
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
No.2です。
「価電子」で検索してみると、
・典型元素では、最外殻電子(ただし、希ガスの価電子数は0個とする)…用法が一致
・遷移元素でも、最外殻電子(s軌道にある1~2個の電子)を価電子と呼んでいる人が多い。
・化学結合で、結合に関与している電子を価電子と呼ぶことがある(例、アンモニウムイオンの価電子は8個)
このように価電子の定義は曖昧です。11族の元素では、たとえばCu2+ や Au3+ のようにd軌道の電子を放出した形のイオンができるので、d軌道を結合に関与する電子だと考え、「遷移元素は、d軌道全体まるごと価電子と呼ぶ」とする立場なら、価電子11個だということになります。
しかし、その立場でも、12族の価電子は2個としたほうがよさそうです。現在の定義では、12族は典型元素に分類されます(昔は遷移元素に分類していました)。
一方、最外殻電子を価電子と呼ぶ立場でも問題が残ります。遷移元素の最外殻電子は1~2個です(0個のときもある)。d軌道とs軌道の微妙なエネルギー差の関係でたまたま0,1,2のどれかになっているだけです。これが何個かということと、元素の化学的性質との関係が薄いのです。「Crの価電子は1個でMnの価電子は2個」などとわざわざ言ってみても、だから何?それで何がわかるの?という感じです。「Crの価電子は6個、Mnの価電子は7個」と言ったほうが、化学的性質との関係が深く、現実味があります。
教科書は価電子を説明しようとしたのではなく、「同じ族の原子は電子配置に共通点がある」ということを言いたいのだと思います。そのために価電子という言葉を使ったのが混乱の元でした。価電子の定義にこだわるのはやめて、電子配置の表と元素の周期表を眺めて傾向を把握することに力点を置いてはいかがでしょうか。
確かにいろいろお話をお聞きしたり、自分で考えてみても、「価電子」の定義にはあまりこだわる必要はないのかも知れません。大事なのは「結合に関与する電子は希ガス芯よりも外側の電子」、「同じ族の原子は電子配置に共通点がある」などのことだと思いますので、とりあえず、そこあたりはきっちりと押さえておこうと思います。
何度も丁寧な回答をありがとうございます^^)
No.4
- 回答日時:
再びNo.3です。
申し訳ありません。半端な知識で書いて大恥をかいてしまいました。
確かにCuの電子配置は[Ar]3d^10 4s^1で正しいです。
調べたところ、価電子の説明として「ある元素の価電子は、その元素より原子番号の若い最初の希ガス原子の核外電子の軌道より外側の軌道を回るものがなる。」とするものがあるようです。おそらく教科書の価電子の定義もこうなっているのではないでしょうか。
一方でd軌道電子を持つ原子に対しては、価電子は「最外殻電子とそれに近い内殻電子で、結合に関与する電子」と定義されていることが多いようです。
とりあえずその教科書における価電子の定義を調べてみるといいと思います。
前後の説明も抜書きますと「もっとも外側にあるエネルギーの高い軌道を電子価軌道、その電子を価電子と呼ぶ。一般に原子価軌道は電子の入っているもっとも外側の電子殻、すなわち最外殻のs及びp軌道である。O(酸素元素)の場合は、2s及び2p軌道が原子価軌道、L殻が原子価殻、またこれらの軌道を占める六個の電子が価電子である。しかし、最外殻より内側のd軌道やf軌道が不完全に占められている場合にはそれらの軌道も原子価軌道に含め、それらの軌道を占める電子も価電子に含める。・・中略・・性質が類似している元素に共通しているのは原子価軌道の電子配置がよく似ているということであり、族の番号は価電子に基づいている。1~12族までは価電子の数がそのまま族番号となっており、13~18族までは価電子の数+10が族番号である。」
この考えで行くと、Cuの場合は3d軌道には10個の電子が入っていると思うので(満員になってますよね?)4s軌道のみで考えて価電子は1個となるように思われ、亜鉛の場合も同様に考えて2個となるように思えたのですが・・。
No.3
- 回答日時:
4s軌道は貫入効果により3d軌道よりも先に電子が割り当てられます。
ですので、例えばCuの電子配置は[Ar]3d^10 4s^1ではなく、[Ar]3d^9 4s^2となります。
そのことと関係してるかもしれません。
参考URL:http://www.frad.t.u-tokyo.ac.jp/~miyoshi/InCh200 …
No.2
- 回答日時:
Cuの価電子が11個とかZnの価電子が12個というのは明らかにおかしいので、教科書がまちがいだと思います。
前後の説明を比べて、なにかわかりませんでしょうか。
たとえば、その部分の前に価電子の説明が書いてあるとか、あとの部分にこれを使った問題があるとかそういうものはないでしょうか。
前後の説明も抜書きますと「もっとも外側にあるエネルギーの高い軌道を電子価軌道、その電子を価電子と呼ぶ。一般に原子価軌道は電子の入っているもっとも外側の電子殻、すなわち最外殻のs及びp軌道である。O(酸素元素)の場合は、2s及び2p軌道が原子価軌道、L殻が原子価殻、またこれらの軌道を占める六個の電子が価電子である。しかし、最外殻より内側のd軌道やf軌道が不完全に占められている場合にはそれらの軌道も原子価軌道に含め、それらの軌道を占める電子も価電子に含める。・・中略・・性質が類似している元素に共通しているのは原子価軌道の電子配置がよく似ているということであり、族の番号は価電子に基づいている。1~12族までは価電子の数がそのまま族番号となっており、13~18族までは価電子の数+10が俗番号である。」
この考えで行くと、Cuの場合3d軌道には10個の電子が入っていると思うので4s軌道のみで考えて価電子は1個となるように思われ、亜鉛の場合も同様に考えて2個となるように思えたのですが・・。
No.1
- 回答日時:
Cuに関しては1+よりも2+イオンになりやすいことから考えて、3d軌道も大いに反応に関与しているので、3d軌道を入れてもいいんじゃないでしょうか。
Znはほとんど2+ですが、4+というのもあると思いますので、同様に考えていいんじゃないかと思います。
ただし、価電子というのは、あくまでも便宜上のことだと思います。遷移元素の価電子は普通は考えません。遷移元素の場合は電子の数だけでなく、電子配置が問題になるので、電子配置を書くのが普通です。
回答ありがとうございます^^)
私も、遷移元素と典型元素の合間のところですから、3d軌道も入れて考えるのかなー・・と思ったのですが、そういった記述を見つけることができませんでした。
遷移元素の価電子は普通は考えないというお話、非常に参考になりました。ありがとうございます^^)
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