No.1ベストアンサー
- 回答日時:
菌を適当なバッファーに再懸濁します(グルコースが入っているのが一般的ですが、浸透圧をあわせるだけで、あまり重要ではありません)。
アルカリとSDSでタンパク質や膜成分を可溶化し溶菌します。同時に大腸菌のゲノムDNAはアルカリ変性して一本鎖状態になります。スーパーコイル状のプラスミドは変性しにくいのでそのまま残ります(プラスミドまで変性しないように冷やしたり、短時間にします)。
そこに酢酸カリウムなどの塩を加えると急激に中和されるのと同時に塩析作用で、タンパク質-SDS複合体と変性DNAを不溶化します(冷やすこと、時間を置くことで沈殿の形成を促します)。これを遠心分離すると上澄みにプラスミドが残ります。
塩を含んだ上澄みにアルコールを加えると溶けていたプラスミドがアルコール沈殿を起こすので、これを遠心分離して沈殿として回収します。70%程度のエタノールで沈殿から塩を洗い流します。
No.2
- 回答日時:
ほとんど#1の方の回答で正解ですので、2,3補正させていただきます。
(1)アルカリ変性状態では、プラスミドも変性しています。ただ、環状なので、2本鎖は完全に離れられない状態にあります。だから、急激に中和する事で、ゲノムのDNAはもつれてしまうのに対して、プラスミドは、再生(リアニーリング)するのです。サイズの大きなプラスミドになるとコピー数が同じでも回収率が減少するのは、この過程に問題があります。
(2)酢酸Kを加えると生じる沈殿の大部分は、KとSDSの複合体です。SDSはKと水に不溶性の複合体を形成するので、そこに変性DNAや変性蛋白質を共沈させる訳です。変性している状態でも可溶性の状態は考えられます。だから、大きな沈殿物を作らせないと除去できない訳です。
この操作を同じ濃度の酢酸Naでやると失敗します。それは、SDSのNa塩は水によく溶けるからです。
(3)DNAが熔けている溶液にアルコールを加えると、DNが十分に中性の塩(DNA自身は、核酸です)の状態になっていれば、脱水されて凝集体を形成します。だから、塩の存在が必要です(でも、この場合は、中和の過程で大量の塩を加えているので、問題は無いわけです)。また、沈殿形成の効果は、アルコールの鎖長が長いほど大きいので、エタノール(C2)<プロパノール(C3)<ブタノール(C4) の順に効果が大きくなりますが、ブタノール以上は、水と完全に混和しないので、前2者がよく使われます。
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