旧日本軍は、兵站・補給という概念を重視しておらず、それが敗北の大きな原因の一つであった、という認識は、広く共有されていると思います。
おそらくそれは事実なのだと思いますが、ではなぜ、補給を重視しなかったのでしょうか?
東條英樹にせよ、山本五十六にせよ、軍人達は近代的な軍事理論を一応は勉強したインテリで、あるものは当時の先進国に留学もし、第一次大戦での戦果も学習したはずです。
そのなかで、補給の重要性が学ばれなかったとは思えないのです。
現地調達主義もあったでしょうが、早々に破綻していたので、その後も補給を軽視し続けた理由が、よくわかりません。
単に「意識が低かった」、とだけ説明されても、やや納得がいかないのです。
なぜ、先の大戦で、勝利に必須であることは明白な「補給」が軽視されていたのでしょうか?
A 回答 (17件中11~17件)
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No.7
- 回答日時:
もちろん兵站を軽視するはずはないと思われます。
しかし、戦況が悪化していくなかで、インテリの理屈よりも猪武者の精神論及びエリートのプライド(沽券)がまさったためだ、というごくフツーの結論になるのではないでしょうか。ただし現地調達主義も否めないでしょうが、弾丸などの消耗品は調達不可能なものも多かったでしょう。
兵器もない、物資もない、補給もない、しかし大和魂はあるというだけで、開戦から1年後にはすでに敗北が決まっていたものを、単にジタバタ(まさに悪戦苦闘)していただけです。
緒戦においても、そもそも兵站戦が薄く細く延びすぎるような戦略自体、本当に勝てると思っていたとは思えません。戦力比較でも同じです。有利な講和のもくろみが消滅した時点で、戦略も兵站も破綻しきっていたものと思われます。
ありがとうございます。
兵站を軽視してはいなかったものの、
精神論やプライドや大和魂のほうが、さらに重視された、ということですね。
結局、相対的には、精神論に比べて、兵站が軽視された、ということでしょうね。
No.6
- 回答日時:
本当は供給したかったが、諦めたのでは・・・・・
理由
「供給船が攻撃され、撃沈」、その情報が戦線に伝わることで戦意喪失につながる。
「連合軍も供給船の存在を重視しており、攻撃のターゲットにするだろう」と日本軍司令部も事前に想定していた。
当然、食料供給のルートが狙われる。 また、そのルートの安全確保が保証されなかった。
結局、補給は失敗に終わるだろう。と・・・・・・ ならば、補給は断念。
「やりたくても出来ない(失敗)」結論に達したのではないでしょうか。
ありがとうございます。
補給を成功させる目処が立たなかった、ということですね。
補給を断念し、それでも戦線を拡大したということは、結局は補給を軽視していた、ということでしょうかね。
No.5
- 回答日時:
戦時下では通商破壊という作戦が取られ,輸送船や商船が狙われる事で,作戦に大きな影響を与えると考えられています。
日本の場合,守りたくても船や航空機が無かったようです。参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9A%E5%95%86% …
ありがとうございます。
輸送路を守る資源がそもそも乏しかったということですね。
通商破壊が想定され、防護すべき船や航空機がない中でも、戦線拡大せざるをえなかったのでしょうか。
No.4
- 回答日時:
特に太平洋戦争においては「補給するため」の戦争だったのではないでしょうか?
現地調達主義と言うよりは、現地で調達するしかない状況だったのだと思います。
国内にも物資が残っていなかったわけですし。
軽視したというよりも、できなかったという部分が大きいと思います。
ありがとうございます。
現地調達以外の選択肢がなかった戦争であった、ということですね。
戦線をかなり拡大して、現地調達に賭けるというのも、かなりリスクの高い戦略ですね。
リスクは高くても、それしかない、という状況だったのでしょうかね。
No.3
- 回答日時:
これは、いくつかの理由があると思います。
まず、補給軽視によるプラスの面があることが、原因の一つかと思います。
補給軽視、現地調達方式で、最も戦果をあげたのが、ナポレオンでした。
補給線の構築、到着を待たずに、戦闘ができるため、一度相手に打撃を与えれば、素早い追激戦で、敵軍の壊滅をはかる事ができました。
この考え方が、電撃戦の基本的考え方です。
また、現地調達ではなく、平時に十分に物資を溜め込み、戦闘では、それを使い現地調達なしにすませる方法もあります。
これも、補給線の構築される前に戦闘ができ、補給部隊が追いつくまで、戦闘区域の拡大、維持ができます。
この利点は捨てがたく、現在でもアメリカ海兵隊は、この方式をとっています。
(そのため、海兵隊は、緊急展開ができます)
一方アメリカ陸軍は、補給を重視し、圧倒的戦力を展開する事を基本としています。
これが、アメリカ陸軍と海兵隊の最大の差となっています。
日本の陸軍は、基本的に海兵隊的性格があり、広大な戦線に展開するため、補給網の構築を作りにくかった事も原因の一つです。
基本的に、陸軍の補給は、本土から海軍に頼ったものとなっていました。
これは、陸軍・海軍に共通しますが、国力以上の軍備をもってしまったため、正面装備の手配だけで予算がいっぱいになってしまい、補給部分が手薄になってしまっていた事も事実です。
つまり、トラックを100台用意するよりも、戦車10台を優先したのでした。
また、従来の戦いは、国内での戦いばかりでしたのし、長期にわたる戦いを、経験してこなかった事も原因でしょう。
ヨーロッパなどでは、何年にもわたる戦いは、何回もありました。
その時、攻撃している側が、補給切れで、撤退しなければならない場面が多々生じていますが、日本では、そういった事例がありません。
また、過去においても、補給を重要視したのは、豊臣秀吉以外みられません。
豊臣秀吉の補給参謀であった石田三成が、武断派の加藤清正などに嫌われたのは、かれらが補給の重要性を理解していなかったからです。
徳川幕府も、石田三成を批判するため、補給の重要性を軽くみていたのが、日本軍の気質に影響していたのではないかと考えます。
ありがとうございます。
補給軽視が必ずしも戦略的に間違っているのではない、ということですね。
また、日本陸軍とっては戦線が広大過ぎ、国力以上の軍備であったため、予算の配分も手薄であった。
さらに、長期戦の経験がなく、歴史的に補給軽視であった、ということですね。
>つまり、トラックを100台用意するよりも、戦車10台を優先したのでした。
という重要なご指摘についてですが、補給重視のアメリカ陸軍は逆なのですか?
戦線が経験したことのないほど広大になることが予想された時、軍人達が、
「陸海軍が協力して、補給路を確保しなければいけない、そのための予算も充分に割かなければいけない」
という意見にならなかったのが、まだ不思議です。
やはり歴史的に培われた意識なのでしょうかね。
No.2
- 回答日時:
民族的な思考によるもの、かもしれませんね。
日本は国土が狭く、資源も少ないため、
伝統的に短期決戦を指向する傾向が強くあり、
持久戦に弱いと言われています。短期決戦であれば
兵站の不備を覆い隠す事もできたのでしょうし、
そういった戦が長く続くことで、ある種の「型」が
できてしまったのではないでしょうか。
そして、日清日露戦争で、不十分な兵站のまま
「勝ってしまった」ことが、不十分な体制と戦略戦術が
昭和にまで受け継がれた理由なのではないでしょうか。
頭では重要性は理解している、けれどもそれは骨身にしみて重要性を理解していることとは違う。さらに、「勝った」という先例がある。
もともとは資源獲得を目的に開戦しているのに、
緒戦にあまりにも華々しく勝ってしまった。
そして調子に乗って戦線拡大、手を広げすぎて
補給を重視しようにも運ぶ手段がない、
というどつぼにはまったのではないか、と推測します。
ありがとうございます。
補給の重要性は頭では理解していても、歴史的に短期決戦の志向が強く、日新日露や緒戦の勝利によって、戦術レベルでは実行できなかったということですね。
つまり、理解していることと、実践できることとは違っていて、旧日本軍は実践できるレベルでは補給の戦術は習得していなかった、ということですね。
No.1
- 回答日時:
補給路の確保の重要性は、当然認識していましたが、手を広げざるを得ない戦略、進軍、戦果
これ対し、米軍が、補給路、輸送路を断つ作戦を取り、それが的を射てしまったと言うことでしょう?
制海圏・制空権の奪い合いは、勝敗を決するのに、大きな意味を持っている事は、周知の事実ですよね
ありがとうございます。
補給の重要性は認識していたが、米軍に補給路を断たれた、ということですね。
ただ、補給路が脆弱で、断たれるのが事前に予想されるような、戦線の拡大だったと思います。
補給の重要性を認識していたのなら、なぜ、補給路が脆弱になるまで戦線を拡大したのでしょうか?
補給が難しくても、戦線を拡大せざるを得ない状況があったということでしょうか。
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