No.5ベストアンサー
- 回答日時:
兵庫県南部地震被害調査経験者です(他の地震の調査経験もあります)。
先の回答にあるように、1981年に耐震設計法が改正されて耐震性能が大きく変わっています。それ以前のものでしたらかなり危険性の高いものがありますが、それ以後ならかなり安全性は高まっています。
被害調査の実感としても、大きな被害を受けたものの多くはそれ以前の設計されたものでした。
1981年に耐震基準が変わったのは、1970年代に発生した地震被害調査を参考にして、それまでの耐震基準では考慮されていない構造的な欠点を補強するためです。
マンションでよく使われる鉄筋コンクリート造を例に挙げると、せんだん破壊の防止をするために、せんだん補強筋という鉄筋を多く使用するように改正されています。
もともと鉄筋はコンクリートの欠点を補うために入れられているものなのですが、旧耐震基準では考慮されていなかった、せんだん補強を考慮して、鉄筋をより多く入れるように改善されています。
柱に入れるフープ筋(縦の主筋を巻くように配置する鉄筋)という鉄筋の量は倍以上になっています(これは明白な差なので、調査をすると新耐震の建物か旧耐震のものか、柱の被害を見ると簡単に判断できます)。
なお、せんだん破壊というのは、柱では斜めのひび割れが入るような破壊のことで、この破壊が始まると構造物は急激に倒壊することがある危険性の高い破壊形式です。
以上のように耐震基準の変更前後では大きく耐震性能が異なると一般的にいえます。だから、新耐震で設計されたものならば、それほどひどい状況にはないと思います。なお、基準は最低限のことを決めているので、個別の建物に対しては、基準に対してどれほど余裕のある設計をしてあるかどうかによって変わりますので、新耐震ぎりぎりで設計されたものより、高い耐震性能を持っている古い建物もあります。
築年数と被害の関係は、耐震基準の違いにより大きな差があり、その他は一般的に推定できるように、古いものほど被害が高くなると考えてよいと思います。
これは、劣化により耐震性は徐々に低下していくからです。ただしこれは、メンテナンス次第で大きく変わります。
購入前には、維持補修状況や管理組合の修繕積立金の状況をよくチェックしたほうがよいです。購入後に大規模補修をして積立金が不足したため、臨時徴収なんてこともありますので要注意です。
なお、希望している阪神大震災における築年数と被害の関連の報告資料などは書物で建築学会などからたくさん出ていますが、当時は今ほどインターネットが発達していなかったので、それらが載っているホームページはちょっと見つけられませんでした。
かわりに、日本建築学会(ここが具体的な耐震基準を作っています)のホームページを紹介しておきます。
http://www.aij.or.jp/jpn/seismj/index_se.htm
ここに一般人向けの簡単な耐震性のチェック法も載っています。
希望するような資料ではないですが、耐震基準による差により、旧耐震設計のものに被害が多かったことは建築学会から明言されています。
http://www.aij.or.jp/jpn/seismj/rc/index-rc.htm
また、旧耐震設計にされた建物に対しては、耐震性に不安があるので、国土交通省は建設白書などで世間に公表していますし、耐震補強を推進するように法(「建築物の耐震改修の促進に関する法律」)の整備や補助制度の整備を進めています。
この記述は平成16年度国土交通白書の第2部6章1節の地震対策の項に書いてあります。
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h16/hakusho/h …
参考URL:http://www.aij.or.jp/jpn/seismj/rc/index-rc.htm
No.4
- 回答日時:
自分も阪神大震災の経験から答えさせてください
神戸市東灘区に1983年にたてられたマンションに住んでいました。
阪神間は関西でそだった2大建築会社(T工務店とO組)のマンション・ビルが多数ありますが、結果的にはT工務店がたてた建物の倒壊が多かったようです。自分のマンションはO組でしたが、O組の人が「みかけのT、基礎のO」と自慢していました。また場所によっても被害に差があり感覚的には、川の近くは(埋め立てして川がなくなっていても)どうも地盤がわるく被害が多かったようです。
これもご回答がありましたが、直下型であった阪神大震災では中高層ビルまでに被害は集中、超高層ビルは被害が少なかったようです。プレート型の東海、東南海、南海地震は逆に超高層ビルが危ないそうですね。
筑後の年数と倒壊割合に相関があるという話はあまりきかないようです。専門の方が建築基準法の改正と地震被害のことをよくお話されますが、被災した人間としては、改正の前後で被害に顕著な差があったという話は見たことも聞いて事がありあませんし、少なくとも一般市民向けに公表されたデータはないようです(データをとらないわけがなく、それなりに相関があれば間違いなく公表されているはずなので、改正前後での耐震性に関しては有意なさが認められなかったと推定します)。
やはり、施工業者、立地条件、デザイン(一階、二階に壁がないピロティは最悪)さらには階数(中高層の場合真ん中の階に被害が集中)等でご判断されるべきでしょう。鉄筋/鉄骨コンクリート造りの建物であれば筑後の年数はあまり耐震性に関係しないというのが、被災経験者の実感です。
No.3
- 回答日時:
建築基準法など公的なことは1#さんの答えがありますので、阪神大震災の経験から、実務的なことをアドバイスします。
マンションはデベロッパ、設計事務所、施工会社を経て建築分譲されています。工業製品でいえばメーカーに当ります。
何か問題やトラブルがあったときの対応は、大企業の方が安心です。逃げ隠れできない会社が建築・販売している物件を選択されることをお勧めします。大手のデベロッパが販売し、スーパーゼネコンが施工していれば、少々割高でも何かのトラブルのときの費用負担が大きく違ってきて元が取れます。
No.2
- 回答日時:
資料ではありませんが、揺すられた当人の感想と近所の事例から。
築年数より、マンション自体の立地条件等による被害の差が大きかったように記憶しています。・敷地が以前どのような物であったか?
くぼ地の埋め立てや、湿地・田んぼの後は、マンション自体なんとも無くても液状化現象がおき、敷地は陥没。階段を付け足すなどして対処していた。(地下駐車場も要注意)液状化で下水配管のやられた所もあり、修復まで下水に水を一切流せない状況となり(トイレも含む)疎開していた。
・俗に言う、下駄履きマンションの方が被害が大きかった。
・上層階ほど揺れがひどく家の中の被害は大きかったが、マンション自体の被害は中層階に集中。
・断水・エレベーターの停止のため上層階ほど水汲みの労力が必要。
・二棟に分かれていて渡り廊下などで接続されている場合、接続面に被害。
・数棟に分かれている場合、被害の状況が棟により違い修理に対して管理組合で意見がまとめられない。
・電気温水器使用のマンションは、電気温水器が倒れ熱湯が噴出した所もあった。
・屋上に受水槽のある所では、受水槽が倒れた所もあった。近所では皆、水道から水が使えていたのにずっと自衛隊給水車のお世話になっいた。
ご参考になれば。
No.1
- 回答日時:
築20年というと、1985年の建物ですね。
1981年に宮城沖地震の経験を踏まえて改正された、改正建築基準法施工(新耐震)が施行されてますから、それ以降の建物ですね。
参考URLに
耐震設計の歴史
表層地盤ゆれやすさマップ
埼玉県 震災に強いまちづくりマップ
をご紹介しますので、そちらも含めて検討されてはいかがでしょうか?
参考URL:http://www.jisin-110.com/taisin_sekei_rekisi/,ht …
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