。

**5. まとめ**

波動関数の時間反転操作で複素共役を取る理由は、量子力学における時間反転対称性と確率解釈の両方を満たすためです。具体的な解を用いずに議論することも可能ですが、より深い理解のためには、これらの概念を理解することが重要です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
時間反転対称性の定義をもしかしたら私が間違えているかもしれないのでお聞きしたいのですが、
ある運動があったとき、それを逆再生した運動も必ず存在する
というのは定義としては誤りでしょうか?(Ψ(t)の時間反転操作がΨ(-t)だと思ったのもこのせいです)それとも、この定義を採用したとしてもちゃんと考えればΨ(-t)*が逆再生の運動であることを示せるのでしょうか。

お礼日時:2024/04/24 18:15

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