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この本を読んで人生が変わった。考え方が変わったという本を人生の1冊教えて下さい。

A 回答 (6件)

十八歳でした。


漠然と父親と同じ道を歩んでいきたいとは思っていましたが、その一方で、親元を離れたくもありました。具体的にどうしたらいいのか、父親は身近過ぎるだけに、かえって聞くこともできず、まして学校の進路指導=受験指導の教官に、聞くべきことはもとより、言うべきことばもなかったのです。
溢れるような思いと、鬱屈を抱えていました。まったく根拠のない自信と野心、それと背中合わせの、自分になど何もできるはずがない、という卑屈な気持ちと。

そんなころ、学校の帰り、日課のようになっていた駅前の本屋に入りました。
新しく入った文庫を、何気なく手に取り、初めの、エピグラム風の一節を読み始めました。

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 カンヴァスに描かれた絵の、古くなった絵具が年月のたつうちに透明になってくることがある。すると、絵によっては一番はじめに描かれた線が見えてくる。女のドレスの下から樹が姿を現わし、子供の姿の向こうに犬が居り、一隻の大きな船が浮かんでいるのは、もはや大海原の上ではない。この現象はペンティメントと呼ばれる。描いた人間がもとの絵を「後悔」(リペント)し、心変わりしたということである。言い換えれば、昔抱いた考えは、後に変わることがあっても、また姿を現わし、再び現われてくるものだと言えるかもしれない。
    リリアン・ヘルマン『ジュリア』(原題 Pentimento)ハヤカワ文庫
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自分の、カンヴァス。
いくつもの色が重ねられた。
そうして、これからも重ねられていく。
そうしたのちに、古い線が浮かび上がってくるのか。いま抱えるこうした鬱屈も、あふれるような思いも、時のなか、消えるのではなく、“ペンティメント”として、ふたたび立ち現れてくるのか。

そうして、わたしは進路を決めました。たぶん、それはことば本来の意味での「進路」だったと思います。

それからいろいろあって、そのとき思った方向とはずいぶん違うほうへ来てしまいました。
けれども、ヘルマンが言ったように、古い線は、いまもわたしの絵の中に残っているのだと、そして、いま、このときにも重ねていく線も、色も、決して消え去ることはなく、残っていくのだと思います。

それ以前にも、そのあとにも、名作と呼ばれる本、世界を動かしたような本も、何冊も読みました。
そうした名作、傑作に較べれば、ささやかな本です。この書をめぐる毀誉褒貶も知りました。
それでも、「人生を変えた」というのは、ある意味で気恥ずかしくなるようなことばだけれど、そう問われてなにか一冊上げるとすれば、この本、この一節だと思います。

この回答への補足

こちらでご回答いただいた方には厚く御礼申し上げます。
皆様の「人生を変えた1冊」は時間はかかるかもしれませんがこれからの私の人生で、是非参考にさせていただきたいと思います。
貴重なご意見ありがとうございました。

補足日時:2005/05/27 00:42
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この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ありません。ご回答ありがとうございます。
ご紹介いただいた一節、読ませていただきました。
鳥肌がたちそうでした。
言葉にすると褪せてしまいそうなので控えますが、
いろんな思いが私の中にも交差してます。
貴重なご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2005/05/25 16:29

何百万あるか知れない書籍の中で、自分を一新させてしまうほどのものなど滅多にありません。


出会いであり、タイミングであり、運だと思います。
それは遠くにあるかもしれないし、ほんの隣のいつも見かけるところにあるのかもしれません。
と、お断りした上で、

・デカルト「方法序説」岩波文庫版
が私にとってのその一冊でした。
これはふつう哲学書になっていますが、私にそんな難しいものなどわかりゃしない。
エッセーか、まあせいぜい人生読本として読みました。

自分の将来に対する深い悲哀を噛みしめているとき、ふと手に取って読みはじめたもの。
ものの見方、考え方、取り組み方の、一つの有力なヒントを教えてもらった。
これは大きななぐさめでした。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>何百万あるか知れない書籍の中で、自分を一新させてしまうほどのものなど滅多にありません。
出会いであり、タイミングであり、運だと思います。
それは遠くにあるかもしれないし、ほんの隣のいつも見かけるところにあるのかもしれません
=私もそう思います。本との出会いは偶然ではなく必然の気がします。
貴重なご意見ありがとうございました。
是非参考にさせていただきます。

お礼日時:2005/05/23 23:05

愛はなぜ終わるのか―結婚・不倫・離婚の自然史



昔、夫と上手くいってなかった頃、どこをどうまわってきたのか借りて読みました。
理由があったのかと、心底ウケました。

遺伝子のなせる業や、人類学など知っているのと知らないのとでは人生が違ってくるなと思ったのはこの本を読んでからです。
それから怒涛のように本を読み始めました。
この本を読んだ驚きが原点で読書を始めたことにより、今の私が幸せな生活を送れていると思っています。

他人には当てはまらないと思いますが。
私の人生を変えた本といえばこれです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
>どこをどうまわってきたのか借りて読みました
運命の出会いですね。本は読む人を選ぶといいますが
まさにそういう感じです。
wa_aw_sorashi様の原点になった本なのですね。
貴重なご意見ありがとうございます。
読んでみたいと思います。

お礼日時:2005/05/23 22:59

此処暫く、人生は自分で支配できる・・・・とかそんな啓発本・技術本が日本でも良く出ているし、怪しいセミナーも多い様ですが、それの元が米国で出たときに、日本に翻訳本が出ましたが、それかな・・・・。

最初の大学三年の時にアルバイトを始めたときに渡されました。
ジョセフ・マーフィの本です。今は色々な名前で出ているはずです。


他には、ソ連・ロシア横断旅行・・・シベリア鉄道の旅・・・ですね。 列車で長い間同じ景色しか見えない様な大きな国がある・・・行きたくて、計画だけは沢山立てましたが、まだまだ今みたいに気楽に出かけられる時代ではなかったから・・・・・。

ア、二冊になってしまった。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。timeupさんのコメントは本当によく拝見しています。ですのでtimeupさんからご回答いただけるなんて、すごく嬉しいです!ジョセフ・マーフィーの本は中学生のときに読みました。衝撃的だったことを今でも覚えています。「シベリア鉄道の旅」ですか?これもまた興味深いです。探してみます。本当はお聞きしたいこともあるのですが、カテ違いになってしまうのでまた、今度お聞きします^^ありがとうございました。

お礼日時:2005/05/23 11:29

人生ではないですが


 
 1.物理学的人生論-生・死・運命の謎を解明する
  (猪木正文=講談社現代新書)
  読みやすく、解りやすく後の死生観、宗教観にも
  影響をあたえました。
 
  2.桶川ストーカー殺人事件-遺言-
   (清水潔=新潮文庫)
   警察の信頼が全く変わりました。新聞やテレビでは決して知る事ができない「事実・真相」が書かれています。全国の警察官、国民に読んでもらいたいです。   
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。自分が普段読むジャンルではないのですが、質問させていただいたのは、そういう読書の視野を広げたかったからでもあります。ですので大変参考になります!ありがとうございました。

お礼日時:2005/05/23 11:18

ダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」


この本を読んで、進路を決めました(^^)
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この回答へのお礼

早々のご回答ありがとうございました。有名な本ですよね。1読してみます。ありがとうございました。

お礼日時:2005/05/23 11:15

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