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微小温度変化に対する熱電対出力の解析を行うために差動増幅回路の勉強をしています。できれば差動増幅回路にフィルタ機能を追加したいと考えています。しかし、参考書やHPからは反転増幅回路に付属されたフィルタしか見つけることができませんでした。差動増幅回路について下記の3つの質問の回答をお願い致します。
(1)一つのオペアンプ(OP177)のみの使用で差動増幅回路にフィルタ機能を付属することができるか
(2)差動増幅回路の出力を別のフィルタ回路(FLT-U2)に接続した場合、何に注意が必要か
(3)差動増幅回路に入力バッファ回路を挿入するメリットについて

稚拙な文章で申し訳ありませんが回答を宜しくお願い致します。

A 回答 (4件)

 


 
 間違えました

例えば R1 に並列に C を付ければ LPF になりま
      ↓
例えば R2,3 に並列に
 
 
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>> OP177 一個でなにもかも <<

 OP177 は高精度アンプとしては現在の最高峰ですが、計測アンプの入力段として使って尚かつフィルタ機能などを全て一個に背負わすのはとても無理です。 下図の回路構成はご存知と思いますが この構成が最良の解なのです。

  Vip ──|+\A1
       |  >─┐V1  ┌─R6─┐
      ┌|-/   |    |     |
      ├─-R2-┴─R4┴|-\  |
      R1           |   >─┴ V3
      ├─-R3-┬─R5┬|+/A3
      └|-\   |    |
       |  >─┘V2  R7    R4=R5
  Vim ──|+/A2     |    R6=R7
                GND

 上記回路を(OP117を3個使って)基盤上に作ることだけでも、使えるものに仕上げるには、様々なノウハウと経験が必要です。Net上のウンチク話だけでは到底追いつきません。 もしまだ部品調達をしてない検討段階なら、同じアナデバの AD623 を検討してはいかがですか。 試作の繰り返しや 抵抗のことで頭を悩ます時間や苦労が軽減されると思います。
http://www.analog.com/UploadedFiles/Data_Sheets/ …

 また、熱電対周辺をオールインワンにした AD594,595 がありますので参考までに。(J,Kタイプに特化してるなど今回の実験には使えないかとは思いますが。)
http://www.analog.com/jp/prod/0%2C2877%2CAD595%2 …

 アナログ回路はある意味芸術作品っぽいので 名作を鑑賞して相場を知りましょう。



>> フィルタ <<

 熱電対の入力段に、上図のR4,R5とA3の差動アンプを使った話をするのは論外です。 A1,A2 で構成された差動アンプ(差動入力差動出力)で高入力抵抗で受けて、その後をA3で差動成分のみを抜き出す、この方法が 最初に書いたように最良の方法です。
 まず、
帰還アンプの理論には「利得Aが巨大ゆえ それで割られた項は消えて…」が必ずありますよね。しかし利得が巨大である周波数は範囲があります(datasheetに図示されてますよね)、もし入力の周波数成分が それを上回ってると その成分には 帰還アンプの近似式が成立ませんよね?
ゆえに、
 『アンプに全部を込れて、帰還路のフィルタで料理しよう』
という企みは、アンプが大利得で動ける周波数帯域に限る必要があります。それを越えた周波数成分が混じったままを入れると(アンプの入力回路は、帰還が強く働いて信号が極めて小振幅だとの前提で設計してあるが、帰還が効かない成分は小振幅になってくれないので半導体のexp特性が露わになって sinA×sinB=sin(A+B)+… のような一種の「変調」になってしまい、) 忠実さが失われます。 つまり 大きなノイズは駄目 なのではなく、帯域外成分は駄目 なのです。
 ゆえに、
アンプの前に Low pass filter を置いてください。
普通、商用電源からの誘導ノイズが主ですね。



>> (3)差動増幅回路に入力バッファ回路を挿入するメリット <<

 アンプの入力インピーダンスが低いと そのフィルタに参加してしまって(対地バランスの邪魔など) フィルタ設計の邪魔なので、入力インピは十分に大きくするのが定石です。上図の A1,A2 が電圧follower回路になってるのは 主にこの目的です。 ゆえに「熱電対の入力段に、上図のR4,R5とA3の差動アンプを使う話は論外です。」



 早い話が、AD623 の前に受動フィルタを置いた構成に絞った検討をしてはどうでしょう ということです。
受動フィルタなら上下対称回路は簡単ですよね。部品の定数を(金掛けてでも)しっかり上下対称に揃えることです。 OP177 や AD623 の applicatoin note を見れば、測定対象からのグランドの取り方など、まだまだ試行錯誤しそうな事項が多々あるのがわかります。市販基盤上にバラバラのアンプで組むと 相互間のグランドで苦しむことが少なくありません。物理的な距離などICの大きさで決まってしまうので。



>> FLT-U2 <<

 ときどき見かけたデバイス名ですが、触った経験が無いし Datel が昨年身売りしたせいか Net 上で情報が見あたりません。サイトが分れば教えてください。



>> 微小温度変化に対する応答解析 <<

 差し支えがあったら無視してください、例えばレーザーオンオフとかで けっこう速い変化を与え、その帯域成分だけを FIL-U2 とかで抜き出するのでしょうか。交流成分だけの増幅でいいのなら話が一変するかもです。ふとそんな気も。



 参考までに上図回路の利得は;

A3単独(差動アンプ)
  V3 = -(R6/R4)(V1-V2)
 この回路が差動増幅であるためには R4=R5,R6=R7 が条件です。R を複素数にすれば周波数特性は得られます、アクティブフィルタの本を当たってください、2次もできますし 方式は豊富すぎて とてもここに書き切れません。

A1,A2ペア回路(差動入出力アンプ)
  (V1-V2) = (1+(R2+R3)/R1)(Vip-Vim)
普通は R2=R3 とします。ここも R1 や R2 を複素数にすればフィルタにできます。例えば R1 に並列に C を付ければ LPF になりますね。

回路全系(計測アンプ)
  V3 = -(1+(R2+R3)/R1)(R6/R4)(Vip-Vim)
 全体の利得を調整/設定するには、ペアになってる抵抗を可変にすると二本を同時に変えないと駄目ですが、R1 は一本しかないので利得調整/設定に使われます。
 
 
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この回答へのお礼

図解までしてくださりありがとうございます。今までにAD595を使用していたのですが10mV/1℃という出力のため私が調べたい加熱物体周辺の温度変化を捕らえることができずに更なる倍率を求めていました。お話のAD623ですがちょっとの差で本日OP07(オフセットとノイズに強い)が到着してしまいました^^;予備実験の結果だとバッファを挿入しなくてもコモン・ノーマルノイズ共に目立つことがなかったので本番はアンプの前にLPFを挿入して様子を見ていきたいと思います。また何か生じた折には宜しくお願い致します。FLT-U2についてですが残念ながら私も手元の資料のみでweb上で見つけることができませんでした。

お礼日時:2005/10/24 13:57

#1です。

補足

先の回答で、「特に後者の入力インピーダンスの差異は・・ノーマルモードのノイズに一部変わる)」というのは不正確(というか、間違いに近い)でした。
(同相電圧を加えたときに、演算増幅器-入力端子の電位が変わって、インピーダンスの差異を打ち消す動作をするというのを失念してました。申し訳ない。)
ただし、差動増幅回路の抵抗値の組み合わせによっては、+側と-側の入力電流のバランスが崩れて、コモンモード(同相)ノイズ→ノーマルモードノイズの変換が起きることはあります。

1.のオペアンプひとつでフィルタと差動増幅を構成する方法は、部品(特にコンデンサ)の誤差で、高い周波数での同相電圧(ノイズ)除去の特性が劣化しやすいかと思います。

3.のバッファを挿入する場合、扱う信号が非常に小さいので、バッファに特性の良い(オフセットやノイズが少ない)ものが必要になるかと思います。熱電対でしたら、信号源インピーダンスがかなり低いので、差動増幅器の入力インピーダンスが問題になることは少ないかと思います。(熱電対から延々と計測線が延びている、という状況ですと話は変わりますが。)
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この回答へのお礼

返信が遅れてしまい申し訳ありません。丁寧な御回答ありがとうございます。差動増幅のフィルタの件助かりました。周波数応答を調べながら特性の確認をしていきたいと思います。OP177でTC出力波形を見たところ確かにバッファを挿入しなくても見た目にノイズのないきれいな波形になりました。

お礼日時:2005/10/23 12:47

1.


一次のフィルタなら、可能です。(差動増幅回路の-入力端子-出力間の抵抗、+入力端子-GND間の抵抗それぞれに、並列にコンデンサを入れる。)
二次のフィルタとなると、ちょっとわかりません。

2.
入力の差動増幅器がノイズで飽和しないように、なるべくノイズを抑えるようなレイアウト、構成が必要になることがあります。

3.
差動増幅回路では、
・入力インピーダンスが比較的低い
・+側入力-GNDと、-側入力ーGND間のインピーダンスが異なる場合がある(設計により、同じにすることもできますが。)
というのがあります。
特に後者の入力インピーダンスの差異は、入力線に乗ったノイズに対して、影響を受けやすくすることがあります。(本来除去可能なはずの同相ノイズがノーマルモードのノイズに一部変わる)
入力にバッファを入れることで、入力インピーダンスを高く保ち、同時にインピーダンスのバランスを取りやすくして同相ノイズに弱くなることを防げたかとおもいます。
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